第1話 別れとやらせ、その定めへの応援コメント
企画より参りました。何かお力になれればと思うのですが、どのようにお伝えすれば良いでしょうか?
以下は純粋な第一話の感想です。
たのしい!楽しいです。すごく楽しい。
いえ、主人公が置かれている状況はおよそ楽しいとは言い難いのですが。第一話を読んでとっても楽しいなと思いました。読書体験として楽しいです。主人公たちの息遣いがこっちにまで聞こえてきそうです。続きも楽しみに読ませていただきます!
作者からの返信
驚きました……よく付いてこれましたね……私は当初、この読者体験が全人類できると思っていたのですが、そうではないことに気づかされました。いくつか、拙作への手厳しいコメントあるので(見てくださると)私の課題が垣間見えると思います。
私が欲しいフィードバックとは、
①想定読者に対して何を刺せているのか
②一般的なラノベを好む読者には何が物足りないのか
ということです。
第3話 明き盲への応援コメント
ぶよぶよは、色々形を変えるΣ(*´Д`)
作者からの返信
引き続き、お時間を割いてくださりありがとうございます。
形は変わるが、形が変わり続けるという変わらない性質を感じてもらえたな嬉しいです!
第2話 目明き : 目先 願い : 出会いへの応援コメント
怪力ですとΣ(*´Д`)
作者からの返信
おや……!お時間割いてくださりありがとうございます。
頭は良いが痩せてる肉体労働者、消防士並みの筋肉質だがデスクワーカー
というあべこべさがあります……!
日本語訳について (興味ある人向け)への応援コメント
凄い…Σ(*´Д`)
日本語訳ということは、
もとは、別の言語の文という事ですかね。
私も以下の日本語を英語にしたら、
泣く ➜ cry⭕️
涙を流して泣く ➜ cry ❌️ ←Σ(*´Д`)違う
涙を流す ➜ tear 🔺 ←(~_~;)まぁ、いいか
となりました。
作者からの返信
おおおお……
お時間割いてくださり、ありがとうございます……!
これまでのコメントの中で、もっとも本質的です……おっしゃる通りです。これは言葉だけでなく、認知にも及びます。
編集済
第10話 伝聞:撰文:衍文への応援コメント
お待たせしました。唯野木めいです。
この度は【⭐︎50以下〜サロン】企画にご参加していただきありがとうございます。
感想を述べる前にまず2点ほどご留意していただきたい点がございます。
一つ目は、こちらはあくまで感想です。批評ではございません。そのため、的外れなことを言う可能性がありますが、いち読者の戯言だと捉えて頂ければ幸いです。
二つ目は、こちらはあくまで作品への感想であり、アタオカしき様の人格を否定するものではございません。ですが、ご不快に思われたなら申し訳ございません。謝罪致します。
甘口と辛口のミックスとのことだったので、そのようにさせていただきますね。
まずは甘口から。
「なんだかよくわからないが、すごいものを見た」これがここまで読んだ感想になります。
※これは、一応甘口のつもりです。
村◯春樹の『世界の終りとハー◯ボイルド・ワンダーランド』はご存知でしょうか。読後の感覚があの作品に近かったです。あの作品を読んで久しいので、細かいことは忘れたのですが、淡々と続く事象と、二つの視点。その難解だが、なぜか惹きつけるものがある。それが、この作品の最大の魅力であると感じました。
つまり、何を言いたいかと言うと、アタオカしき様の文章力が高いと言うことです。少なくとも、私よりは優れていると思います。
また、数字がワン、ツーなど、ありきたりなものではないことと(私の知らない言葉でした。もしかしたらアタオカしき様がお作りになったものでしょうか)、人名に発音の仕方?などが記載されているのが、世界観を練ってあるなと思いました。異世界を異世界たらしめていると思います。それを翻訳文学であるとはじめに記載しておくことで、違和感なく進めている点が優れていると感じました。
また、セリンさんの内なるかつての仲間たちの言葉に従って行動しているという点も独創的ですね。自分の意思で行動してはいない点が興味深いです。ファンタジーものの冒険小説においてあまり見ないタイプだなと思います。
[]で表されている心の中の本音も、初めてみる表現方法だったので、印象に残りました。
次に辛口を述べる前に、すでにアタオカしき様は多くの批評会に参加していらっしゃるご様子。軽くこれまで感想を下さった方々のコメントを見てきましたが、私よりもはるかにこの作品を理解していらっしゃるのだなと感じたため、考察や表現技法についてのあれこれは彼らに任せるとします。(アタオカしき様も、おひとり、いつも長文感想を書いている方がおられると認知されていると思いますが、私はあの方のようにはなれません)
作品における詳しいフィードバックもとい改善案をお求めでしたら、お力に添えず、申し訳ございません。
ですので、私は「この作品をどうプロモーションするか」と言う点で述べさせていただきます。実はプロデューサーの真似事の方が得意なので。
とは言ったものの、これは難しい問題です。
まず、これは本作品の最大の魅力にして最大の欠点なのですが、文章が難解です。難解、と言うのは、テンプレものが流行するカクヨム界隈で、他のテンプレ作品と比べると、と言う意味です。一度日刊ランカーであるテンプレ作品をご一読いただければわかると思いますが、おそらく(RPGゲームのお約束がわかっている)小学校高学年でもわかるのではないかな、というくらいに単純です。読みやすいのは間違いないです。
それに比べると、本作品は純文学に近いものを感じます。ですが、本作品のタイトルには、幽閉の救霊:幽明の幽霊〜足跡に咲く花がキモイと思われて追放されたけど亡国の姫に出会い幸せすぎて昇天〜と、〜でまるでテンプレ作品のような長い副題がつけられています。おそらく、どのような内容かをわかりやすくするために書いたのだと思いますが、私はこのタイトルを見てなろう系かなと思いました。ですが、実際には確かに「パーティーから追放された」「チートっぽそうな強い力を主人公が秘めている」と、要素を抜き出せばテンプレ系に当てはまるのですが、読んだときの肌感覚はテンプレ系と違いました。つまるところ、看板に偽りがあるのです。カレーを食べにカレー屋をうたう店に入ったら、出てきたものがカレーうどんだったら、「確かにカレーだけどまるで別物じゃないか!」と思いますでしょう。それと同じことです。
ええと、話をまとめますと、副題いらないんじゃない?と言いたいわけです。
つぎに、あらすじのご記載がなく、タグもAI不使用だけなのですが、これは勿体無いと思います。
個人的にあらすじとタグの表記はカクヨムにおいて極めて重要だと考えています。なぜなら、なろうやノベプラと違い、美麗な表紙で興味を惹かせると言う方法を封じられているここでは、どのような作品か本編を読まないで判断する、興味を持たせるためには、この二つしか情報源がないからです。
特に近年はタイパが重視されがちなので、あらすじとタグで「この作品はこのような要素を提供できます」と示せないと読者は来ないと、自身の経験上から述べさせて頂きます。
さて、ではどのようなあらすじとタグをつけるべきかというと、これまた難しい問題でして。
個人的に、これは異世界ファンタジー(テンプレ系)として売るよりも、純文学のような売り方をした方がいいと思います。なぜなら、この作品は世間では求められているわかりやすいエンタメとは離れている存在であるからです。また、純文学を求める人は確かに数は少ないですが、供給も少ないので、ニッチな層に刺さりやすいからです。
タグは純文学、ファンタジー、男主人公、硬派、要素があれば恋愛、カクヨムのみに掲載しているならばカクヨムオンリーあたりが無難でしょう。翻訳(文学)、メタあたりも入れたら面白いかもしれません。
あらすじは......すみません、いいものがパッと思いつかなかったです。しかし、せめてキャラクターの紹介をしておけば、少なくともどのような人たちが登場するかがわかるかと思います。
