海が青いのは、私たちの涙で染まっているから。
空が青いのは、私たちの涙で染まっているから。
そんな言葉を耳にしたことがあります。
物語の主人公は、強い風が吹くたびに『飛ばされ』、
大きい少女の指につままれてレモンの木に運ばれたそうです。
そして、レモンの木はいつしか彼の住処になりました。
もうこの時期に見かけることは少なくなりましたが、
やがて暖かくなり、花が咲く頃にはお目にかかれるやもしれませぬ。
彼らが運ぶのは、花粉や蜜だけではなく……
会いにきてくれているのかもしれませんよね。
優しい文体と、詩的な文章は、
最初は ん? と思うような内容やもしれませんが、後半で色々なことが判明いたします。
ご一読を。
本作は【1分で読める創作小説2025】の応募作品となります。
そして筆者様の久しぶりの新作でもあります。
「空を飛ぶ」、このタイトルを見た時にどんな物語を皆様は想像されますか?
様々な憶測・予測を生み出すタイトルは、想像を超え思いがけない物語へと読者である僕達を誘ってくれます。
さて、筆者様の作品を過去作も含めて鑑みるに、ある特徴的な資質をお持ちです。
敢えて語弊を含みお伝えするとするなら、それは「映像美」。
小説という媒体で「映像美」を語るのは奇異に映るかも知れませんが、「語り手の捉えた世界」、その伝達において小説では、技法・技巧的な文章力や詩的な表現、さらに独特の比喩・直喩など様々ですが、それらとはまた別の「空間的な映像美」。
実写とは違う小説であるがゆえに、読者である僕らの「脳をバグらせる」叙述トリックとも言えます。ふふふ、面白いです。
さらに「どうなるの?」と読者を迷わせ、前提として僅か千文字の物語、果たしてキチンと収束出来るのかと思えば、これが見事なエンディングを迎えます。
勘違いして欲しくないのですが、大切なのは技術的な技量でなく、さらに先にある「こちらの小説で語ろうとしたもの」にあるのです。
僕はとても爽やかな読後感を味わいました( ー`дー´)キリッ
お勧め致します。
短編でありながら、確固たる世界観と仕掛けを持ち、その上で美しく儚く、さらに示唆に富んだ内容を含む、うーん、書いていて「てんこ盛り」ですね(笑)。でもご安心を、さらりと味わう事も深読みする事も自由で、どう読んでも誰にでも素敵な物語となっております。
皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)
なんと優しい世界。
主人公が出会った「優しい巨人たち」の姿が、どこかあたたかい雰囲気を与えてくれます。
巨人は主人公の体を一つまみできるような大きさを持っているが、決して危害を加えるようなことはせず、優しく別の場所へと運んでくれる。
大きな女と大きな老婆。どことなく「ジャックと豆の木」を思わせるような雰囲気で、主人公がどういう状況にいるのだろうと興味を惹かれながら読み進めます。
そして最後まで読んで「なるほど」と思うと共に、巨人と主人公との交流のあたたかさが再認識されました。
こういう感じ、現実にもちょこちょこあるなあ、と思い出させられる部分も。ふとした優しさを見せてくれる「巨人」と、その優しさが結実する爽やかなラスト、とても素敵な作品でした。