0:『どこでもないところ』
> Side::Kallesh[17]
「どうしてこうなった?どどどどうしてこうなっっっっっったたたた?????ドドどどどどうしてこ うなった?????」
じじじじっっっじく爆ハツのせいで考えが安ていしないナナイなああああ、、、、、、このままだとあたしもも吸い込まれええええええええええええええええええええええええええとまった」
止まった?どうして?
「ラスカめ……干渉機の前に頭刺して空間ごと管理局の正門にぶっ込んでやるから……」
本当に私の手でラスカを管理局にぶっ込めるのかは分からない。
いくら最低限の刑量を考えても、可能性11N抹消型では終わらないから。
視野は完全な純白。爆心地を中心にすべての固定された物体の表層が完全に白色化する、教本でしか見られなかった典型的な軸爆発の後姿に言葉を失うしかなかった。
ちゃんとした計算なしに次元量再構築を乱用すれば、不均衡に計算された軸側に可能空間の一部が縮退して消滅するが、その瞬間、周囲にあるすべての物体に入っている可能性が物質化され表層に現れることになり、その末路が今見えるこのざまだ。
ところで、もともと軸爆発は大陸ひとつを飲み込んでしまう前には終わらないけど、どうしてこんなに早く終わったんだろう?
アオは可能空間に吸い込まれたとしても、ラスカはどこに逃げたんだ?
私たちは居住星浸透前に、頭脳の可能空間接続機能をオフにしてくるから、軸爆発が起きても吸い込まれたり白色化するほどの事故は起きない。
だがラスカーは消えた。
見えるのは空の青と地面の白だけ。
私を狂わせたその赤色はどこにも見えなかった。
「クソみたいなデバッグだけ早く終わらせて家に帰るつもりだったのに、一体何がどうなったんだ……」
この星のすべての可能性が最善に確定すれば、わた雲は消える。確かに私の手でそのように設定しておいた。
しかし、全部解体されたはずのわた雲は、ある瞬間もう一度その姿を見せた。
もう次の星に行く準備を終えた私たちは、雲にあるバグの責任を全部私に押し付けて、次の星に去ってしまった。
残ったのは一緒に原因を探そうと言ったラスカだけ。
何の理由もなく自発的に残ったのは、今まで起きたすべての事態の原因がラスカにあることを示した。
結局彼女がすべてを目論んでアオと一緒にどっかへ飛んだのだ。そう考えるしかない。
「このクズめ……、一体あたしに何の恨みがあったって……」
サトォはすべてを見守っていたはずだ。
しかし時空間から遊離した私のせと雪は、この場の何もかも溶かせなかった。
この星に残ったのは私しかいない。結局は私しかできないことだ。
畜生……結局こうなんならリシエルでもつれてくるべきだったのに………………………
「青いな……」
空を仰ぐ。
雲の城はもうない。
この星の最後の可能性が爆発して消えたから。
サトォが多すぎる。
口元まで覆ってしまったそれを舌の下に滑らせた。
コーヒーの香りがする息を吐き出すと、赤い影が見える。
「クソ苦い……、クソ甘くて……」
雲の圧制から解放された太陽光が、体についたサトォを溶かす。
もう立ち上がれない。
まだまだサトォが多い。
指についた白い欠片を下唇の上に描き出す。
また赤い影がちらちらする。
「ラスカ………どこに行った………………帰ってきなよ…………………………………」
甘い水が食道を塗りつぶす。
雲も、彼女も、もういない。
今もなお、サトォが多い。
ホモトピー型理論 奇騒 要 @kisoyo_ss
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