概要
“忘れる”の反対は“また出会う”だと、あなたの記憶が教えてくれた。
夫に先立たれた82歳の老婦人・美沙緒(ミサヲ)は、穏やかな余生を送っている。そばにいるのは介護用アンドロイドの久遠(クオン)。久遠は定期的なバージョンアップのたびに、美沙緒とのかけがえのない日々の記憶を少しずつ忘れていく。
「はじめまして。僕はMI-922-Q、通称QUONと申します」
「あら、あなたとは何度目かの“はじめまして”ね」
久遠が忘れるたびに、美沙緒は笑って彼の名前を教える。しかし美沙緒もまた、老いから記憶が曖昧になっていくことを静かに受け入れているのであった。
「あなたと私、どちらが先にすべてを忘れるのかしらね?」
何度も出会いを重ねた二人の、最後の記憶。
自主企画『センチメンタルアンドロイド』参加作品
「はじめまして。僕はMI-922-Q、通称QUONと申します」
「あら、あなたとは何度目かの“はじめまして”ね」
久遠が忘れるたびに、美沙緒は笑って彼の名前を教える。しかし美沙緒もまた、老いから記憶が曖昧になっていくことを静かに受け入れているのであった。
「あなたと私、どちらが先にすべてを忘れるのかしらね?」
何度も出会いを重ねた二人の、最後の記憶。
自主企画『センチメンタルアンドロイド』参加作品