人間に狂おしい愛着を抱く藤の精のお話です。藤の精の言葉遣いは気風が良いのに、やっていることは執着と支配そのもの。そのギャップが恐ろしくも魅力的です。この素晴らしい作品をぜひご一読ください。
仁木一青(にきいっせい)と申します。 気づけばホラー短編ばかり書いています。 読む方は雑食ですが、最近はホラーとミステリ多めです。
僅か1600文字に込められた濃密な美しさと不気味さ。作者様の技量に脱帽です。
ため息が出るほど美しい。読みながらうっとりして苦しくなりました。なんでもできるだろうに、「彼女」を奪い尽くすようなことをしない「彼」の姿が切ない。もう乱暴なことはしたくないのかな……。あん…続きを読む
この残酷さと隣り合わせにある、鮮烈なる美。 本作の登場人物は「男」と「女」の二人。 藤の花というのは「蔓」を伸ばすタイプの植物。そして他のものに絡みつくという性質を持っている。 この「絡…続きを読む
雅な書き出しで始まる本作は途中で俗な所作に割り込まれます。いいところだったのに。割り込まれて迷惑だ。いや、これがですね。そう思われたなら物語の心を囚われています。舞台は現代日本。あたりに…続きを読む
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