勉強してから試験に臨んでください(切実)
西しまこ
英検も数検もお金がかかります
「あの夢を見たのは、これで9回目だった」
と、次男くんが言った。
いや、正確にはそうは言っていないけど、そのようなことをのたまった。
彼はふざけておられる。
中学生の間に英検やら数検やら受けたけれど、「合格」の文字を見たことがない。
「君さー、試験前でも勉強していませんよね?」
「え? そ、そんなことないよ?」
「ちょっとテキスト見るくらいで、書いたりはしていないでしょう?」
「……バレた?」
えへへ、と次男くんは笑う。
「今度、また英検あるんだってー」
「もういいよ、受けなくて」
「そう?」
「だって、お金もったいないもん! 勉強してから受けたまえ。ねえ、試験前でも、なんで勉強しないの?」
「なんかねえ、勉強しようと思うと眠くなるんだよねえ」
「君が勉強しているところ、見たことないよ。ベッドで寝てるかゲームをしているか」
「ひどっ」
「勉強、してるの?」
「たぶん。ちょっとはやっている」
検定料って、ただじゃないんです。
てゆうか、5千円くらいする(感覚値)。
中学生の間に試験に落ち続け、数えると本当に9回くらい(たぶん)落ちている。
とすると、4万5千円くらい、捨てたことになる。テキストも無駄だ。
「ねえねえ。英検のテキストが無くなった!」
そういう事態にも直面する。
テキストも高い。でも買う。
子育てって、こういうところにお金がかかる気がします。
高校授業料無償化のニュースを見ながら、高校授業料無償化になっても、貧富の差は埋まらないだろうなあ、と思う。お金があるうちは、塾にお金をかける。次男くんタイプは個人レッスンだといいのだと思う(希望)。
「ねえねえ。英語の塾、行く?」
「行ってもいいよ」
「……そんな覚悟なら、行かなくてよろしい。塾もただじゃないんですよ?」
とりあえず、自力で勉強したまえ。
我が家はお貴族さまではないのである。
自分ですごく頑張って、でも届かない場合に「塾に行かせてください」と言われたら、検討いたしましょう(あくまでも検討だ)。
「塾に行けば成績が上がるっていうのは幻想です」
「だよねー。塾で寝てたら無駄だよねー。オレ、塾に行っても出来ない自信ある!」
そんな自信は要らないのだが?
10回目の正直はあるのだろうか。
了
勉強してから試験に臨んでください(切実) 西しまこ @nishi-shima
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