怪異も流血もない。それでいて、とにかく恐ろしい。制度への信仰、正しさへの執着、他人を裁く場への陶酔が、一人の青年を壊していく。単なるサイコホラーではなく、かなり上品で嫌な読後感が残る。「公開」の場を見に行っていたつもりが、いつのまにか私たち読者も含めて自分たちの内側の暗さを見せられている。そういう作品でした。
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