夢の中の茉莉ちゃんにまた僕は恋をする

この美のこ

🌸

あの夢を見たのは、これで9回目だった。


その夢はいつも同じ場面から始まる。

春の柔らかな陽射しの中、桜の木のそばで茉莉まつりちゃんが楽しそうに笑っている。


はやくん、絵上手いから絶対、画家になってね」


茉莉ちゃんは、そう言いながら小さな手で桜の花に触れた。

その仕草があまりにも可愛くて、僕の心が温かさで満たされる。


「茉莉ちゃんがそう言うなら、頑張るよ」


僕がそう答えると、茉莉ちゃんは更に輝くような笑顔を見せた。


その後も僕らは時間を忘れて話し続けた。

好きな食べ物、行きたい場所、夢。

それらの言葉が風に溶け込み、桜の木に刻まれるかのようだった。


しかし、夢の終わりはいつも突然訪れる。

ふと気づくと茉莉ちゃんの姿は消え、僕はひとりで桜の木の下に立っている。

その瞬間、胸の奥にぽっかりと穴が空いたような感覚が押し寄せる。

そして、夢から覚める。


目が覚めた後も、茉莉ちゃんの声や表情が鮮やかに蘇る。

だけど、現実の茉莉ちゃんは今どこにいるのだろう。

あの夢を見る度に、もう一度会いたいという気持ちが強くなる。




僕は知らなかった。

茉莉ちゃんの事を何一つとして。

中学生になった時に噂で聞いたんだ。

お母さんは亡くなり、お父さんは再婚。

そして茉莉ちゃんはお父さんと新しいお母さんと暮らしていると。

だけどその行方は全く分からない。

弱っちい僕をいつも笑顔で支えてくれていたその裏で、どんなにか胸の内は苦しかったことだろう。

少しも気づかなかった。

茉莉ちゃん、ごめんよ。

そしてありがとう。

茉莉ちゃんを今度は僕が支えたい。

きっと会えると信じてる。


茉莉ちゃんの事が心配で会いたい想いが強いから、僕はこんな夢を9回も見たのだろうか?



今、僕は美大で絵画の勉強をしている。

夢の中で茉莉ちゃんが画家になってねと言ったことが僕の将来の夢になったんだ。

だから僕は絵を描くことに没頭したよ。

絵画コンクールで賞を取ったことも何度もあるんだ。

茉莉ちゃんが僕に希望と夢をくれたから頑張れるんだ。



僕には心がけている事がある。

壁に貼って毎日見ている。



ライしてみよう!思うがままに

アルな夢を追いかけて

り超えられない壁はない

り続ける雨もやがてやむ

もう!今こそ!僕ならできる






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