第16話 設計書
イテレーションを全部回し終えたあと、あと付けで我々SESチームが設計書に今回の変更を追記した。ただXさんはJava分からない軍団よりは有能な方なので名誉のために書くが厚生労働省のレビュー対応や他社連携の対応で本当に大変だったと思う
じゃあ設計書無しでどうやって作ったのかというとテーブル定義やシステム連携の仕様は分かっていたので「住所氏名年齢性別から符号を拾って符号でマイナンバーのサーバからデータを取ってきて保険組合の持ってるデータとJOINして…」みたいなことをやってた。他の経験がないので断言はできないがSI特有の勘違いアジャイルみたいな感じだと思う
実際、上が設計フェーズで決めたのはどの実装方針なら「スプリント開発」のイテレーション5回のスロットに収まるかの検討までのようである。実装方針は決まっていても実装方式、要するに詳細設計はコーダーがコード書きながら考えるというやりかたなのであと付け設計書になってしまった
もちろん私もあのシステムが正しく動いている自信はない。マイナンバーの仕様が意味不明だし、2週間でウォーターフォール1回回すみたいなやり方じゃ非機能要件まで考慮してコーディングはできなかったし
当時はマイナ保険証なる話はなかったので「動かないシステム国に納品したわ」とゲラゲラ笑ってれば済む話だったのだが…
マイナンバーのシステム開発の現場 2019~2020 ザード@ @world_fantasia
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