《完結》片霧の褒め殺し計画〜褒めて、煽って、引き渡せ〜

コウノトリ🐣

上司営業活動

 ネチネチと嫌味を言い、やれとしか言わない。そんなの誰でもできるよ。鬱陶しい。突き返すなら理由を言ってよ。どうすれば良いのか分からないじゃん。察しろってことでしょ――無理。


「次は完璧にして見せます」

「おかげさまでプレゼンうまくいきました。ありがとうございます」


 まるで嫌味のように嬉しそうに褒める。気分を良くする上司は滑稽で笑いものだった。ただ、私の目的はそれではない。


「上司はいい人ですよ。他の部署の人いりませんか?」


 上司の宣伝を頑張ってして引き抜いてもらうのが目的なのだから。さあ、今日も上司の売り込みを始めます。他部署の皆さん、私の上司は買いですよ。今日も大きめの声で私は上司を褒め殺す。いやあ、いい仕事をした。達成感を感じつつ、定時に帰ろうとしていた私を上司が呼び止める。


「片霧くん、ちょっと来てくれ」

「はい」


 業務の終わりなぜか上司に呼び出される。早く帰りたいんですけど……はいはい、上司様。何用ですか?


「来月から君も経営企画に異動になったから、そのつもりでいてくれ」

「分かりました」

「じゃあ、また明日」


 そう言って私に手を振り退出する上司を笑顔で手を振り返して送り出す。――え? 私が上司と一緒に来月から経営……


「意味ないじゃん」


 ――私の努力は一体どこへ

 茜色に染まった空からカラスの鳴き声がやけに大きく聞こえた。

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