概要
桃馬穂版特撮怪獣ヒーロー物語。10歳の春馬くんが選ぶ、救いとは⁉
戦勝国となった日本。宇宙人の技術供与で経済も軍事も“勝ち”を手にし、整列と号令が日常に染み込んだ。だが勝利の裏で政府は密約を結んでいる。海底鉱脈と航路の一部を宇宙人へ供与し、代償に技術と優越を受け取る――更新のたび、従わぬ気配があれば「見せしめ」が来る。圧力の象徴が、怪獣・海神ワダツミだ。海沿いの都市で相転移が起動する。ガラスは割れず砂にほどけ、水は膜になり、建物の表面が剥がれて黒い骨が露出する。さらに海面が持ち上がり、半液状の巨体が上陸。青白いフィンの光に視線が一点へ吸われ、群衆の言葉と拍が一本になるたび、門は閉じ、ワダツミは“完成”していく。英雄が生まれれば歓声が燃料になり、街も人も確定的に壊れる。
十歳の春馬は幼い夜に宇宙人へアブダクションされ、多世界共鳴剤を打たれた。以来、海底の
十歳の春馬は幼い夜に宇宙人へアブダクションされ、多世界共鳴剤を打たれた。以来、海底の
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!少年の空白と海の低音が国家の闇を揺らす叙事詩
静かな文章で始まりながら、読み進めるほど大きな物語のうねりが見えてくる。主人公の春馬は、スイッチ2の予約券になるはずの紙を大切に持っている。日付欄の空白は、ただの買い物の未定ではなく、父との約束、学校の息苦しさ、これから何かが起こる予感まで抱え込んでいる。とくに夜、春馬がその紙を枕の下に入れた直後、遠くから「ドン。……ドン。……ドン。」という低い拍が届く場面は印象深い。少年の日常の小さな不安が、海底の巨大な存在と響き合い始める瞬間であり、この作品の題名にある「レゾナンス」の意味が読者の胸に届く。さらに政府の会議では、春馬らしき存在が「青い点」として管理され、遊戯端末を通じた接触計画が進められ…続きを読む