スゴ腕のスナイパー

レッドハーブ

スゴ腕のスナイパー

「ここか…」


コン、コン、コン…


反応なし。この場所で間違いない。男は部屋に入った。

ここは廃墟一歩手前のビル。部屋の中央にはテーブルがある。

その上には小型の通信機と二つの弾薬があった。

スイッチを入れて話しかけた。


「今回の依頼は…?」

『そこの窓から見える女がいるだろう?』


依頼主は窓の外を見るように言った。向かいのビルだ。


「ああ。男といるな…。しかしあの女、どこかで…?」

『あの二人を…始末してくれ…!!』


依頼主からは静かな怒りを感じることができた。

男はハッと思い出した。


「…あの女はアンタの奥さんじゃないのか!?」

『かまわない。ヤツは裏切り者だ…!』

「そうか…」


深くは追及しない。この業界ではよくあることだからだ。

長生きしたければ知りすぎるな…ということだ。


『バカな女だ。バレているとも知らずに…もう愛情は欠片もない…!』

「そうなのか…?」

『情報漏洩、資金の流出、挙句の果てには裏切り、だ…。あの女のせいで実に多くのものを失ったのだよ…!!』


依頼主からはさらに静かな怒りを感じることができた。


「………よし。ライフルに異常ははないようだ…」


男はスナイパーライフルを構えた。


『2つあれば充分だろう?用意しておいた』

「感謝する。しかし気になることがある」

『どうした?』

「銃声が2つになると騒ぎが大きくなる…」

『その点は問題ない。オレの部下がいろんな場所にいる。サツが来ても足止めしてくれる。なにも心配はない。おまえは狙撃に集中しろ』

「仕事がやりやすいな…。ご希望の狙撃ポイントは?」

『そうだな…。マフィアの女に手を出したんだ。男はキン〇マを狙ってくれ!』

「…わかった。女はどうする?」

『おまえに任せよう。確実に仕留められるならどこでもいいさ!』

「わかった」


男はスナイパーライフルをかまえた…!!

そして…


…ダァン!


「終わった…それじゃ、オレはこれで失礼する」

『…おお!もう終わったのか?流石だな。仕事が速い!』

「あ、ああ…」

『しかし、銃声が一回しか聞こえなかったぞ?どんな手品を使ったんだ…?』

「あの、その…」


男は説明に困った。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

スゴ腕のスナイパー レッドハーブ @Red-herb

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画