一匹狼

 夜空は君を何処かへと連れ去った


 君はもう戻ってこないだろう


 "すごい"人だったから


 夜になれば、人は心を開く


 耳を傾けてみれば


 うざい


 殺したい


 そんな言葉ばかりだ


 日が昇れば、人々は上辺の喜びを口々にほざきあう


 すごい


 かっこいい


 そんな言葉に、騙されて心を動かされる人がいる


 そんな人を、人々は夜に存在ごと葬る


 本音は汚い


 人の心は


 弱い


 弱者は、必要ない。


 強者は、俺だけだ。


 俺だけが正しいんだ。


 狼が啼いていた。

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 解説


 弱い人ほど、人に嫉妬するものです。


 口ですごいだとか、そんなことをさらっと言える人ほど、心の中は腐っているのでしょう。


 そうやって、他人を決めつけることだってできます。


 ここで言う弱者とは、自分にとって弱者だと思う人のこと。


 自分が一番弱いとわかっているから、弱い理由をつけて建前の裏で罵る。


 そうやって、自分を守るしかできないから。

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君と見る空に想ふ人生論 日陰このは PLEC所属 @17x

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