退廃的で重厚なる世界に痺れよ

人間の感情が色彩として認識できる盲目の少女ルチア。
人としての尊厳を踏みにじられ、壊れ廃棄されようとも『なにか』を捨てきてれいなかった男娼のウデナシことシー。

シーの中に色づく『なにか』をルチアが見出したことから物語は始まっていきます。

弾圧や抑圧、支配と監視が蔓延る人の心にスモッグが焚かれているかのような世界の中でルチアはどんな『色』を垣間見ていくのか。
拾われ、生き延びたことはシーにどんな意味をもたらすのか。

重苦しいなかでも次のページを開かずにはいられない物語となっております。

是非、ご賞味あれ。

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