後背の君子　〜設定伴侶がいても君の首をはむ〜

　情事の後。
　うとうとと眠りについた中で懐かしい夢を見た。

　私はこの世にお内裏様として生を受けた。
　そして一人の人形、そのうなじに衝撃を受ける。
　一人、また一人と、動けるようになる人形が出る中で、願っても声さえ出ない日々に悔しさが募る。
　そのうちに、願望は夢までもを侵食しはじめ――。
　夢の中での逢瀬はひどく甘やかで、けれど虚しかった。

　第三弾に出てきた、三人官女と結ばれたお内裏様の、過去の胸の内です。

　雛人形シリーズ第四弾。

　第一弾https://kakuyomu.jp/works/16818622170382538654/episodes/16818622170383262743
　第二弾https://kakuyomu.jp/works/168186221706…続きを読む