Лайка / Laika
キカイ工
Лайка / Laika
幼い頃、隣の古い空き家に犬を連れた男の子が引っ越してきた。犬を撫でながら「地球の周回軌道上に捨てられて死にかけてたコイツを拾ってさ、故郷に引き返して特別な治療を施していたものだから到着が随分と遅れてしまったよ」なんてよく分からない、たいして面白くもない冗談を言っていた。
不思議と僕らは気が合い、直ぐに仲良くなった。
時は流れ、成人して僕が家を出るタイミングに合わせるように彼も「じゃあ僕もそろそろ次の星へ行くとするよ」と相変わらずの口調で言うと、この地を去った。まもなく隣の家屋は取り壊され更地になった。
引っ越し先の環境がとにかく悪いらしく、犬は僕が預かることになった。
以来、彼と会うことはない。預かっている犬を引き取りに来るだろうし、不思議と必ず会えるという気はしているのだが、元気にしているだろうか。そういえば僕は彼の両親のことをどうしても思い出せない。死んだ僕の両親は取り壊されるまで隣はずっと空き家だったと言っていた。
「さて、散歩に行こうか、クドリャフカ」
僕はもう七十に近い歳だが、犬は変わらず元気だ。
Лайка / Laika キカイ工 @kikaikou1
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