生きている時は少し疎ましくもあった母親が、亡くなった後遺された手紙を読んで、初めてその深い気持ちに気付く。きっと貴方にも心当たりのある、あらふれた物語。気をてらった手法もどんでん返しもなく、ただ母の手紙と、いくつかの小道具があるだけです。でも、その言葉の力と、不変のテーマ、そして筆者の思い入れで読ませてくれます。久々に心から感動しました。タイトルでスルーしないで、読んでみてください、ぜひ。
わたしは、霊魂と言うものを信じていない。生まれ変わりなんて、ちゃんちゃらおかしい。あり得ない。中二病が過ぎる。そんなものは、死を恐れた弱者が考えた、生命保険みたいなものだ。命は生きて、死ぬから尊いのだ。けど、魂はある。物語に、言葉に魂は宿る。その言葉を紡げば、魂は永遠に生きる。このお作品を読み、そう感じさせられた。
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