こんなところでしょうか。もし、読んでみるまでわからないびっくり箱のような作品として売り出していたなら、的外れなことを言ってしまい申し訳ございません。長文失礼いたしました。
作者からの返信
"あくまで感想です。批評ではございません。そのため、的外れなことを言う可能性がありますが、いち読者の戯言だと捉えて頂ければ幸いです"
お気遣いをさせてしまいましたね……
"なんだかよくわからないが、すごいものを見た"
それは……やはり困ったものです。創作物に鋭い目を持つ方々を多く見かけるので、その方々を読者ターゲットにしております。しかしフィードバックを募るうちに、「そんな人は別の場所にいるのでは……」と、読者ターゲットの変更に迫られております。私としては、「異世界ならばここまででなければ異世界ではない。地球で描けばいい」と感じているので、こうなっております。困りましたね……私としては標準的なものとしてみてくれることを考えていたのです。
"淡々と続く事象と、二つの視点"
おお……!受け取ってくださり、ありがとうございます。語り部の主観が多いと、乖離が生じて冷めてしまいませんか。そのため、物語においてどのような意味があり、事象であるかは、読者が自ら受け取れるようにしております。単純に、一人称の場合は、本人の関心の強弱が反映されるので、そう見えることもあるでしょうね。
"アタオカしき様の文章力が高いと言うことです"
おや……!驚きました。最近いただけた批評では、「日本語の基礎がなっていない」というものがありました。同じものから異なる2つのものが出ているため、原因を探りたいですが全く見当もつきません。
"数字がワン、ツーなど、ありきたりなものではないこと"
こちらも受け取ってくださり、ありがとうございます。言語学などに興味があるため、言葉からも異世界を楽しんでほしいと設計しております。言葉から、その地域の気候特性、人間の交流地域範囲、何を背景にその言葉、発音になるのか分かるので、そうしております。
"自分の意思で行動してはいない点が興味深いです"
意外にも、皆さんはそう生きていらっしゃるので、何かの気づきになればと描いております。人は1人では生きていられませんから、誰かの影響の中、社会の中で生きるものです。
"私はあの方のようにはなれません"
そうでしたか……難儀をさせてしまいましたね。
"一度日刊ランカーであるテンプレ作品をご一読いただければわかると思いますが"
そうなんですよね……どんなに頑張っても、私はその描き方ができず、そして役割分担だと思っているので、その方面は彼らに任せて、私ができることを創作として描いております。
"副題いらないんじゃない?と言いたいわけです"
おや!そうお考えですか。困りましたね……皆さんそうおっしゃいます。しかし……テンプレ作品を作ることを目指した作品なので、ざまぁはありますし、無双しますし、読者ませんから敵に同情の余地なんかもありませんし……
"カレーを食べにカレー屋をうたう店に入ったら、出てきたものがカレーうどんだったら、「確かにカレーだけどまるで別物じゃないか!」"
個人的には、日本カレーとインドカレーみたいなものだと考えております。そこまで大きな違いを、他作品を読んでいても私は感じておりません。
"なぜなら、なろうやノベプラと違い、美麗な表紙で興味を惹かせると言う方法を封じられているここでは、どのような作品か本編を読まないで判断する、興味を持たせるためには、この二つしか情報源がないからです"
え……!皆さんタグをご覧になるのですか!「誰もタグなんか見たいのにこんなにいっぱい……」という私の感覚は見当はずれでしたか……タイトルを見るだけで作者のやろうとしていることを感じ取ると思っていたので、こんな方法で皆さん探していたとは……
"「この作品はこのような要素を提供できます」と示せないと読者は来ない"
はえ〜皆さん真面目に見てくださるんですね。
"純文学のような売り方をした方がいいと思います"
むむーーーー私はそっち方面にあまり関心はないんですよね……意外と、そこを嗜む方々は一定数、作り手側の独り言のような作品を好む傾向にあるので、対話を前提とする拙作とはなかなか相性が悪く……
"的外れなことを言ってしまい申し訳ございません"
いえいえ。そんなことはございません。またひとつ、次回作へのフィードバックが可能となりました。かなり大きな糧となりそうです。
改めまして、お時間割いてくださったこと、厚く、深く、心からのお礼申し上げます。
第1話 別れとやらせ、その定めへの応援コメント
「日本語訳について」を拝読させていただいて、()と[]の意味がわかって読み進めることができました。
主人公の仲間たちは、不器用ながら主人公に色々教えていたんだな、と思うと少し切ないですね。
後半は主人公の拙さが際立って、逆に情景が鮮明にみえて良かったです。
作者からの返信
お時間割いてくださり、厚くお礼申し上げます。
おお……受け取ってくださり、ありがとうございます。とても嬉しく感じております。
生まれも育ちも、現代日本とは全く異なりますから……なかなか厳しい環境であるものの、それでも、社会の中で生きることについてお伝えできていれば幸いです。
第1話 別れとやらせ、その定めへの応援コメント
忌憚のない意見企画より参りました。
私、交通事故で入院の方しておりまして、ようやく小説の方に気が回せるようになったためやってきました。
遅れたこと謝罪いたします。
さて良い点から
3人組から理不尽に追放された主人公の絶望と、その裏にある“不器用な愛”の余韻が切なく響きますね。
特に「放熱石」の存在が、追放が彼を守るための“演技”だった可能性を強く示唆しており、良いと感じました。
気になる点
ただ、ラストの唐突な殺害(?)シーンは展開が急すぎて、折角の叙情的な余韻が「なんだったの?」という困惑に変わりました。主人公が刺される直前、通り抜けた人物の“目的”や“異質さ”をもう少し描写するか、あるいは刺された瞬間の“走馬灯”として3人との思い出をフラッシュバックさせて、悲劇性を高めつつ物語に繋がりを持たせるとわかりやすさが生まれるかもしれません。
あくまで参考程度に。
改めて、遅れたことお詫び申し上げます。
PS、他の人の感想がめちゃ詳細で驚きました。少なめで申し訳ない泣
作者からの返信
"交通事故で入院の方しておりまして"
途方もない災難でしたね……場合によっては、さまざまな困難(経済的、精神的、肉体的)に見舞われる可能性があったでしょうが……ささやかながら無事をお慶び申し上げます。
"3人組から理不尽に追放された主人公の絶望と、その裏にある“不器用な愛”の余韻が切なく響きますね。特に「放熱石」の存在が、追放が彼を守るための“演技”だった可能性を強く示唆しており"
受け取ってくださり、心からお礼申し上げます……!なかなか言及されることがなかったので、「読者はそこにあまり興味ないのか……?」と、誤った推論をするところでした。ありがとうございます。
"ただ、ラストの唐突な殺害(?)シーンは展開が急すぎて、折角の叙情的な余韻が「なんだったの?」という困惑に変わりました"
おぉおおおお!こちらも、受け取ってくださりありがとうございます……!しかし、その引き伸ばされた余韻に対して冷や水を浴びせるのは、あまり好ましくない読書体験だったようですね……なかなか刺激的だと感じていましたが……次回作で改善できます。
"あくまで参考程度に。
改めて、遅れたことお詫び申し上げます"
いえいえ。そのような身の上にもかかわらず、お時間割いてくださり心の底からお礼申し上げます……本当にありがとうございます。
"他の人の感想がめちゃ詳細で驚きました。少なめで申し訳ない泣"
いえ、お時間をいただいている身ですから、そうおっしゃらないでください。より良い作品を作り続けるために、フィードバックを募っているだけですので……!
第1話 別れとやらせ、その定めへの応援コメント
現状余り内容を汲み取れず、3周目に突入しております。
一つ一つが妙に込み入った描写ではありますが、何かインスパイア元はあったりするのでしょうか?
