概要
「商売」より「職人」を選んだ。十五年前、暗闇の板場で灯した希望の火。
あの日から十五年。今、深い鎮魂の祈りとともに、当時の記憶が呼び覚まされます。犠牲となられた方々へ、心より祈りを捧げます。
── この物語は、震災当時、板場にいた私自身の経験を基に構成したフィクションです。細部には創作を加えておりますが、あの日感じた熱量と、恩師から受け取った心の火に偽りはありません ──
◇◇◇
57歳の板長、月影。休日にスマートフォンで小説を書くのが彼の日常だ。
偶然手にした古い二つ折り携帯が、彼を四十二歳のあの日に引き戻す。
スーパーから物が消え、便乗値上げに走る店もあった混迷の二週間。
親方夫婦と共に、ただひたすらに包丁を振るい続けたあの日々。
「食」で誰かの心に灯をともそうとした、名もなき料理人たちの記録。
── この物語は、震災当時、板場にいた私自身の経験を基に構成したフィクションです。細部には創作を加えておりますが、あの日感じた熱量と、恩師から受け取った心の火に偽りはありません ──
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57歳の板長、月影。休日にスマートフォンで小説を書くのが彼の日常だ。
偶然手にした古い二つ折り携帯が、彼を四十二歳のあの日に引き戻す。
スーパーから物が消え、便乗値上げに走る店もあった混迷の二週間。
親方夫婦と共に、ただひたすらに包丁を振るい続けたあの日々。
「食」で誰かの心に灯をともそうとした、名もなき料理人たちの記録。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!震災後の街の息遣いがリアルに伝わってきます。レビューせざるを得ません。
鰻割烹料理店の店長、月影さん。震災時の経験を綴った、半ノンフィクションです。
日本のどこでお店を構えておられるかは分かりませんが、お作を拝見する限り、東北の方なのかなあと拝察いたします。
津波が押し寄せる地域ではなかったようですが、それでも、老舗割烹は壊滅的な被害を受け、電気などのインフラも止まり、街が平常を取り戻すまでに2週間ほどの時間を要しました。
そういう時にこそ、人間の誇りや尊厳というものが試されるもので、月影さんと親方ご夫婦はお店の食材(鰻とか)を惜しみなく使って、ワンコインで弁当を供し続けます。他方で人の弱みに付け込んで3倍の値段で売る弁当屋が現れたりして(潰れちまえ!)…続きを読む - ★★★ Excellent!!!沢山の方たちが「あたたかい鰻を食べられること」で救われていたはずです。
親方さんの心意気がカッコいい。
素敵です!
真面目な話、どこかで戦時中兵隊にとられた人が「上官からの暴力には慣れていったけれど、空腹には慣れることができなくてつらかった」と話していた記事を読んだことがあります。
それと、やなせたかし先生だったかな(間違ってたらすみません)「善悪の価値観は時代によって反転することもあるけれど、それでも『お腹を空かせている人に食べ物をあげる』という行為は唯一不変の『善』なのではないか」とおっしゃっておられました。
食べ物で身体が作られる。
長じればそれは食べ物で思考が作られるということで、お腹がすいてたら悲しくて頑張れないけど、満腹になると前向きになれるっ…続きを読む