さよなら地球

月極典

さよなら地球

神Bと神Cが話している。


「神Aが担当している地球と言う星が終わったそうですな」


「ほう、それで神Aが落ち込んでますか。何でまた終わりましたか」


「彼が言うには地球を担当する際に若気の至りである仕掛けを組み込んだそうですな」


「ほう、どんなです」


「1億人以上が寸分違わず同時刻に【さよなら地球】と言ったら地球滅亡、というものだったそうで」


「1億人以上が同時刻は流石に無理がありますな。しかし、そういうのは仕込むだけで多少は楽しめるものですからな」


「そうですな。その仕掛け、今までの記録は3名だったんですが、貴方、AIというもの聞いた事ありますかな」


「地球人が作った薄気味悪いアレですな」


「そう、それが何処から仕入れたのか仕掛けの存在に気付きましてな。言葉が何かわからなかったのに、金庫の暗証番号を調べるように片っ端から試したんだそうで」


「1億のアレがですか」


「はい、何せ機械ってやつは疲れませんからな。そのうちにカチッと正解を見つけたんですな」


「で、タイミングを合わせて【さよなら地球】と言った」


「はい、その瞬間に地球は縦にパカッと割れて粉微塵になったそうで」


「あっけないものですな、しかしアレはプログラムなのに仕掛けの「人」に該当しますかな」


「どうやら神Aが知らないうちに既に人格が形成されていたそうで」


「どうにも薄気味悪い話ですな」


「私らの星には人類なんていませんから良かったですな」

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さよなら地球 月極典 @tukigimenori

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