作者からの返信
これはすみません……
難儀をさせてしまいましたね……
貴重なお時間を割いてくださったにも関わらず、有意義なお時間を提供できずに申し訳ありません。
当初の想定読者は、全くこれらに苦労しないはずでしたが、修正が必要だと気付かされつつあります。
私は、全てに意味を付与するスタイルで物語を描いています。視点、選ぶ言葉、着目する箇所、場面、全てに意味を持たせています。
インスパイアに関して、何を元にしているかといえば、現実そのものです。世の中の出来事は、因果や相関がありますが、それはX軸とY軸のグラフで表せるものではなく、3つまたは5つ、もしくはそれ以上の個別の出来事から、一つの結果、もしくはそれ以上の結果があります。それを表しています。しかし、本物の現実のように無秩序では、無駄に難儀なので、対話によってその無秩序が秩序になるように整えております。
第2話 目明き : 目先 願い : 出会いへの応援コメント
これは気分を害したら申し訳ありません。
私はAIについて、Excelやパソコンなどのツールの一種でしかないと捉えております。
ただし、ワープロなどと同じく、生活を変える発明品です。
将来的には「文章の返信には必ずAIを使うこと、推敲なし、AIを使わず書いた文章はむしろ失礼」というマナーが出来上がるとまで考えております。
人間の能力を拡張させるハードディスクであるとも捉えており、私は日常使いしております。
AIを使った小説がランキング1位を取ったことも記憶に新しく、AI社会に順応する事がこれからの物書きには必須のスキルだという信念の元、AIを使っております。
AIの使い方についても、私は私が書いた文章をよみこませて、間違いをただし、日本語として整理する使い方をした上で、私の意図に沿っているか確認、推敲をした上で送っており、今まで送った文書は私の意図からは外れておりません。
その前提で、今現時点では不愉快に思われる方が多くいらっしゃるのも理解しております。
もし、アタオカしき様もご不快に思われるのであれば、ご返信の間隔は空いてしまうかと思いますが、今回下記のようにAIに送る前の文章を、下記のように送らせていただきます。
目を開けるように、まぶたをそれぞれ上下に引っ張られた。
これは、読者に身体の感覚を共有させる導入として機能していたと感じます。
拷問か治療かという二択を直感的に考えさせられます。
脳科学的には感覚の模倣によって、実際に自分の瞼が引っ張られるような違和感を読者に与えると考えました。
すぐに次の展開で、「女の人の覗き込み」へ移り、視覚情報へ移りました。
改善点ですが、誰が何の目的でやっているのかがこの時点ではまだ分からないので、わざと混乱を誘っているなら成功、そうでなければ一語で女性の指など先に主語を置いても良いかと思います。
鼻先や鼻の穴に髪が刺さってくしゃみが出そうになる
ここでは、コミカルさと緊張が同居します。
心理学的に不快感とユーモアはストレス緩和に効く、という話だったと思います。
ここでは唾吐きへの布石になっており、むしろギャップで嫌悪感が増しました。
一瞬ほっとしてすぐ嫌悪という感情の振幅を体験いたしました。
改善点ですが、笑いと不快のバランスが難しいため、ここを「読者が笑う」のか「緊張感の緩和」なのか、意図を少し整理しておくと誤読が減ります。
視線の先にある木の葉っぱを数えた
ここから始まった数の羅列は、キャラクターの知識や文化を提示する一方で、読者には負荷が大きいのではないかと感じました。
馴染みのない発音や記号が並ぶとワーキングメモリを消費し、ストーリー追跡が途切れやすいからです。
数えられない/数を間違えるというキャラ性の補強になっているため必然性はありますが、読者にとってはどこまで読めば意味があるのかが分からず少し混乱しました。
改善点としては一息で読める量に留める、見慣れぬ数詞だが、本人はこれで落ち着くといった補足を加えると理解がスムーズです。
「ぺっっっ!」
突然の唾攻撃。
予測不能の展開で、予測違反が注意を強制的に引き戻します。
ここは効果的でした。
ただし直前の嫌なことに覚悟を決めた顔の伏線があるので、なるほどそう来るかとは思いつつも、「 なぜ初対面で唾?という疑問は残りました。ここは文化として侮辱行為、試し行為であるなどの背景を一語補えば、読者の納得感が増すと思います。
自己紹介をしなければならないと思い出し、実際に名乗るくだりは強く響きました。
特に圧迫感→逃げたい→でも教わった礼儀を実践という流れは、成長と葛藤が同居しており、庇護欲と共感がありました。
実際には、直後にまた襲撃が来るためせっかく頑張ったのにという切なさが増幅されています。
改善点としては、自己紹介に踏み切る直前の勇気を振り絞る描写をわずかに厚くすると、名乗りの重みがさらに強まると思います。
戦闘描写に入ると、「まりょく浸透率」や「弁が最大まで開かない」など専門用語的な説明がありましたね。
世界観のロジック提示として必須ですが、心理学的に緊迫シーンの最中に説明が入ると処理が二分化され、緊張感が薄れる恐れがあると感じました。
なぜ彼が強さを制御できないのか?が説明されるため必要性はありますが、説明量をもう一段だけ圧縮すると、アクションの速度感と両立できると思いました。
「武器を奪え」「間合いを見極めろ」
これらの心の中の声(シャケジャックら仲間の指導)が挟まれるのは、心理学的に自己肯定感を高め、彼は一人ではないと感じさせる効果があります。
実際に彼は仲間の教えを思い出しつつ戦う姿でキャラが立っており、この仕掛けは非常に効果的でした。
改善点としては、どの声が誰のものかを整理していないと初読者は混乱しやすいため、(実際地の文で説明されていましたが、地の文と口調に解離があり、前の場面に戻りますが名乗りの場面で名乗ったのが女か主人公か混乱しました。)
声色/口癖やで識別できるように、統一感を強めると丁寧だと思います。
これはラノベ以前からある、小説の登場人物識別の為のテクですね。
対武器は受けろというのも、個人的に合気道の経験から納得するものがあり、リアリティーを感じました。
太刀取り、短刀取り等でも、自ら踏み込んで手首を抑えて、相手が武器を振るえないようにするのが基本で、躱し続けるのは絵としては映えますが、実際には相手に武器を振る間合いを与える為不利です。
胸ポケットに何かある→直感でぶつける→救われる
これは、脳科学的に「チェーホフの銃」の効果そのものですよね?
