天下無双ダンス剣術大会
るかじま・いらみ
天下無双ダンス剣術大会
時は
藩主の名は、
領内で神の如く振る舞い、容赦無く税を取り立てるためハギトリと呼ばれ、忌み嫌われていた。
優勝候補の日本舞踊剣が敗れ、ダークホースの
もはや勝敗は誰にもわからなくなっていた。
試合はついに決勝。
藩主も見る御前試合である。
最上段に男が大儀そうに腰掛けた。
ハギトリの降臨、いやご登場だ。
太鼓が打ち鳴らされた。
「東〜、犬山お花!」
藩主が目を剥いた。
女剣士!
側に控える家老に聞いた。
「なぜ布団を持っておる、しかも寝巻き姿」
「かの者は、寝ながら燃焼ダイエットダンス剣なる流派。寝っ転がって二刀を振るいまする。布団は尻を痛めないためだと。袴や道着と同じと考え許可しました」
「そんなふざけた流派が強いのか」
「事実、小太刀の阿波踊り剣と琉球ブレイクダンス剣を破っておりまする」
「どう戦うのだ。寝ては踏ん張りが効かんではないか」
「あの異様に盛り上がった首をご覧くだされ。丸太の如く鍛え上げられた首でブリッジしまする。あの首は足二本分の働きをするかと」
また太鼓が打ち鳴らされた。
「西〜、猿川真介!」
腰を押さえて体をくの字に曲げ、顔を苦痛に歪めてヨチヨチ歩いている。
「あれはどうしたことだ」
「奴は正統派、社交ダンス一刀流の目録。昔、相方がふくよかになり、支えきれずよろけて腰を痛めたと」
「戦えるのか」
「痛みを堪えよく頑張っておりまする。某、感動しました。ここぞという時にきびきび動き、めりけんジャズダンス剣と
二人の剣士が藩主に一礼し、距離をとって向き合った。
「あなたにコンビを解消されて、私はダイエットに目覚めたわ」
「お前のせいで俺は腰がポッキリ、いや今はもういい」
なんと二人は旧知であった。
犬山は布団を敷いて寝転がり、両足の指で剣をつかむ。
見よ、その細身ながら引き締まり、鍛え上げられた身体を!
猿川は刀を杖のように地に刺して、プルプル震えながら腰を伸ばした。
見よ、その地獄の痛みに耐えて立つ、痛ましくも勇ましい姿を!
太鼓が激しく鳴らされた。
「はじめぇっ!!」
天下無双ダンス剣術大会 るかじま・いらみ @LUKAZIMAIRAMI
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