21食目 ポテっと美味しい豚スペアリブ
豚のスペアリブはお好きだろうか?
私は好きだ。脂身と赤身のバランス。骨から出る旨味。そして――安い。
100g100円台前半で売られていることもしばしばで、さらに安かったりするとすぐに買い物カゴへ放り込んでしまう。
スペアリブというと、多くの人はBBQを想像するのではないだろうか。味付けしてオーブンで焼いても美味い。スペアリブとは骨付きバラ肉のことでそれ自体が料理名だと思っている方も多そうだ。
だがこのスペアリブ。煮ても美味いのだ。沖縄のソーキもスペアリブのことだが煮こまれていることが多い。
今日はスペアリブを使ったフレンチの煮込み料理を紹介しよう。
フレンチは難しそう?
世界一豊かな食卓を作り出す日本人がフレンチを作れないわけがない。――それを今、証明してご覧にいれよう。
まずスペアリブ400g。正直、倍あっても二人で食べられる気がする。
豚肉をバットに置き、塩3%、砂糖1.5%、そして粗挽き胡椒をたっぷり、満遍なくまぶす。
バットごとラップして冷蔵庫のチルド室へ。最低3日。私は1週間ほど寝かせる。
1週間後。溝のあるバットを使っているので、豚から出た水分が溜まっている。
水が抜けた肉は少し赤みを増し、色が悪くなっているようなこともない。いい塩豚だ。
これを鍋に、重ならないように入れる。水を被るくらいに注ぐ。
水は何ccか? と聞かれても困る。鍋の大きさにもよる。
そう、適量だ。料理が苦手な方への罠。ハードル。
だがあえて言おう。
水、適量。
材料はこれだけ。ハーブも特に必要ない。
火にかけ、沸いたらアクをすくう。固まるアクを取ればいいだけで、神経質になるほどは出ない。
あとは“ぽこぽこ”と湧くくらいで煮込む。途中で水が減ったら足す。
もちろん水は適量だ。
煮込んでいる最中は部屋を豚の香りが包む。どこかラーメン屋さんの匂いだ。
2〜3時間も煮込めば柔らかくなる。途中、天地を返すと良い。
煮終わる頃には、豚肉が煮汁から顔を出しているくらいがちょうどいい。
煮汁を別の鍋に適量移し、味を見て塩気が強ければ水で調整する。ここで野菜を煮る。
キャベツやじゃがいもがいい。私は芯の付いたキャベツを一人1/6くらい、丸ごと煮るのが好きだ。火が通れば、それだけで立派な付け合わせになる。
これで完成。
この料理をポテ(potée)という。
どうだろう。塩漬けにした豚を水で煮るだけ。こんな簡単な料理はそうない。
ブイヨンも何も使わない。豚だけの旨味。しかも力強い旨味だ。
スペアリブなら、骨の旨味がさらに加わる。
肉はナイフを入れれば、骨がほろっと取れる。口の中ではほどけるようにとても柔らかく、凝縮された豚の旨味が舌の上で転がる。次はバゲットなどのハード系のパンの上にのせて。パンを煮汁に吸わせるのもいい。
くたっとしたキャベツも、塩気で甘味が引き立ち、なおかつ豚の旨味をたっぷり吸い込んでいる。
これだけでパンもワインも止まらない。
ワインは少し重めで、樽が効いていてもいいかもしれない。そんな一本が合いそうだ。
スペアリブが売っていたら、ぜひ作ってほしい一品。私の定番料理である。
写真はこちら。
食べて、ひとりごと 日向風 @kailuka
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