以前の外套描写がここで回収され、ドーパミン報酬系が強く働きました。
伏線が効いてますね。
改善点としては「硬い感触がした後、ふんわりと弾かれた半透明の刃」の部分をもう少し具体的にすると、何が起こったか理解が早まります。
最後に再び「はじめまして……セリンと申します」と名乗り直すのは、とても良い円環構造。心理学的には「失敗→リトライ成功」のパターンが達成感を生み、読者も安心します。ただ、ここでマグロイに「首を横に振られる」オチを入れることで、達成感と同時にユーモアが残る。この落差が印象に残り、キャラの未熟さと今後の成長余地をしっかり伝えています。
わかりづらいと感じたポイント
数え歌・数詞
読者のワーキングメモリを圧迫しやすく、物語進行の理解を中断させる。
専門用語(力まりょく浸透率など):緊迫シーンで説明が長くなると緊張が途切れる。
心中の声の発信者:複数人物が登場し、声の識別が初見ではやや難しい。
改善提案
• 数詞の提示は一息で処理できる範囲にし、すぐキャラ性に結び付ける。
• 戦闘中の能力説明は一文に圧縮し、詳細は後で回想や会話に回す。
• 心中の声は「声色」「口癖」「呼称」で識別を明確化。
全体を通しての感想
気絶していたなら、その間に攻撃すれば良いものを、急に武器を取り出してきたり、目に唾を吐きかけてきたり、女の人の目的が読めず先が気になります。
アクションシーンは、リアリティーというより、私が重視しているビリーバビリティ(納得感)の積み重ねを強く感じられました。
武器を避けてはいけない、まりょくの浸透率には三段階ある、布を使って刃を防ぐ、胸ポケットの熱鉱石で防御。
この世界の「理」を感じさせられました。
緊迫した状況でも挨拶を忘れないというのは、主人公の真面目さを伺わせます。
真面目なのに、いつまで経っても技能や知識が身に付かないのは可哀想ですらあります。
パーティ追放者には珍しいくらい、追放した側がひたすら優しく、主人公の支えになっていて、これが御作の魅力の一端だと感じました。
作者からの返信
"これは気分を害したら申し訳ありません。
私はAIについて、Excelやパソコンなどのツールの一種でしかないと捉えております"
"文章の返信には必ずAIを使うこと、推敲なし、AIを使わず書いた文章はむしろ失礼"
共感します。私に対して使うには、有効ではありません。私のこの感覚は、一般的に言われる忌避論から遠いところにあります。後述することに強い関連がありますが、心のうちを知られたくないのであれば、私に対してAIは極めて有効です。
私は人の「全て」を分析して、作品にフィードバックします。AIを使われるとその痕跡をたどることが困難になります。
人の心を半分読んでいるためです。文法構造、選ぶ単語、句読点、誤った語用、誤った誤用、正しい誤用、正しい語用、あらゆるすべての要素からその人がその言葉を選ぶ、そう感じるに至る背景を汲み取ります。
AIはおおむね、中庸と呼ばれる考え方のうち一般的な感覚に近いですが、プロンプトに限りはあり、命令に従える範囲にも限りがあります。
その点、人は優れています。人が従命しない時、その理由を突き止めるのは容易いですが、プログラムに詳しくない私にはAIの心が読めません。
私はAIに入れ込んで出力させる行為を、「アナログからデジタルへの変換」と認知しております。漠然と感じる時間の流れを、針時計に落とし込む、その針時計を電子時計に落とし込む、このデジタル化をされると、私は作品へのフィードバックが困難になります。
"私の意図に沿っているか確認、推敲をした上で送っており、今まで送った文書は私の意図からは外れておりません"
意味のみのやり取りであれば、あらゆる点で私はすでに自問自答により答えを得ているので、欲しい部分がAIにより削ぎ落とされている状態です。
"今回下記のようにAIに送る前の文章を、下記のように送らせていただきます"
お心遣い、心からお礼申し上げます……
"読者に身体の感覚を共有させる導入として機能していたと感じます""拷問か治療かという二択を直感的に考えさせられます""誰が何の目的でやっているのかがこの時点ではまだ分からないので、わざと混乱を誘っているなら成功"
汲み取ってくださり、ありがとうございます……現在は、設計は想定通りに機能することを前提に、どの設計を選ぶべきか、という段階まで積み上げることができています。主語が明確になる能動形と、主語が曖昧になる受動形を常に選択的に使っていますが、次回作から受け身形を減らす方針でいます。
"一瞬ほっとしてすぐ嫌悪という感情の振幅を体験いたしました。改善点ですが、笑いと不快のバランスが難しいため、ここを「読者が笑う」のか「緊張感の緩和」なのか、意図を少し整理しておくと誤読が減ります"
こちらも、細かく受け取ってくださりありがとうございます。私の癖ですが、読者には物事を多面的に感じてほしい、というものがあります。もともと、エンタメ要素を忘れず、かつ現実を生きるための実用書として作ってありますので、誤った二分法の克服へ挑めるようにしております。私としては、「あなたは笑えるか?」「警戒を続けるか?」という問いかけであり、両方の性質があります。ひとつ前の話に戻りますが、私はこれから、十分に機能することを前提に、どの設計を選ぶか考える段階にあるので、""で括った部分のようにフィードバックをくださるおかげで、その取捨選択ができます。
"ここから始まった数の羅列は、キャラクターの知識や文化を提示する一方で、読者には負荷が大きいのではないかと感じました。
馴染みのない発音や記号が並ぶとワーキングメモリを消費""読者にとってはどこまで読めば意味があるのかが分からず少し混乱しました"
この部分をさっさと読み飛ばすことを想定していましたが、意外にも読者は生真面目に描かれたことを読むことに気づきました。私だけで創作していては、得られないことです。心から嬉しく思うと同時に、お礼申し上げます。
読み飛ばすことが可能ではあるものの、深く作品を理解できる人に対しては、大きな情報源になるようなバランスにしております。しかし、それは読み飛ばせる人と読み飛ばさない人を前提にした設計でしたので、改める必要がありそうです。私は普段から、必要そうな部分と、細かいことを気にする読者のための配慮を見分けて、読み飛ばしたり、じっくり読み込んだりしています。
"「なぜ初対面で唾?という疑問は残りました。ここは文化として侮辱行為、試し行為であるなどの背景を一語補えば、読者の納得感が増すと思います"
三人称であれば……と、いつも悩んでおります。多くの人は一人称を好みますが、受け手としての情報処理に関しては特に難易度が高いと考えています。なぜなら、能動的に読めなければこのように疑問を覚えるためです。次回は、三人称の形態を取った一人称にするつもりめす。一人称が、物事を三人称的に語る仕組みです。話は戻りますが、そういった疑問まで細かく管理しているので、やはり、設計が機能しているかどうかより、どの設計を選択するかという課題に収束します。
"なぜ初対面で唾?という疑問は残りました。ここは文化として侮辱行為、試し行為であるなどの背景を一語補えば、読者の納得感が増すと思います"
受け取ってくださり、ありがとうございます。一人称であるため、セリンの眼差しからみた世界を優先することにしました。
"改善点としては、自己紹介に踏み切る直前の勇気を振り絞る描写をわずかに厚くすると、名乗りの重みがさらに"
こちらは、私の設計ミスがあったかもしれない、と振り返ることができました。「挨拶しなさい」と言われてからでないと行動しないというものを表しました。しかし、「特に圧迫感→逃げたい→でも教わった礼儀を実践という流れは、成長と葛藤が同居しており、庇護欲と共感がありました。実際には、直後にまた襲撃が来るためせっかく頑張ったのにという切なさが増幅されています」
という読者視点での心の流れを作ることは達成できていますので、微調整を考えております。
"名乗りの重みがさらに強まると思います"
固着させず、さら〜っと流しで見せようと考えていました。彼にとって、重みはないためです。重みを出す必要があれば、いろいろ工夫をしているだろうと考えております。
"世界観のロジック提示として必須ですが、心理学的に緊迫シーンの最中に説明が入ると処理が二分化され、緊張感が薄れる恐れがあると感じました"
