第7話 それでも俺には未来がある
太陽の巫女、我が血脈を迎えに来た。
偉大なる太陽神が現われた。
押し潰されそうな程の威光。
それでも、彼女の手は離せない。
光が満ちて、太陽の巫女を包み込む。
握り締めたユズリハの冷たい手が温かさを取り戻して行く。
「ユズリハ……? ユズリハッ!」
喜んだのも束の間、彼女の身体は透けて行く。
「どこに行くんだッ! ユズリハッ!」
ユズリハは徐々に浮いて行く。
掴んだ手は離れて行った。
彼女は悲しそうに言う。
「私ね、天上に行かないといけないの」
彼女は天上でも巫女として扱われるのか?
心にチクリと痛みを感じた。
「汝、巫女より太陽の力を受け継いだな?」
「この場で滅ぼすか……」
ユズリハが両手を広げて立ち塞がった。
あの太陽神の前に。
「我が前に立つか、太陽の巫女よ」
「その勇気に免じて、力の封印で許そう」
「足掻くが良い。ヒトに何が出来るか見せてみよ」
そして太陽は消えて行った。
ユズリハは居なくなった。
俺にミサンガを残して。
手を握り締める。
ミサンガを手首に着ける。
それでも俺には未来がある。
太陽を目指そう。
彼女に会いたい。ただそれだけの思いだった。
太陽を継いだキミに @dlltdlls
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