第2話 蛇足の解説

私個人といたしましては小説の解釈は読者に委ねるものという考えを持っています。


その上で私の表現の拙さゆえ伝わらなかったであろう部分の解説をさせていただきます。


自分の解釈をしっかりと持ってくださってる読者様は話半分で聞いていただければ幸いです。


まずこの話の本筋は、役者志望、その中でも才能のない主人公の夢を主軸としています。


このというのにも2つの意味を持たせており、将来の夢、もうひとつは悪夢なども含む夜に見る方の夢です。


ここまでは読み取ってくださった読者の方が多いと思います。


それではひとつひとつ、私が意図して書いた部分の解説をしていきます。


まず、主人公の夢における役者、というのは主人公のことではありません。

この歌舞伎座には有名な役者がいます。

この有名な役者をAとでもしますか、そのAを妬み、また自分が売れないことをAのせいにしている売れない黒衣くろこが主人公であるのです。


物語の冒頭部分において、主人公は山場部分を前にして目が覚める、と書いています。

ではこの夢の山場とは?私はひとつ、皆様を惑わせるために仕掛けました。

あえてこの夢の山場部分がたてを行う場面であると勘違いする様にしたのです。


この部分が山場であると誤解した方がいらしましたら私の思い通りではありますが、表現が拙いためしっかり惑わすことができたのか心配です。


しかし実際のところこの部分は山場ではありません。

実際の山場は立が終わったあと、どれだけ自分の人生が変わったのか、という部分です。


この部分が山場であることの説明をするにあたり、説明しなければならない箇所があります。

それは、立です。

実際にかっこよく殺陣をした、と捉える方が大半ではあると思います。

しかし実際のところ、黒衣でしかない主人公がでしゃばり、役者Aを実際に刺した。というのが真相です。


このことがわかる様にところどころ伏線は貼っていました。

例えば照明が眩しく、影が自分の後を追う。なんて部分ですね。

私もこの短編のために調べたのでリサーチ不足であれば申し訳ないのですが、歌舞伎において主役の影はない様に照明を配するのが常の様です。


つまり主人公が有名な役者Aであると仮定するのであれば影があるのはおかしいのです。

そしてわざわざ役者に対して当たるスポットライトが役者にとって眩しい、というのも明らかにおかしいですよね。

この小説内では眩いなどの言葉を多用していますが、実際の役者、それも主役が眩しく感じる様な照明の配置はおかしいはずです。


そして極め付けは見栄も切らず、口上も上げない。こんなことは主役にとってあり得ません。

これは役者Aの登場に便乗して黒衣、つまり主人公が突然舞台に上がったことを示しています。

だからこそ何もしなくても観客の目は集まる。


そして問題の立ですね。ここまで長々と書き連ねましたが、立の真相について解説する時がきました。


とは言ってもここまででお気づきの通り、主人公である黒衣が嫉妬心から役者Aに対し、本当の凶器を使い、刺しただけです。

だからこそ血によって赤染された衣を、赤染から間もない衣と表現しています。

悲鳴にも似た歓声はそのまま悲鳴です。

1人が声を上げた頃に、観客は現状を理解し、すぐに逃げたわけであります。

この辺りは主人公の夢の中で美化されているとお考えください。


そしてこの後、主人公はニュースや新聞で取り上げられ、犯罪者として有名になっていくわけです。


つまりこの小説は有名ですごい演技ができる役者になるという目標としてのを持っていた主人公がだんだんと辛い日々の中でを見失い、自分より優れた役者Aへのコンプレックスが膨れ上がったことで都合の良い夢しか見られ無くなった様子を表現したかったのです。

タイトルもそれを想像しやすい様につけさせていただきました。


この解説は駄文であり、読みづらかったとは思います。

実際、別の解釈の余地もあります。

本編では900字という制限の元書きましたので他の解釈もできると思います。

この解説は蛇足ではありますので、別の解釈をした方は、応援コメントとして残していただければそれを見て私も楽しみますのでどうぞよろしくお願いいたします。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

忘れない夢、忘れる夢 黒い猫 @qswa0044

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