「クリスマスの奇跡あるパン屋さんのお話」 お題 クリスマスに送るプレゼント(鮭とば)

世間は物価高騰と不況の真っ只中

クリスマスの賑わいなどどこにもなく

町外れのパン屋「アンハウス」だけが異様な混乱と支離滅裂な騒ぎに包まれていた


「おい、アン!また焼酎かよ!ちょっとはパン屋らしいことしろよ!」

厨房から怒鳴るのはマーガリン

フライパンを手に、もはや調理器具ではなく戦闘武器として振り回す構えだ。

「パン屋らしいことってなんだよォ~!飲むのが仕事だろォ~!

 焼酎こそ俺の生き甲斐だァ!」

アンおじさんはカウンターにもたれかかりながら

焼酎をラッパ飲みしつつゲラゲラ笑っている

「飲むのが仕事なら酒屋やれよ!何でパン屋やってんだよ!」

床でゴロゴロしていたマヨネーズが冷たい突っ込みを入れる

「やる気ないなら店畳め!アンタがいなくても世界は回るんだから!」

マーガリンがフライパンをテーブルに叩きつける音が響く

「回るのは俺の脳内の風車だけだァ~!」

アンおじさんはさらに焼酎を飲み干し、テーブルをガンガン叩く

「脳内風車とか初めて聞いたわ!アンタの頭の中どうなってんだよ!」

チョコパンマンも呆れたように突っ込む

「うるせぇ!お前だって、顔がチョコパンで成り立ってるけど

 中身はカスみてぇなモンだろ!」

アンおじさんはチョコパンマンに指を突きつけて叫ぶ

「中身はチョコクリームだよ!」

チョコパンマンがムキになって言い返すが

アンおじさんは鼻で笑った

「クリームだろうがジャムだろうが、俺には砂糖以下なんだよォ~!」

「砂糖以下とかお前に言われたくないわ!」

マーガリンがフライパンを振り上げ、今にもアンおじさんを殴りそうだ


そのとき、ドアがガラガラっと音を立てて開いた

冷たい風とともに、小さな少年が入ってきた

「おじさん!パンください!」

「パンだぁ~?」

アンおじさんは酔った目で少年を見つめる

「パンなんざ、この世で一番高い贅沢品だぞォ~

 お前、家を売ったって買えねぇぞ!」

少年は怯むことなく真剣な目でアンおじさんを見つめた

そしてポケットから小さな瓶を取り出し、アンおじさんに差し出す

「これ…おじいちゃんが残した焼酎です!これでパンを作ってください!」

一瞬店内が静まり返る。アンおじさんは瓶を手に取り

じっと見つめる

「焼酎だとォ~!?しかもいい酒じゃねぇか…!」

そう言いながらラベルを読み、ニヤリと笑う

「おい、飲むなよ!」

マーガリンがフライパンを振り上げて突っ込む

「少年から酒巻き上げてどうすんだよ!アンタ、人として終わってるよ!」

「黙れ!焼酎はパン作りの命だ!」

アンおじさんは瓶を高々と掲げ、さらにゲラゲラ笑う

だが、突然真剣な顔になって少年に向き直った

「でよォ~、焼酎は受け取ったけど

 タダでパン作るなんて俺のポリシーに反すんだよなァ~

 お前、俺に何くれんだよ?」

少年は驚いた顔でアンおじさんを見つめる

「何か…?」

「そうだ!この俺がパン作ってやるんだ。何か俺に見返りをよこせ!」

アンおじさんは椅子にふんぞり返り、腕を組む

「おい、子ども相手に何言ってんだよ!

 アンタどんだけケツの穴小さいんだよ!」

マヨネーズが床を転げ回りながら爆笑する

「もうパン屋やめてチンピラになれよ!

 こっちの方が向いてるって!」

マーガリンが激しく突っ込む

少年はしばらく考えたあと、小さな手でぎゅっと拳を作り、こう言った

「じゃあ…おじさんの借金、僕が大人になったら返してあげます!」

その言葉にアンおじさんはしばらくポカンとしたが

次の瞬間、大声で笑い出した

「お前、面白ぇじゃねぇか!未来の保証を担保にパン作れってか!

