いきなり1首目の下の句から、「血潮を支配するのは私」という、鮮烈なフレーズが目を引きます。短歌10首全てに、耽美的な雰囲気がありながら、同時に退廃的な雰囲気も薫り立ってくるので、読者は美しい陶酔感に浸れることでしょう。好きな短歌は、いくつもあるのですが、2首紹介しておきます。ここは果て 愛の対価を払わないものはいずれ滅びてしまう躁病のカラスアゲハが撒き散らす火の粉を握りつぶして盛夏
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