渡瀬ショウ

 俺は死ぬはずだった。

 だが、死ねなかった。

 爆発に巻き込まれても、かすり傷一つ無い体を持ち上げ、向かった先は、崩壊した“姫路アンダーグラウンド”だった。

 ――何も無い光景。

 それが、哀しくてしょうがなかった。

 そこに、彼らは現れた。

 しかし、彼らが現れたから変わったんじゃない。

 最初から、決まっていたことなんだ。




 あの日、街の惨状を目の当たりにし、途方にくれていた俺の許に、三つの光が舞い降りた。

 漆黒の光。

 深紅の光。

 黄金の光。

 それは形を変え、人になった。

 そして、俺に言った。


「はじめまして」


 漆黒の男が、笑う。


「お迎えに上がりました」


 その場に膝まずく三人の男。


「僕らは、“三帝”」


 何故かはわからない。だが、俺には全てが分かっていた。


「渡瀬ショウ、“神界天帝”となるべき神よ」


 新たな世界を創造する気にはなれなかった。

 ただ、そこには希望が見えた。


「“三帝”とか言ったな」


「はい」


「今この瞬間から、俺が、この世の全てだ」


 坂口翔太も、山崎友理も無理だった。

 チルドレン・ゼロであるこの俺が、やるしかないのだ。

 破壊という名の新たな創造は、正当な力をもって俺が行使する。

 今、全てを解放する。

 世界は、変わる。




 この俺が、変える。





俺が最強すぎて、街が地獄になった件〜正義は必ず勝つはずなのに、俺が勝ってもいいのだろうか~


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俺が最強すぎて、街が地獄になった件〜正義は必ず勝つはずなのに、俺が勝ってもいいのだろうか~ 朝食ダンゴ @breakfast_dango

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