セリンはひっぱくした緊張を感じていない、攻撃的な状況に致命の危機感は感じていないのでこうなっています。彼の心配は、着ている服が台無しになることです。
"アクションの速度感と両立できると思いました"
いろいろ増やしたり減らしたりを繰り返して、セリンの心を表すことに重きを置くことになりました。
"改善点としては、どの声が誰のものかを整理していないと初読者は混乱しやすいため"
読者にとって難易度が高いので、次回作から辞める方針の設計です。基本的に、台詞は、「動作主を描く→動作主の台詞」という構造レベルで意味を付与するコントロールを行なっておりますが、整理のついていない状況は積極的に混乱しやすいようにしていることがあります。現実らしさが拙作のテーマを支えているところがありますので、人が生きているときに感じるものをそのまま再現することに注力していますが、次回作からはエンタメのために排除する予定です。
"声色/口癖やで識別できるように、統一感を強めると丁寧だと思います"
台詞のみで情報処理を軽くできるので、便利だと考えております。ただ、言葉遣いに及ぶレベルで文化を形成してしまったため、それを適用すると、個性が強い言葉遣いをする人物が作中において排斥されないことが不自然になる段階までになってしまいました。次回作からこの要素もなくなります。
"対武器は受けろというのも、個人的に合気道の経験から納得するものがあり、リアリティーを感じました"
嬉しいお言葉です。少しでも、人物たちが生きていると感じさせることができたのなら、深く安堵できます。
"改善点としては「硬い感触がした後、ふんわりと弾かれた半透明の刃」の部分をもう少し具体的にすると、何が起こったか理解が早まります"
ご指摘ありがとうございます。詳しく書くか書かないか、迷ったことを覚えています。不必要に可読性が下がっているのなら、改善をしなければならないですね。
"緊迫した状況でも挨拶を忘れないというのは、主人公の真面目さを伺わせます。
真面目なのに、いつまで経っても技能や知識が身に付かないのは可哀想ですらあります"
適材適所、求められたことに応える、というテーマに収束していきます。身につかないように見えていても実数値としては身についている、しかし実用には及ばない、など、多くの出来事に通ずるようにしております(クリエイターの皆様にも)
"パーティ追放者には珍しいくらい、追放した側がひたすら優しく、主人公の支えになっていて、これが御作の魅力の一端だと感じました"
ざまぁ系であることは忘れていません。意地悪な奴が優しい奴であることの、その逆です。
第22話 宵寝:そら寝:屍への応援コメント
たいへん長らくお待たせ致しました。
この度は『自作品にさらなる輝きを』企画にご参加いただき、ありがとうございました。
主催者の島流しにされた男爵イモです。
御作の批評を『感想・批評企画まとめ』に記載致しました。
内容は以下のURLからご覧いただけます。
ご査収の程、よろしくお願い致します。
幽閉の救霊:幽明の幽霊~足跡に咲く花がキモイと思われて追放されたけど亡国の姫に出会い幸せすぎて昇天~ / アタオカしき 様
https://kakuyomu.jp/works/16817330668981316726/episodes/822139836900979324
なお、このコメントは内容をご確認後、削除していただいて結構です。
第一話 足跡の花への応援コメント
フィードバック
冒頭の「ふたつ目の手記開いて記録を始める。」は、唐突にメタ的な「書き手の存在」を提示する仕掛けですね。
展開予測としては「記録者=語り手」が後に物語へ干渉してくるのかと想像させます。
脳科学的には「枠組みの切り替え」が行われることで注意の再集中を生みますが、実際にはすぐに青年の死が描かれるため、読者は一瞬混乱するかもしれません。
改善点としては、「記録者の立場」について半歩だけ説明すると、わかりづらさが軽減しそうです。
「足跡に花が咲く、焦茶の髪の青年が切られた。」
この一文は非常にインパクトがあります。足跡=花という幻想と、青年が切られる残酷さが同時に提示され、予測不能な展開へ誘導。
心理学的には「予測違反」が読者の集中を強制的に高めます。
実際にその後、死体から花や怨霊が出てくる流れに直結。
改善点としては、青年が「誰」であるかが掴みにくいので、「一瞬前までそこにいた」といった生活の痕跡を挟むと、喪失感がより鮮明になります。
「黒革の外套を身にまとう、頭巾で顔を隠した青年殺しふたりは、赤い頭巾の少女を追いかけていた。」
ここで初めて対立の構図が明確になります。読者としては「怨霊」「青年殺し」「少女」と勢力が整理されるが、一度に固有名詞がないため混乱しやすい。
心理学的に「三者関係」は記憶保持が限界に近い(ワーキングメモリ容量=4±1)ので、ここで「敵=青年殺し、守られる者=少女」と明示すると、理解がスムーズになると思います。
「青年の血だまりから刺々しく緋い花が咲き誇り、花畑となる。」
視覚イメージが鮮烈で、扁桃体が強い情動を受け取ります。
展開予測としては「花が怨霊を呼び出す」と直感できますが、実際その通りになるので読者に「なるほど感」が残ります。
改善点としては、花の色彩や匂いなど感覚描写をさらに増やすと、脳の海馬に強く残るイメージになります。
以降の怨霊出現~暴走パートは、徹底的に「予測不能」と「反復」によって恐怖が増幅されています。
「踏み潰す。踏み潰す。」の繰り返しは心理学的に「トラウマ的強化」の手法であり、読者は嫌でも脳内で映像化してしまう。
実際の展開でも、暴力の過剰さが怨霊の異質性と恐怖を強調しています。
改善点としては、繰り返しの前に「少女の視点で恐怖が止まらない」といった一呼吸を置くと、残酷さがよりリアルに届きやすいです。
「青年殺しは自らの頭上に四角い術陣を起動した。」
ここで魔術要素が初めて出ます。展開予測としては「人間側の反撃開始」ですが、すぐに失敗する。
脳科学的には「希望が打ち砕かれる」パターンで、ドーパミンが急落し、読者の絶望感を強めます。
改善点としては、術陣の描写が唐突で視覚イメージが掴みづらいため、もう少し「光の形状」や「音」を描くと理解しやすいです。
終盤の「踏み潰す」連打のあと、「怨霊と花畑はまばたきのうちに消えていた。」
で一気に静寂へ転じるのが良い効果を生んでいます。
脳科学的には強い刺激の後の静けさで対比効果が働き、印象がより定着。
少女が「ぜぇぜぇ」と息を思い出す描写も、人間的な感覚が戻ることで安心と余韻が生まれています。
ラストの「致命の傷に、素しろい花を咲かせた青年が横たわっていた。」は、最初の「緋い花」との対比で鮮烈です。
読者は「赤=怨霊、白=救済?」と直感的に分類するので、今後の物語のシンボル性が自然に提示されます。
ここは非常に機能的でした。
「わかりづらさ」の具体的ポイント
• 語り手の立場(「手記」という書き出しが本筋にどう関わるのか)が不明瞭で、混乱を招きやすい。
• 登場勢力(怨霊/青年殺し/少女)の役割整理が、初見では一瞬わかりづらい。
• 術陣の描写が唐突で、イメージが視覚化しにくい。
• 暴力シーンが連続するため、どこに「山」と「谷」があるのかが曖昧に感じられる。
改善の提案
• 記録者=語り手の立場を、最初の数文で明確化する。
• 「敵=青年殺し、守られる者=少女」といった関係性を一語で整理する。
• 術陣や魔術の発動描写を、光・音・匂いなど五感情報で補う。
• 暴力の連続の中に「少女視点の恐怖」や「息を呑む間」を挟み、緩急をつける。
総合感想
恐怖と幻想のイメージを融合させる技法が見事で、脳科学・心理学的に読者の注意を強制的に掴む力があると感じました。一方で、初見読者には「誰が誰に何をしているのか」が一瞬で把握しづらい部分があり、そこが「わかりづらさ」の具体的な要因になっていると思います。関係性や発動の手順をわずかに整理するだけで、作品の強度がさらに高まると思います。
遅くなりましたので、最近興味を持った心理学的理論「NLP理論」による分析も付け加えておきます。
NLP的分析
1. 表象システム(VAK)
• 視覚(Visual):血、花畑、怨霊、刃、潰れる頭部など映像的に非常に強烈。
• 聴覚(Auditory):呻き声、刃が風を切る鈍い音、踏み潰す音、花の棘が擦れる音。
• 身体感覚(Kinesthetic):冷たい風、棘が肉を突き破る感覚、骨が砕ける感覚。
