『悪魔令嬢は聖女じゃなくて妖精姫でした』は、閉ざされた王宮から飛び立った一人の少女・シルが、名もなき人々の中で笑い、泣き、咲いていく過程を優しく描いています。
王宮の檻を破って羽ばたく彼女の青い翅(はね)が放つ光は、ただの幻想ではなく「生きる」という強い祈りそのもの。泥にまみれながらも、人々の笑顔と涙を糧に咲き誇るその姿には、華やかさを超えた優しさと力強さが宿っています。シルの旅の軌跡に花が咲くように、物語そのものが美しい魔法陣のよう。
ふとした風のように、読後に余韻が残る──そんな宝物のような一作です。
続編で、シルたちにまた出会える日を、楽しみにしていますね🦋
主人公のシルフィールは、思いやり深く、勇敢な公爵令嬢。お付きのにゃんこ獣人チャチャなどなど、魅力あふれるキャラがたくさん出てきます!
かわいくて、美しい雰囲気の物語。
ポテトの話、はちみつの話、シルクの話など、しっかりと描写してあるけれど、かといって難しくはなく、とっても読みやすいです。
瘴気に浸食された世界の描写は、わたしたちの現代社会の似姿かもしれません。そんな世界を救うのは、魔法を信じることができる、軽くてやさしくて純粋な心。そして、自然への敬愛の思い。……そんなことを、胸にしみじみと感じさせてくれる作品でした。
特に第一章ラスト近くの、蚕にまつわるストーリーは素晴らしかったです!!
ぜひ、たくさんの人にお読みいただきたい。そして、この作品の、あふれるようなやさしさに触れてほしいです!!!
一話一話読んでいくごとに、ニッコリとさせられていきます。
主人公のシルフィールは、蝶々に愛されるなどの特別な体質の持ち主でした。でも、そんな彼女がある時に「悪魔」なのではないかと疑いをかけられ、婚約破棄された上、処刑されるべきだと宣言されてしまいます。
しかし、シルフィールはそれにはまったく臆しません。窮屈な王宮での暮らしからこれで抜け出せると喜び、「背中に生えた蝶々の羽根」や不思議な力を使い、その場から脱出します。
お供には「うにゃ~」が口癖の可愛いにゃんこ獣人のチャチャちゃんがついてきます。
そんなチャチャちゃんとシルフィールが旅をする中で、色々な人々と出会い、その土地その土地に備わる様々な問題と直面していきます。
困っている人々と関わる中で、シルフィールに宿った不思議な力が発動。それによって土地に「恵み」がもたらされ、ある土地では名産品が生まれ、ある土地ではみんなの憩いの場ができ、何かしら「幸せ」がもたらされることになります。
使命感とかはなく、あくまでのんびりと土地から土地を旅して歩くシルフィールたち。それでも二人の通った後には確実に「笑顔」が生まれていく。
そんな姿を見ている中で、自然と頬が緩んでくるようになりました。
ほのぼのと優しく、それでいて妙に力強い。そんなシルフィールたちの旅の果てには一体何が待っているのか。
ポデドチップスとかハチミツとか、美味しそうなアイテムもたくさん登場。読んでいてちょっとおなかが空いてくるのも魅力でした。
ヴィラ王国、王宮庭園。
幼き頃の主人公シルフィール・アトレーテスとヴィラ王国の第一王位継承者ルイジュード・ヴィラ・エルドラードは今日も幸せな時間を過ごしていた。
二人は生まれた時からずっと仲良し、ご両親が仲良しで生まれる前から婚約の約束をしていた。
そこで、主人公のシルは不思議な力を発揮してみせる。
その力を目の当たりにしたルイは、この力は聖女の力で間違いないと力説する。
聖女とは強大な力で広い国土に癒しと豊穣の未来を約束させることのできる存在。
だがしかし、聖皇協会の聖女認定の儀式ではシルは認められていなかった。
そんな中、シルは厳しい王妃教育が始まり、大好きなお花に囲まれることも蝶々たちと触れ合うこともできなくなってしまう。
ルイはルイで現れたという聖女様につきっきりとなり、二人の間にはいつしか距離が生まれてしまうことになる。
そして、シルに原因不明の現象が起こり長い間眠りにつくことになってしまった。
目覚めた時は王妃候補の座は奪われてしまっていて、悪魔令嬢と呼ばれる存在になってしまっていた。
果たしてシルの運命や如何に!
可愛いにゃんこ獣人が出てきたり、幸せになる魔法が出てきたりと癒し効果抜群です!
是非、ご一読を!