狂銀世界で女神を愛する私、世界に嫌われる

狂銀――人を喰い、金属を歪める寄生体。
国家が崩壊したあとの都市は、企業が城壁を築き、灰銀の壁に守られた「企業国家」となっていた。

路地裏でゴミ同然に扱われる少女カエデ。
彼女を「女神」と呼び、笑顔を与えたのは配達人シェルだった。
シェルとの出会いは、パン一つの温かさを知る日々をもたらす。
だが、やがて銀人の部隊と七禍の実験が、尊い日常を無惨に踏み荒らす。

──狂銀はカエデを拒み、逆に修復した。
その異常は、彼女を「特異点」へと変えていく。
都市壊滅の果てに生まれるのは、人類史最大の厄災個体 MOTHER。

「女神を愛する私」と「世界に嫌われる彼女」
崩壊の先に待つのは、尊さか、それとも破滅か。