 よし、わかった!作ってやる!」


泥酔状態のアンおじさんはフラフラと立ち上がり、生地をこね始めた

「ほらよ、パンに鮭とばだって?こんなもん、パンの神様が泣き叫ぶぜェ!」

「泣き叫んでんのは今この店だよ!」

マーガリンがフライパンを振り上げて叫ぶ

「もっとちゃんとやれよ!なんで鮭とばをそのまま生地に投げ込んでんだよ!」

チョコパンマンが半泣きで突っ込むが

 アンおじさんは焼酎を飲みながら鼻で笑う

「黙れ!これが俺流のパン作りだ!」

やがてオーブンから香ばしい匂いが漂うと

マヨネーズが鼻をひくひくさせて言った

「なんだこれ…意外とうまそうじゃねぇか?」

アンおじさんはオーブンからパンを取り出し、少年に渡した

「ほらよ!これで妹にでもくれてやれ!味は保証しねぇけどな!」

少年は目を輝かせながらパンを受け取り、深々と頭を下げた

「ありがとうございます!これで妹にクリスマスプレゼントが渡せます!」

少年が店を出て行くと、アンおじさんは焼酎を片手にぼやいた

「どうせあのガキの妹もこのパン食って泣くんだろォ~…まぁ知らねぇけどな!」


翌日

「アンおじさん! 大変だよ!」

マーガリンが店に駆け込んできた

「なんだァ~?また借金取りか?」

アンおじさんが棚を漁りながら答える

「違う!『鮭とばパン』がツイッターでバズってるの!」

「はぁ?」

スマホの画面には「#鮭とばパン」がトレンド入りしており

絶賛のコメントが並んでいた

「塩味と甘みが神のバランス!」

「こんなパン初めて!」

店の前には行列ができ、お客が次々と押し寄せる

「鮭とばパンください!」

「ツイッターで見たやつ、食べたいです!」

チョコパンマンが満面の笑みを浮かべて言った

「やっぱりアンおじさんのパンには、人を幸せにする力があるんですね!」

アンおじさんは焼酎を棚に戻しながら苦笑いを浮かべ、ぽつりとつぶやいた

「人生ってのは、何が起こるかわかんねぇもんだなァ~…」

こうして「アンハウス」は奇跡の復活を遂げ

借金まみれのアンおじさんにも小さな奇跡が訪れたのだった


あとがき

アン〇ン~ア〇パン〇ン優しいキミは~♪

いっけ~みんなの夢守る~ため~♪

ア〇パン〇ンいいゾォ~コレ!(うきうき視聴中感)

やっぱり…いつの時代に見ても最高やな!(社会人感)

そして…酒とば君…キミも最高に美しいよ(愛しの彼女感)

しかし…お外は、寒いなぁ(雪感)

…そういや、今日は…クリスマスかぁ(食パンムシャムシャ感)


クリスマスの夜、私は、焼酎、食パン、酒とばをほおばりながら、

国民的アニメ「ア〇パン〇ン」を視聴し、物思いになつかしさにふけていた

…その時だった…信じられないことが私の中で起きた!

酒とばと食パン…この組み合わせは…うまい(小並感)                まてよ…クリスマスといえばキリ〇ト生誕祭…キ〇〇トの生誕祭はパンとワイン…

そして、酒とば…ア〇パン〇ン…あっ!!(ひらめき感)

これは…(ア〇パン〇ン笑顔感)

あっ…お疲れ様です(小並感)てなわけでぇ~今回は、

クリスマスにちなんだ内容でぇ~パンと酒とばでいくぞぉ~コレ!(強引感)


てんてん~どんどん~てんどんどん~♪

あっ…天丼食べたくなってきた(心変わり感)

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とあ~る企画の短編集 兎のあの人が…見ている!(震え声) ミスターチェン(カクヨムの姿) @11296532154

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