13. エピローグ



 あれから丁度1000年が経った。


 昔の事を思い返す過程で久しぶりにお前らの事を思い出したから、色々語ってみようと思う。


 まず、アキトは当然当選した。選挙中の動きを見て思ったんだったかな。確か、ああコイツが落ちるなんて有り得ないな、当選するんだろうなあって感じだった。


 それから当たり前だがお互いやる事があるから俺達とアキトはあまり話さなくなって、俺達は魔法子研究に没頭した。不老式もあったしテオドラ共和国はとても平和で強い国だったから、多分それで300年くらいは使ったんじゃないかな。


 それで、やっと魔法子の作り方を見つけた。どうやら魔法子ってのは、神が適当に作って決めたものらしかった。だから法則性なんてものはない。


 神に会う魔法が作れたから会って聞いたら、そう返ってきたんだ。


 なんてつまらない結末なんだ、と思いながら、とりあえず永遠の魔法子を作る為に色々な魔法子を組み合わせて俺らに従う擬似的な神を作り出した。


 それから、色んな魔法子をそいつに作らせて、その知識を独占したせいで益々テオドラ共和国は最強になった。


 ああ、神を作る魔法について教えてあげようか。この世界における神ってのは実在する、この世界専属の上位存在の事だ。みんな全知全能らしい。


 勿論、国民にはその存在は知らせた。内緒にしてても良くない事が起きるだけだし。まあ神について色々あったのはその時点で既に昔の事だったから、特に大きな問題にはならなかったな。


 で、その神を作るにはどうしたらいいのか。まず俺達は、死を覚悟して禁視の魔法子を研究した。知ってる中で唯一上位存在に関わる魔法だったからな。


 その結果、神を表す魔法子が見つかったから、それと生成の魔法子を組み合わせたら出来る、と思ったんだが……その時は何回その魔法を行使しても何も起こらなくて。


 ルールが分からないまま色々試行錯誤してたら、神と偽と生成の組み合わせならいけたんだよ。


 それで生み出されたのは神じゃなくてただのちょっと強いモンスターだったんだが、単に神を生み出すのはこの世界のルール違反だよって事なんじゃね?って話になって。


 そんで、神と代替と生成の魔法子が正解って分かって、従の魔法子を追加して、って感じ。


…………もしかしてどうでもよかったか?俺達にとっては凄く面白い話なんだが。


……じゃあ、仕方ない。俺達のことを語ろう。つっても、多分生活は多少魔法で便利になってること以外はお前ら……現代日本に住んでる読者って想定のお前らとほぼ変わんないけどな。


 何年も一緒に過ごした俺達は一緒に居るのが当たり前になって、だからこそ依存は少し軽くなった。今は魔法の研究の為に平気で数年別居することだってあるし、この前俺は剣をその道で有名な人に教わり始めたんだ。


 ただ、流石に数年会わないと久しぶりの再会の日から数日はくっつき通す羽目になるけどな。


 あと、熱海はまだ料理を学ぶ気は無いらしい。あれから1000年経ってもだぞ?これは相当俺に甘えてるな。


 そうそう、料理の話なら、熱海の好物が何か知ってるか?1位が白米と麦茶、場合によっては冷たいご飯に麦茶かけて食うらしい。んで2位が俺の作る料理全部、3位がカップ麺なんだって。


 俺の料理が2位って嘘だと思うだろ?でもこれが本当なんだよ、照れ隠しとかじゃなく熱海は麦茶と白米が一番好きなんだ。そういう所も、実は好きだなって思ってる。言ってないけど。


 ああそうそう、奏羽とアイリスの話をまだしてないな。


 実はアイツらとは友達になったんだ。お忍びダブルデートを1回だけやった事があるんだが、俺達じゃなく奏羽とアイリスがはしゃぎ過ぎてバレて大変なことになった。


 そういう時に思うんだ、実はアイツらがラノベの主人公で俺達は悪役なんじゃね?って。


 アイツらの方がよっぽどそれらしいだろ?


 まあ、1000年間お前らに何も語らなかったのは、それもある。


 ちなみに帝国軍には除隊を認めてもらった。正直な所俺も熱海も軍のことは忘れてたんだ、それで別の国の指導者やり始めちゃったから、って流れだ。


 行方不明だったリスティアさんは見つかって、今は俺はよく分かんないけど政界の重要人物らしい。よくアキトとは仲良く喋ってるんだって。


 自分を陥れた相手と仲良く?って思って話を聞いたら、ラズベルトとアキト、それとリスティアの3人で裏社会の敵同士としてよく会ってた頃があったんだってな。


 ラズベルトはたまにこの国に来るんだ。それで、よくアキトにラズベリーって呼ばれて溜息をついてる。


 前に俺達を殺した2人は、今は俺と熱海の友達なんだ。何の仕事やってるのかは知らない。もしかしたら仕事は変わってないのかもな。


 あとアイツらはノリが良いから、一緒に居ると熱海が楽しそうだ。嬉しさ9割、嫉妬1割って感じ。

 熱海は俺がそう思ってるのを楽しんでるってところもあると思うけどな。


 まあ……今語りたいのはこれくらいかな。俺の熱海への愛は聞き飽きただろ?だから、どうしても語りたくなったら語ってやるよ。


 んじゃ、バイバイ。またたまに話しに来るよ。


 まあでも、これが俺と熱海の物語だとしたら、これで完結か。だからそうだな……別れの挨拶くらいはしておくか。


 ここまで見てくれてありがとう、仮想読者諸君。


 じゃあ、今度こそまたな。

 熱海を愛してくれてありがとう、みんな。


 完



 ありがとうございました。

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