真っ赤な水槽の話



偶然か必然か、出会った二人の歪な関係。

どうにも破滅的な女性らしいが、語彙に妙な知性の片鱗も浮かぶアンバランスさ。正体不明な男の、完璧に見えるが明確に欠損している精神性。

そんなある種、異常者同士の互いの足りないものを埋めるには、やはり普通の方法では立ち行かない。多分、わたし達が踏み込んではいけないような、独特な世界がある。

どこか目をそむけたくなる妖艶な世界。どろりと濃厚な、美しくもどこか暴力すら感じる短編です。

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