概要
「才能だけでは、世界は見えない」本格派スポーツBL、頭脳派と天才の交錯
それなりに器用に生きてきた。
顔も、コミュ力も、学力も――ぜんぶ「そこそこ」はある。
中学では野球部。高校では、名門の強豪野球部に入って、まあまあ青春する予定……のはずだった。
だけど、待っていたのは、
「声が出ない奴はゴミ」「水を飲んだら非国民」
そんな理不尽のオンパレード。
その日、俺は野球部から、裸足で逃げた。
逃げ道の先にいたのは、マージャン用語で喋る無精ひげのオッサンと、目を合わせない人見知りの後輩。
なんと、部員はたったひとり。テニス部は、存続の危機。
巻き込まれるようにして向かった試合会場。
そのコートで、俺は見た。
“世界を変える”サーブが、鼓膜を揺らした。
胸の奥に熱が走って、止まっていた足が、勝手に動いた。
そして、気づけば口にしていた。
「俺、初心者でわり
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