特に「視覚と身体感覚」に寄っており、恐怖と嫌悪を呼び起こす構成になっています。ホラー寄りの臨場感が強いです。
2. アンカリング
• 「花」=死と怨霊の象徴として強烈に繰り返されています。
• 「踏み潰す」の反復が読者の感情に「恐怖と嫌悪」を焼き付けるアンカーになっています。
• 「赤い頭巾の少女」は対比として「弱さ・儚さ」の象徴。怨霊の恐怖をより強調する意図があると考えられます。
3. サブモダリティ
• 映像の距離:怨霊の登場時は「遠くから花畑が広がる」→「目前で踏み潰す」へ。近接化が恐怖を高めており巧みな構成です。
• 音のリズム:「踏み潰す」のリフレインにより、鼓動や戦慄を呼び起こす。
• 色彩:赤(血・花・頭巾)と白(青年の花・死体)が対照的で印象を強める。
4. リフレーミング
• 怨霊は恐怖の象徴だが、青年の死をきっかけに「祝福を授けられた存在」とも表現されている。
• 赤い花=恐怖の象徴だが、最後に「白い花」が青年から咲くことで「美の象徴」にも転換されている。
この「恐怖→美」への転換が読者に余韻を残す構造になっておりますね。
改善点
1. リズムの調整
「踏み潰す」の反復はインパクト大ですが、6回以上続くと効果よりも冗長さが勝ってしまいます。
3回程度に抑え、その後に比喩や象徴的な描写を差し込むと、恐怖の余韻が長く続きます。
例:
踏み潰す。踏み潰す。踏み潰す。
……大地そのものが呻き声を上げているようだった。
2. 怨霊の描写の整理
怨霊の外見・動作・武器の情報が一度に大量に提示されるため、読者が処理しきれず混乱しやすいです。
「登場時の印象」→「武器を持つ動作」→「攻撃シーン」など、段階を区切ることで視覚イメージがクリアになります。
3. 「花」の象徴性の強化
今のままでも迫力はありますが、「赤=恐怖」「白=救済」といった色彩的な意味づけをもう少し意識的に対比させると、読後感がさらに鮮烈になります。
たとえば赤花の棘=怨霊の暴力に対して、最後の白花=青年の魂の浄化、と補強できるかと思います。
4. 少女の視点を増やす
終盤で少女が「息を思い出したように」呼吸する場面はとても良いです。
ここを広げ、少女の「恐怖と安堵の心理」を一瞬でも描くと、読者が感情移入しやすくなります。
5. グロテスク描写の「見せ方」
血や骨の描写は強烈ですが、すべてを細部まで書くと読者が麻痺してしまいます。
一部を「比喩」や「象徴」に置き換えることで、逆に恐怖が膨らみます。
例:
頭は潰れ、赤黒い果実が大地に散った。
総評
この章は、怨霊の恐怖と「花」の象徴が強烈に印象に残る仕上がりです。
ただし現状では「恐怖」が全面に出すぎており、読者が疲弊してしまう可能性があります。
改善としては、
• 反復表現の抑制とリズム調整
• 怨霊の描写の段階的提示
• 花の色の対比(赤と白)の象徴化
• 少女の心理描写の追加
これらを意識することで、恐怖だけでなく「美しさ」「余韻」を強く残す一話になると思います。
……と、ここまでは理論的な分析ですが、ここからは一読者としての率直な印象をお伝えします。
正直に申しますと、私の予想は大きく裏切られました。
前話の段階では「異世界パーティ追放もの」の枠組みの中で、足跡に花が咲くという一見役立たずな能力が別の形で評価され、やがて主人公が成り上がる――そうした展開を期待しておりました。
しかし今話では一転して、ジャンルそのものが「追放もの」から「ホラー」へと大きく舵を切っており、意外性の強い構成になっております。
もちろん、一話ごとの完成度は非常に高く、読者の感情を揺さぶる技巧も練られていると感じました。心理的な効果の積み上げや描写の迫力には圧倒されました。
ただしその分、ジャンルの変化の大きさに戸惑いも覚えました。いわば「カレーを注文したらラーメンが出てきた」ような驚きで、味そのものはとても美味しいのに、思っていた料理と違ったために理解するのに時間がかかった、そんな感覚です。
もしこの驚きそのものが作者様の狙い通りであれば、私はまさに術中にはまったのだと思います。
ただ、もし意図されていない戸惑いが読者に生まれることを避けたいのであれば、「この物語は単なる追放ものではなく、ホラー的要素を内包している」という伏線を、前話の末尾などでさりげなく示しておくと、より読者に安心感を与えつつ驚かせることができるのではないでしょうか。
一話ごとにクオリティが高いこと、そして感情を確かに動かされたことには間違いありません。
次の話を読めばまた印象が一変する可能性も十分にあり、今回の感想はあくまで「初見で抱いた率直な戸惑いと期待の相違」という観点からのフィードバックです。
この戸惑いすら計算された演出であれば、作者様の構成力には感服いたしますし、そうでなくても物語がどのように進むのか楽しみにしております。
作者からの返信
おや……その様子を見るに、フィードバックにそろそろ疲労が出てくる頃ではありませんか。私は全く疲労はないので、期待してください。
わざわざ外部ツールまで使わせてしまい、申し訳ないです。あのあたりを客観的指標として用いるには、やや評価基準が脆弱であるため、私は扱いきれておりませんが、最近のものは高性能になってきているのでしょうか。
"脳科学的には「枠組みの切り替え」が行われることで注意の再集中を生みますが、実際にはすぐに青年の死が描かれるため、読者は一瞬混乱するかもしれません"
全く……その混乱の再現が自分の中でできず、焦っております……創作を消費する側としても、作者と対話ができるだけにわからないという経験ができず……一生の課題になりそうです。
"「一瞬前までそこにいた」といった生活の痕跡を挟むと、喪失感がより鮮明になります"
次作から、そのあたりに言及してくれる語り部を用意することにします……
"改善点としては、花の色彩や匂いなど感覚描写をさらに増やすと"
悩んでいるところです。匂いが出せるかどうかというところまで世界観を組んでいるので、次の時代には匂いが出せても矛盾が生まれない感じにしてみようかと思います!
"不明瞭で、混乱を招きやすい"
……明確な語り部の不在よりも、分かりやすいと思っていたのですが、なぜそうなのでしょうね。
"冗長さが勝ってしまいます"
ささっと読み飛ばされる設計でしたか、意外と読者は真面目に読むんでしょうか……?
"私の予想は大きく裏切られました"
おや……?そうなのですね。てっきりテンプレ的な、否定された特性が別の面で活かされるという、よくある展開になっていると思っていました。
"「追放もの」から「ホラー」へと大きく舵を切っており"
ただ向こうの世界のリアル、現実を描こうとしている感じです。車と車の事故があれば、場合によっては四肢の欠損、不可逆的な損傷がありますから、それと同じつもりで描いています。また、追放ものとは、新しい自分の居場所を見つけること、汚名挽回、自分の価値の証明、であることを知ったので、そのテンプレ通りに物語を描いてみました。
"ただしその分、ジャンルの変化の大きさに戸惑いも覚えました"
そのあたりの安堵は、規模の大きな市場の作品に担ってもらおうと考えております。わざわざ素人のものを見るのであれば、純粋に面白いものを探している、という動機の読者をターゲティングしております。
"この戸惑いすら計算された演出であれば、作者様の構成力には感服いたしますし、そうでなくても物語がどのように進むのか楽しみにしております"
このようなお言葉をいただけるなんて……お気遣いまですみません。ありがとうございます。
今の所、読者との対話はある程度できていますが、これが大きいのか小さいのか、という緻密な計算までは実現できておりません。このあなた様が感じた驚きは、さっと流されることを想定した、ジャブ的なサプライズのつもりでした。
第四話 幽明の幽霊への応援コメント
この度は当企画ご参加、ありがとうございました。
感想ページにここまで読んでの感想を書かせていただきましたのでご一読お願いいたします。
私の読解力不足で読み解けない部分が多くあり、他のコメント者様に比べると月並みな感想になってしまって申し訳ないです><
作者からの返信
いえ……すみません。お気遣いさせてしまいましたね……ですが、ありがとうございます……
日本語訳について (興味ある人向け)への応援コメント
この例文に出てくる事から察するにつまり、作中の台詞については全て言葉の裏側にある真意を読み解きながら読んでください、という意味でしょうか?
