掃除の時間

//SE チャイムの音

//SE 校内の騒音


「掃除終わりっと!」


「ゴミ、捨ててくるねー」


//SE 階段を下りる音


「放課後は勉強会かー」


「少しは進展、かな?」


「うーん……でも、もう一歩何か欲しいなぁ」


「学校の中より、外で会いたいもんなぁ」


「それか、やっぱり、勉強場所を私の部屋に……待って? よくよく考えてみたら、私の部屋に来るとか……見られて困る物とかなかったよね……」


「あ、でも。 私の部屋じゃなくて、逆もありだよね!」


「はぁ……一人でなに盛り上がってるんだろ」


「でもまぁ、放課後の時間を一緒に居られるなら……時間は、まだまだ沢山あるしね!」


(ゴミ捨て場のある、校舎裏へ続く渡り廊下)

//SE 遠くに蝉の鳴き声


「もう蝉鳴いてるの……まだ7月の頭なのに早くない?」


「でも、あと1ヶ月もしたら夏休みかぁ……夏休み中に、どこか誘ったら一緒に出掛けてくれるかな」


「一緒に買い物……いや、いっそプールとか!」


「……いやいや。 気が早いって。 プールってことは水着でしょ!?」


「……新しいの買っておこうかな。 いや、そこれこそ水着を買うってのを理由に……あれ?」


(窓から外のの視界に入らないようにしゃがみ込んで)

「……どうして、君がここに──あの人は、確か隣のクラスの……」


「何話してるんだろ……」


「気になるな……」


「いやいや! 盗み聞きはさすがに──」


「バレなきゃ……いいよね?」


「夏休みの予定? 出掛ける予定組んでる?」


「いや……どちらかと言うと、これ……」


//SE 蝉の鳴き声が大きくなる


「告白……されてるのかぁ」


「”答えは今度でいい”ってズルくない? 当分は、君の放課後は独り占めだと思ってたのに」


「今の出来事で、君の頭は一杯になりそうだなぁ……」


「君は……なんて答えるのかな」


「あーあ……”恋は早いもん勝ち”、か──」


「アピールはしてたつもりだったんだけどな……」


「横入りは……ルール違反かなぁ」


//SE 蝉の鳴き声が一段と大きくなる


「蝉、うるさすぎでしょ……」


「考え……まとまらないって……」


//SE チャイムの音


「放課後、来なければいいのに」


「……ごみ捨てて、教室戻らなきゃ──」

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どこにでもありそうな、普通の恋 @csakaki

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