概要
魔法と科学の新たな神話が幕を開ける。
霧島拓斗は将来の希望をAIに全否定される劣等生。AIが優劣関係なくすべての人々の進路を、平等にかつ完璧にサポートする世の中では、拓斗のような自堕落な人間はもはや挽回の余地なし、人生絶望的だった。科学界のエリートでありAI開発の第一人者でもある元父親は、そんな拓斗にとって生きづらい世の中をつくった張本人、拓斗は元父親のことが大嫌いだった。不遇な現実から逃げるように魔法の妄想に浸って日々をやりすごす拓斗だったが、親族の中で唯一拓斗の味方でいてくれた母が亡くなり、不幸な境遇が頂点に達したとき、皮肉にもAIが関与した謎の現象によって、彼は本当に魔法の世界に足をふみ入れることに。これはいわゆる異世界転生なのか? わからない。なぜなら彼は、現実の記憶も、異世界での記憶も、ともに失っていたからだ。話を聞い