日記 2ページ目
5/7 民族衣装が完成した。ジャップでは確実に犯罪者扱いされる格好だが、実際の民族衣装は落ち葉を蜘蛛の巣で貼り付けて飾りみたいに石ころをつけているだけ、それに比べれば蜘蛛の巣を使ってないだけ幾分マシだろう。
それはさておき、やっと外に安全…とは言い切れないが出れるようにはなった。
だが民族衣装を作ったところでグンマー帝国の警察や軍などの訓練された者たちには意味がない。あいつらの嗅覚はジャップの警察犬の嗅覚の約10倍だ。それに加えて聴覚は100m先で小声で話しても聞こえるほど良く、目は月のクレーターまで見えるほどだ。本当に同じ人間か?
とにかく明日は村の状況を観察しなければ。道も覚えていこう。
5/8 クソッ…村を観察している途中で村警察に発見されてしまった…
何とか逃げ切れたが指を1本槍で飛ばされた。これじゃあ作戦に弊害が出る。
いや、命があっただけありがたいと思うべきか。とにかく直ぐにここから離れなくてはならない。
5/10 とりあえず違う遠い場所に来れた。だが向かっている途中に見たこともない地面に擬態していた植物に足を絡ませられて服が破れてしまった。もうまともに出歩くことはできない。この日記を持って帰ることができたら植物のことを伝えなければ、後で来る偵察兵が危ない。
今いる場所は…なんて書いているのかよくわからない。だが甘いにおいが漂っている。近くにいるグンマー人の話を盗み聞きしハーゲンなんとかという場所だということはわかった。
5/11 何でグンマー人がジャップ語を使っているんだ?そうだ、何故今まで気づかなかったんだ?グンマー人がグンマー語を使わずジャップ語を使っているという明らかな違和感があるのに何故?
俺は騙されていたんだ。俺は既に全員にバレていた。ジャップ人であるということを。
ああ、俺はなんて愚かなんだ。グンマー人を見くびりすぎていた。そもそも国境の近くに来た時点でグンマー人が気付かないはずなかったんだ。ここから何とかする方法はあるだろうか?恐らく彼らは部外者である俺を逃がす気はないだろう。流石に詰みだろうか?
5/12 1日は生き残ることができた。いや、まだ生きているが正しいだろうか。
夜中に外から人の話し声のような音が聞こえた。恐らくどのように俺を殺すか話し合っているのだろう。だからグンマー帝国にはいきたくなかったんだ。
さすがにこのまま死ぬよりか、助かる可能性を信じて逃げたほうがいいだろう。今すぐここを出よう。
グンマー帝国潜入日記 藤原たかかか @fujiwaratakakaka
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