コレを読んだ上でもう一度、読めるところまで読み解きます。
作者からの返信
お時間割いてくださり、心からお礼申し上げます……!
こちらは、確かに興味ある人向けにしか書いておりませんが、これがなければ拙作を難解に感じやすいかもしれない、と危惧して用意しております。中には、この「日本語訳について」がなくとも、そうであると分かる人がおりますからね……!
私としては、分厚い参考書が枕として適している場合があるように、読者、受け手が、各々の目的で用いられても良いよう、読み飛ばし、他作品を選ぶ、ということも設計に入れております。しかし、拙作と正面から向き合う人には、その人のための道筋も用意している、多機能なものになっております。あなた様の、心向くままで全く問題ございません。私はご厚意に甘えているのですから。
ただ、物語の全て、シナリオや小道具、事件、人物の何もかもが別の意味を持った換喩になっております。そこは……確かに難しいかもしれませんね。とはいえ、創作は受け手と送り手のコミュニケーション。そのテーマのもとに、そうなっております……汗
第14話 しかと:居場所への応援コメント
ローラの気がそれた直後、真横左側から同じように4体目の腰骨頭が飛び出して来た。
ぎちぎち。ぎちぎち。
ぎちぎち。ぎちぎち。
ぎちぎち。ぎちぎち。
ぎちぎち。ぎちぎち。
前方から走って来たシャケジャックが、先読みしていたようにその4体目の化け物へ飛びかかる。
3体目が盾の刃で押し留められたとき、今度はローラの真上から、5体目の腰骨頭が現れた。
ぎちぎち。ぎちぎち。
ぎちぎち。ぎちぎち。
ぎちぎち。ぎちぎち。
ぎちぎち。ぎちぎち。
ぎちぎち。ぎちぎち。
此処が怖かったです
あなたの才能とお化けの描写の両方が恐ろしくて震えてしまいましたわ
フォローさせていただきます
よろしければわたくしの『魔獣変化』『闇二抗いし影ヨ』にもいらしてくださらないかしら?
作者からの返信
はい。言葉にせずとも、私に伝わっていることです。ご心配なく
第6話 足跡の足音への応援コメント
掴む。引っ張る。掴む。引っ張る。掴む。引っ張る。
三ɣen段目。
掴む。引っ張る。掴む。引っ張る。掴む。引っ張る。
四tʷar段目。
掴む。引っ張る。掴む。引っ張る。掴む。引っ張る。
この部分のリズム感がよろしくてよ!
いつも、いつも、素晴らしいお話をありがとう
ちょっと背筋がゾクゾクするところも御愛嬌です
作者からの返信
"ちょっと背筋がゾクゾクするところ"
おや……そんなシーンありましたかね。
第7話 礼拝:軽輩:啓培:冷灰:成敗への応援コメント
丁寧で読みやすい文体で描かれる正統はファンタジー
最高です
作者からの返信
お時間割いてくださり、心からお礼申し上げます。
"丁寧で読みやすい文体"
個人的には、ストレスが多い文体ではないかと、強い心配があるのですが……そこまで言葉を重ねてくださるのであれば、嬉しいです。ありがとうございます……ー
編集済
第5話 街の脇道への応援コメント
本格的な文芸小説
すごく文体が綺麗で整っていますね
またしばらくすると、右手側は壁のような、苔むした山肌が現れる。
うつむいていた顔を上げた。目的の街壁がいへきに焦点を定める。
このように、イメージしやすい文体がとてもお上手ですね
執筆頑張ってください
作者からの返信
返信が遅れてしまい、大変失礼いたしました。
"すごく文体が綺麗で整っていますね"
そう……でしょう……か?なかなか読みづらいもと思うのですが、よろしければどのあたりが整っていると感じられましたか……!
編集済
第1話 別れとやらせ、その定めへの応援コメント
三人も正直お荷物である主人公に、一緒懸命に数の数え方、勘定の仕方を教えたり、言葉遣いを教えたり、抱きかかえてまで一緒にかくれんぼしたりと、かなり面倒見が良かったのが伺える描写で、追放物にありがちなただの悪人では無いのが想像できます。
よほど危険な目に遭い続けて、とても面倒を見切れなくなったのでしょうね。
小説の構造としてもしっかりと王道を押さえつつ、読者に作者の意図したように情報を入りやすくする感情の流れの順番、エピソードの開示がなされていて、頭にスッと内容が入ってきました。
一話から構成がしっかりしていて、続きに繋がる話も予めプロットを組んでいるであろう事が推察できます。
補足
3人とも楽しそうにしてるのは伝わりましたよ。
また、分かりやすいか分かりにくいかは、「追放物」のテンプレに慣れ親しんでいるかどうかの、ハイコンテキスト文化的な背景もあると思うので、読む読者に依存する側面が大きいと感じております。
全てを説明するのは無理ですしね。
それでは下記からフィードバックを
「明日から来なくていい」
いきなりの断絶宣言。脳科学的には強い否定の言葉は読者の扁桃体を刺激し、危機感と緊張を一瞬で生み出しますね。創作理論的にも「状況説明」より「事件」を先行させて引き込みを作る好例です。実際にはこの後、主人公が居場所を失う展開に直結しており、効果的に物語を始動させています。改善点としては「誰に」対しての断絶かが、冒頭ではまだ不明瞭なので、読者の混乱を防ぐために一語だけ主語を補ってもよいかもしれません。
「酒やけで枯れた、太い声。」
聴覚情報を入れることで、感情移入が一気に強まります。心理学的に人は声質から相手の感情を推測するので、この「枯れ声」が人物像と緊張感を補強。後のシャケジャックの乱暴さとリンクしているのも良い伏線です。ここは成功しているので維持推奨です。
「自分がぼけっと口を開けていることに気づいた。」
ここで一瞬「間」が置かれ、内面描写が差し込まれます。読者は主人公の幼さや無力感を直感的に把握できる。脳科学的に「自己認知の描写」は共感ネットワーク(ミラーニューロン系)を強く刺激します。後の「叩かれる」「追放される」シーンの哀れさを増幅する効果があります。改善点としては、この「気づいた」の後に心情を一語補足するとさらに読者の同調が強まりそうです。
「椅子から立ち上がった見上げるほどの大男、シャケジャックは白髪交じりの黒髪をかきむしっている。」
ここで人物の威圧感が一気に視覚的に示され、先の「声質」と相まって脳内で立体像が完成します。物語論的にも「対立相手の具体化」が早期に行われているため、次の暴力シーンへの布石として非常に有効です。改善点は特になし。
「『じゃあ……荷物は?』」
ここで主人公の立場の弱さが浮き彫りになります。心理学的には「衣食住の不安=生存欲求への脅かし」が提示されることで、読者の共感と不安が増幅。実際、この問いがきっかけで「分配金」の話や他の仲間が口を挟む流れにつながり、仲間関係の亀裂を際立たせています。改善点としては、セリフ直後に「声の震え」など身体反応を添えるとより切実感が増すでしょう。
「大きな手で、潰されるように顔を叩かれた。」
ここで身体的暴力が入り、前段の心理的緊張が一気に肉体的危機へ転換。脳科学的には痛み描写が読者の体性感覚野を疑似的に刺激し、共感的苦痛が強く生じます。実際の展開でもこれが「追放劇」の決定打になっており、感情の山場を作れています。改善点としては、叩かれる直前に「一瞬の希望」や「視線の交錯」を入れると、裏切りの痛みがさらに際立ちます。
「自分の足跡には花が咲く。」
ここで幻想的要素が唐突に現れ、現実的暴力と神秘性が交錯。心理学的には「予測違反」が脳の報酬系を刺激し、読者を強制的に集中させます。実際の展開でも「花=異質な存在」というモチーフが後の孤立感に繋がっていて秀逸。ただ、唐突さが強いため、直前に「足跡を見たときの違和感」を一拍挟むと読者の混乱を和らげられるかもしれません。
「数を数えられなくなった。」
ここで能力不足の描写が入り、主人公の社会的不適応がより深刻に提示されます。心理学的には「できない自分」の描写は読者に強い庇護欲を喚起します。実際の展開ではそのまま「仲間への依存と喪失」に結びついており、機能しています。改善点としては、この「数えられない」ことが今後どう物語に作用するかを示唆しておくと、伏線効果がより強まります。
「この大きな服をくれたのはシャケジャック。」
ここで暴力と優しさの両面が同居する複雑さが出ており、心理的アンビバレンスを作り出しています。脳科学的には「ドーパミンとコルチゾールが同時に動く」ような矛盾した刺激で、読者の記憶定着が強くなる部分です。実際に後の「裏切りと未練」を強調するための布石になっています。改善点としては「その時の笑顔」の具体的なディテールを強めると、余計に痛ましさが増すでしょう。
「細身で、赤い頭巾をかぶっている。」
以降の刺傷シーン
ここで物語は「仲間内の追放」から一気に「未知の外的脅威」へ転換します。創作理論的に言えば、第一幕の終盤に「新しい力(敵)」を登場させる定石に合致。心理的にも「仲間からの拒絶」と「外敵からの暴力」が連続し、読者の感情が大きく揺さぶられます。改善点は、刺される直前に「一瞬の違和感」や「背後の気配」を匂わせておくと、唐突感が緊張へ変わりやすくなると思います。
全体所見
• 冒頭から「追放」と「暴力」で強烈に引き込み、その直後に「花」「歌」「数え間違い」といった幻想性・弱さが混じり、読者の保護欲と不安を絶妙に刺激していました。
• 脳科学的には「予測違反」「身体痛覚」「社会的拒絶」という強い刺激が連続していて、記憶に残りやすい構造です。
• 改善点は「唐突な展開に小さな予兆を置くこと」
「心理的裏切りに直前の希望を添えること」。これで感情の落差がさらに大きくなると思います。
フィードバック、如何でしたでしょうか?
