アイドルオタクというと、その熱量の高さにドン引きという方もいらっしゃるかもしれません。本作は、そんな「ガチオタ」になっていく過程を赤裸々に綴った、貴重なエッセイ・ノンフィクションです。
精神的にどん底にあった作者様が、興味本位で参加された握手会を、やがて「神イベント」と感じるまでに至る過程には、普段アイドルに関心のない私でも、圧倒的なリアルさと尊さをひしひしと感じました。
自らの心の奥底をさらけ出すというのは、作者様にとって大変な勇気が必要だったのではないかと思います。それでもこの作品を世に出すことを選ばれた作者様に、心からの敬意を表したいと思います。
アイドルへの推し活。それは期間限定の趣味です。
推せる時間はきっと短い。
アイドルの活動時期、それ自体が短いのですから。
だからなのでしょうか。
多くの場合、その活動には膨大な熱量が傾けられます。
推し活については、バカだと思う人もいるでしょう。羨ましいと思う人もいるでしょう。
だけど確実なことは、人生の一時期を熱狂や高揚とともに過ごした人がいるということ。その事実です。
本作は作者である加藤佑一さんが意中のアイドルを推した日の足跡であり、彼女の成功を祈念した記録です。
そして、一見の価値ある作品でもありす。
ぜひどうぞ、ご高覧ください。