小さなものへの「優しさ」を持った、あたたかい巨人たち
- ★★★ Excellent!!!
なんと優しい世界。
主人公が出会った「優しい巨人たち」の姿が、どこかあたたかい雰囲気を与えてくれます。
巨人は主人公の体を一つまみできるような大きさを持っているが、決して危害を加えるようなことはせず、優しく別の場所へと運んでくれる。
大きな女と大きな老婆。どことなく「ジャックと豆の木」を思わせるような雰囲気で、主人公がどういう状況にいるのだろうと興味を惹かれながら読み進めます。
そして最後まで読んで「なるほど」と思うと共に、巨人と主人公との交流のあたたかさが再認識されました。
こういう感じ、現実にもちょこちょこあるなあ、と思い出させられる部分も。ふとした優しさを見せてくれる「巨人」と、その優しさが結実する爽やかなラスト、とても素敵な作品でした。