配管詰まり
Kei
配管詰まり
アパートの前の道路で工事をしている。二階なので、窓から様子がよく見える。コンクリートが掘り返され、茶色の土の中から灰色の管が現れている。鉛筆を縦に割った断面のようだ。
巨大な管だ。工具を持った作業員が這い込んでいく。何かの機材を抱えた作業員がその後に続く。さらにケーブルを腕に巻いた作業員が屈んで中を覗き込んでいる。
しばらく見ていると段々、眠たくなってきた。
昼寝をして起きると夜になっていた。
窓から外を見ると、照明をつけて工事が続いていた。道脇に建設会社のミニバンが何台も停まっており、掘り返した管のまわりに揃いのツナギを着た作業員が集まっている。
外に出て、立っている一人に聞いてみた。
「大きな工事になるんですか?」
「何かわからない管が見つかったんですよ。どこに続いてるのか、確かめに入った人達も帰ってこないんです」
「えっ、それは大変ですね」
「30人ぐらい入っていきましたからね… どこかに詰まってるんでしょう。下水に繋げて流してしまいますので… ご迷惑をおかけします」
「ああ、明日は雨ですもんね」
配管詰まり Kei @Keitlyn
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