異世界ジャンル…ではありますが、擬似日本を不思議な妖精と一緒に旅する主人公の気儘な紀行録のような物語です。
旅先で出会う景色、料理、人々…それらが臨場感たっぷりに描かれ、日本を違った角度から楽しむことができる不思議なお作品です。
また、土地にまつわる伝説や人々の物語に、人のよさから巻き込まれていく主人公の行動が、思いもがけない展開を引き寄せたりもして…!?
楽天的な主人公のおっとりした視点で描かれる旅先の情景は、作者さまの感性の豊かさをそのまま反映されたかのようなリアリティがあり、まるで主人公と一緒に旅をしているかのような気分にさせてくれます。
主人公と旅のお供の妖精の掛け合いもテンポよく、旅心をくすぐる一作。是非ご一読ください。
痴漢冤罪という重い導入から始まるものの、物語が進むにつれて空気感は一転。
超低物価の世界というユニークな設定を活かしつつ、「働かなくても生きていける世界」でのんびり旅をする山下隼人の姿に、不思議と心が軽くなります。
そして、隼人と共に旅をする白フワちゃんの存在が、この作品の癒しポイント。
どこかマスコット的で、会話のテンポも心地よく、読んでいるうちに自然と笑顔になってしまいます。
現実に疲れた時や、ちょっと気持ちをリセットしたい時にぴったりの作品。
“のんびり自由に生きるって、こんなに気持ちいいんだ”と感じさせてくれる、優しい物語です。
日本中をゆっくり旅してみたい! 多くの人がそう願ったことがあるでしょう。しかし、その願いを叶えるためには、残念ながら色々と障壁があります。もっと自分にお金があれば、時間も何もかもが自由になれるのに――どれほどの人がそう考えたことでしょうか。
この作品は、そんな普遍的な欲望を叶えてみた、という物語です。ただし、主人公ではなく、世界の方を変えてしまいました。日本とよく似た、でもところどころが違っている異世界に、主人公は所持金をそのままにやって来てしまいます。そこが異常なまでの低物価な世界であったため、主人公は悠々自適に旅をすることができるというわけです。
お金持ちになるのと何が違うの、と思われるかもしれません。でも、これがいいんです。ぎらついておらず、ゆったり、おだやかに流れる時間。単純にお金持ちになったのでは出せないであろう癒しのひと時。この作品に流れ、にじみ出る優しい雰囲気が好きです。
作中では、異世界日本の様々な景勝地へ旅行に行くことになります。第三章まで読み進めたところで、北海道を旅しているところなのですが、夏の北海道の「青」の描写がとても印象的です。爽やかな空気の中、どこまでも広がる空の青、海の青が目に浮かんでくるようで、いつか夏の北海道に行ってみたい、そんな気持ちを芽生えさせてくれました。
まだまだ旅は続いていきます。次は、一体どんな景色を見せてくれるのでしょう。
仕事も家族もすべてを失い、絶望の底にいた主人公・山下さん。
ある日、物価が異常に安い「パラレル日本」に迷い込む。
そこでは、100万円の価値があるはずのものが、100円で買えるように!
……この時点で「ああ〜、羨ましい!」という声が出たのは、言うまでもありません。
何しろ、物価高のこのご時世ですからね。
所持金わずか3万円弱の山下さんは、突如「約3億円の資産を持つ男」に大変貌。
謎の妖精さんとタッグを組み、まずは北海道へと旅立ちます。
待っていたのは、美食と絶景、そして、
生きていくうえで避けられない痛みを負った人々。
本来なら交わらなかったはずの縁が、小さな宝物になる。
一見コミカルな“暴食の旅”が、やがて心に沁みる人生の物語へ——
小さな奇跡とあたたかな再生を描いた、優しくて、ちょっぴり切ない物語です。
人生大変な目に遭ったあと、似ているようで違う世界に迷い込んでしまった山下さん。
彼が謎の妖精(ちょっと毒舌)と共にその世界で旅行を始めます。
彼らがいく先々の土地の様子についても、とても読みやすく伝わる文章で書かれており、思わず行きたくなったり、その土地の風景を検索してみたり。
読んでいて日々旅気分を味わわせてもらいました。
そして度々出てくる飯テロ回も最高です。ほんとにじわっと涎が滲み出そうなほどに食べたくなるなる!(思い出してもお腹が空きます)
ファンタジーらしく幻想的な風景も現れ、ただの旅小説に上乗せされた要素がまたゆったり読む夜に沁みます。
そんな風景が傷ついた人の心も癒していく、ほっこりストーリー、ぜひご一読ください!
山下隼人はある日、日本に非常によく似ている異世界にまぎれこんでしまいます。
ただし、日本に似ていると言ってもこの異世界、物価がおかしい。われわれ異世界ではない日本で暮らしている者からすると、物価が変。異常なまでに! というのも、物価が目を疑いたくなるほど低いのです。
たとえば100万円のものが100円で買えるといった世界でして、ようするに物価が、われわれ読者がよく知っている日本の一万分の一。
このような日本風の異世界で、山下隼人は妖精の白フワちゃんと旅に出ます。
で、この旅が楽しそう!
美味しいご飯に、美しい景色。他にもたくさん旅の魅力がつまっていて、本作を読んでいると実際に旅行に出かけたくなります。
のんびり温泉につかって、ご当地グルメを堪能し、絶景を見たくなること、まちがいなしな小説です。
ぼくはこのレビューを書いている時点で、第四章まで読み終えたばかりなのですが、まだまだつづきがあるので、楽しみです。未読のみなさんも、ぜひ!
『超低物価で季節感がバグった世界に迷い込んでしまいました。』、おすすめです!
冤罪によってすべてを失った主人公・隼人が迷い込んだのは、物価がバグったように安く、どこか現代日本に似たようでいて、ほんの少しズレた世界。
空気の匂い、料理の温かさ、人との触れあい——。
それらがひとつひとつ丁寧に描かれていて、読んでいると、まるで自分まで旅をしているような気分になります。
「スローライフ系」「ご当地グルメ好き」「癒しを求めている方」には特におすすめしたい一作です。
妖精・白フワちゃんとのやりとりも可愛らしく、くすりと笑える場面もあり。
気づけば夜ふかししてしまうタイプの、静かで優しい名作だと思います。
主人公はおじさん。
異世界に迷い込むんだけど……、若返ったりしないっ!
おじさんはおじさんのままで、日本国内を旅するんです。
舞い込む飯テロ、飯テロ!
ご飯がとっても美味しそう〜!
おじさんは常識人で等身大、優しいし、若い女性にはシャイ。
普通にいそうなおじさん。
そんなところが良いんです。
旅のおともは美女……、美少女……、にならない。
ひよこみたいな、ぬいぐるみみたいな、ファンタジーなしゃべる鳥? 白フワちゃん!
この白フワちゃんが可愛いんですー!
ツンデレ……、の、デレがない、ツンだけ。
でも可愛い。読者(私)はメロメロです。
主人公のおじさんと、白フワちゃんにまった〜り癒されながら、飯テロ、おもに北海道の絶景、ファンタジーな風景も堪能できます。
読書してて、楽しいです!
オススメですよ。