fold

右手のハンマー

fold

分厚くてやや温かくザラついた少し濡れてるしわくちゃの春



死んだあと花は香りになれること喋り方しか覚えてないよ



橡の木の漏れ日と待つ誰にでも似ている影の青の稜線



指先に五円の穴を押し当てて順番を待つ 恋をしている



薄氷の上で小躍りするように君を見る見ない見る見ない見て



花たちはいかなる時も人間を追慕している/させられている



星型のクラフトパンチからすれば紙とは常にはるかな光



チベットの僧侶が描く曼荼羅を絵葉書で見る 今、風が



落ち葉より葉を手放した枝をみる言い訳を聞き同情もする



こんにちは、ガラスの手摺 こんにちは、通うことになる心療内科

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