駐車場の花束

しき

第1話

 アパートが出る時、一番端の駐車スペースに停まっている車の上に白いカーネーションの花束が置かれているのが見えた。

 何なんだろう?忘れ物かなっと不思議に思ったが、その時は早く車を出さないと遅刻してしまうので無視して出発した。仕事が終わりアパートに帰ると花束は無くなっていた。

 翌朝、大きな音で目が覚めた。外を見ると車が近くの電柱にぶつかっていた。その車は花束が置かれていた車だった。事故の原因は車のハンドルが急に効かなくなったことだと風の噂で聞いた。

 それから数日後、今度は私の一つの隣の車に白い菊の花束が置かれていた。そしてその車ものちにハンドルの操作を誤り、近くのガードレールに突っ込み駄目になった。

 それから更に数日後、私の車の上に白い百合の花束があった。その日、私はタクシーを呼んで職場に向かった。とうとう私の番が来たか。これからどうするべきかを考えながら仕事をこなしてアパートに帰宅すると白い百合の花束は無くなっていた。

 そして玄関の扉の前に真っ赤な百合の花束が置かれていた。



 〇〇年〇〇月〇〇日

 とあるアパートで男性の遺体が見つかりました。男性は首を吊って亡くなっており、また部屋には百合の花束が大量に敷き詰められていました。

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駐車場の花束 しき @7TUYA

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