閑雅な庭と共に紡がれる日々

伯爵家の長女として生まれ、貴族として育ってきたキーリー。
追放同然に忘れられた神の聖女として、聖女に任命された。
その聖女の勤め先は寂れた離宮。
しかし、荒れ果てた庭や寂れた離宮を見たキーリーは絶望するどころか――。

タグにスローライフとあるように、これはキーリーが一つの生活を作り上げて行く物語だ。
離宮を暮らせるようにして、庭を育み、祖母から受け継いだ種と知識を生かしていく。
ほんの彼女の日常を垣間見るように、ストーリーは穏やかでいて、暖かな日差しを浴びているような心地。
そして、キーリーの生活をより彩らせるのは食事だろう。
キーリーは多彩だったが、料理だけは不得手。
しかし、それも協力者によって解決。
この料理がまた良い。
贅沢な貴族の食事ではない。あるものを生かして、それこそ庶民の食事と言えるものだろう。
スープやパンの一つがつい美味しそうと思わせる描写で、読んでいるこちらのお腹が空く……。
キーリーが育てた庭と彩っていく生活と、温かな食事。
そして、一人、また一人と繋がっていく人との想い。
このゆっくりとした物語をずっと眺めていたい、そう思えるお話。
オススメです。

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柊@11月25日🪷皇帝陛下の禍祓士さんの他のおすすめレビュー943