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北谷雪

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シリアルを占いのように振りこぼしレーズン多めの今日をはじめる


向日葵は怒るときにも笑顔だろう慄きながら出る生花店


ふたまわり大きい犬と吠えあったのちにエノコログサに泣きつく


なにもかも大事にするのは諦めて花器の安らかなからっぽ 酷暑


けっきょくは言えず終いの反論へレフリーのごと睡魔は来たり


切り札のような感情砂浜の西瓜は触れられるまで爆ぜない


飲みさしのレッドブルを手に同僚は仄かな野心の香りを纏う


コンティニュー押せばたちまち決めポーズ 満身創痍の勇者を愛す


「また明日」って唱えて眠るすこしだけ飽きた「いつもの」頼む感じで


闘いに向かない深爪でもきっとファイティングポーズは一生うまい

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