詩と剣が交差する、最後のシルクロード戦記

唐とイスラムが、かつて本当に激突した時代があった。
西暦750年、アッバース朝の建国者アブー・ムスリムは、
黒旗を掲げて東方へ進軍する。
その先に待つは、苛烈で誇り高き唐の将・高仙芝。

求めるは覇権か、交易か、それとも詩か。

葡萄美酒、夜光杯、
戦場に舞う胡旋舞の布、
そして、紙に記された「涼州詞」の一節が、
時代の記憶と共に宙を舞う。

歴史の裏に刻まれた、タラス河畔の戦い。
そこにあったのは、単なる征服と裏切りの連鎖ではない。
命を懸けた忠義と、報われぬ忠誠。
そして、誰もが望んだはずの『回帰できない日常』。

詩に始まり、詩で終わる――
これは、砂漠と血と紙と詩が織りなす、
東西世界最後の交錯の記録である。

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