崩壊した世界でも、希望と愛は繋がっていく。

原因不明のウイルスが跋扈する中、生き残った人類の中でもとりわけタフでナイスな老夫婦を軸に物語は展開する。
雛人形を求めに行った百貨店での感動的な再会、そこで繰り広げられる死闘、明らかになる真実、そして再びの別れ。
ひとたび頁を捲れば怒涛の展開が待ち受けており、読者の感情は絶えず振り回される。跳ね馬に乗っているかのごとく。だが、それが爽快ですらある。
なぜなら、キャラクターたちは希望に繋がれた(※作中に登場した、とても素敵な表現からの引用である)者たちだからだ。
彼らは明日を諦めていないからこそ、雛祭りを敢行しようとした。
そこが物語の始まりであり、同氏のオブ・ザ・デッドシリーズもここから幕を開けたからだ。
この希望がどこに繋がっているのか。それは続く『コドモノヒ・オブ・ザ・デッド!』にて確かめようではないか。

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