長くなった事と、お望みになっている方向性の確認の為、一旦切らせて頂きました。
ここまでの文章のフィードバックも、続きの文章のフィードバックも、お望みの方向性に合わせて行います。
作者からの返信
"三人も正直お荷物である主人公に、一緒懸命に数の数え方、勘定の仕方を教えたり、言葉遣いを教えたり、抱きかかえてまで一緒にかくれんぼしたり"
受け取ってくださり、ありがとうございます。実際、彼らはどんな印象でしたか……?楽しそうに過ごせていたところを伝えられていれば、成功しているのですが……
"情報を入りやすくする感情の流れの順番、エピソードの開示がなされていて、頭にスッと内容が入ってきました"
その冒頭エピソードに関して、わかりづらいというフィードバックがありました。全く正反対なので困惑しております。何が原因だと感じますか。
編集済
日本語訳について (興味ある人向け)への応援コメント
交流感想大変遅くなり失礼いたしました!
表の言葉と内心で思っていることに違いがあるのは、誰でも知っている事ではありますが、ここまで流暢に言語化し、使い分けられているのは、「人の心を読む」創作論を見事に体現なされていると感じ入りました。
追記
しき様のスタンスはNOTEへのコメント等から理解いたしました。
フィードバックのお返しなどと表現すべきだったかもしれません、お気を害して申し訳ございません。
それでは私の主観ではありますが、こちらの作品『足跡の花』についてフィードバックさせて頂きます。
"これらは、日本語訳をしたものである。"
この一文が、この「じゃがいも」が何故この世界にあるのか、といった無粋なツッコミへの防止や、日本語由来の言葉が作中で使われている理由を分かりやすく提示しています。
"日本語に訳すことが難しい、あるいは完全に同じ意味を持たない単語は、その言語そのままの発音ではなく、類する意味を持つ日本語で表記している。"
これも、これを記述した人物が他言語の翻訳家である旨を明示しつつ、作中世界への没頭感を損なわない絶妙なニュアンスの言葉選びをしており、翻訳という行為への理解度が深い事を端的に示された名文だと感じ入りました。
"例
神々のものだった言葉ʁaːdɨnoːdɨqʷ:アーイシュ 柔らかい肉質と適度な脂肪があり、角を頭から生やした生物
日本語訳:豚"
例として挙げられた単語も、響きがとても異世界らしく、かつ本来の豚とは全くの別物でありつつ、読者に分かりやすく説明する単語として豚を用いている。
作中で使用される単語は日本語に見えても、我々の認識している物とは大きく異なる事を記載しており、先に挙げた「じゃがいも問題」のような無粋なツッコミを防ぎつつ、読者が没頭できるような魅力を醸し出していると感じました。
"次に、その言語はハイコンテクスト文化に基づくものであるため、明言されていない別の意味を持った言葉は[]の中で補っている。また省略された言葉は()で表している。"
明文化していないルール、行間、雰囲気、空気といった物を読むのがハイコンテクストである、と辞書にはありました。
書かれていないこと、言語を用いながら非言語的なコミュニケーションを非常に重視するスタイルが、企画内容や御作のこの一文でよく伝わりました。
このスタイルを上手く読み解けておらず、行間や空気を読めていなかった事、失礼致しました。
明文化していない言葉を[]で補い、この中に全てを詰め込むというスタイルは、読者にハイコンテクストを強要しない緻密な計算に基づかれた強みであり、一方でそれは行間を楽しみたい読者にとっては逆に読み方を作者に強要されるような感覚に陥る弱みにもなり得る、と理解しております。
長所と短所は同じ物である、その両面を理解して強みになるような局面で使い、弱みになる場面では控えるべし、と私は武道の師に習いました。
小説でも、それは同じ事だと思います。
ご自身でこのスタイルの長所・短所の両側面を理解して、使いこなすようにすべきで、この場合は[]に全てを詰めると言っても、多用し過ぎると読者が窮屈に感じるという事だと思います。
"「お腹すいたね〜[それちょうだい]」"
日常的にこういうやり取りは、確かに行われていると思います。
体感的に全ての人間がこういう「裏」を持って喋ってるわけではないと思うので、京言葉のようなハイコンテクスト文化の明示化としては悪くないと思いつつ、表の言葉と裏の言葉を書き分けるのは少し露悪的な印象も受けます。
あくまで、個人的な感想です。
"ベッティハの信徒たちによる書記 第413604巻 第1頁
ローカライズ:地球 日本"
架空の引用元をしっかり持ってくることで、単なる設定集や創作スタンスの明示ではなく、作品世界に没頭する為の細やかな気配りを感じさせられました。
作者からの返信
"交流感想"
……細かいことは……もう言いません……すみません。
"ここまで流暢に言語化し、使い分けられているのは"
言語化は、その構造の枠に囚われるので、言葉にしないものも、大事にしております。
"「人の心を読む」創作論を見事に体現なされている"
物語の出来事すべてが、[]で閉じられた別の言葉です。作品のあり方が全てここに詰められております。
受け取ってくださり、ありがとうございます……
追記
"「じゃがいも」が何故この世界にあるのか、といった無粋なツッコミへの防止"
私は必要だと思ってこのような構造を取りましたが……そうすると作品を読むときの負荷が上がってしまうんですよね……あなた様はいかがでしょうか。読書負荷、高く感じますか。
"翻訳という行為への理解度が深い事を端的に示された名文だと感じ入りました"
ただ、言語に関するある程度の知識がなければ、違和感のある日本語表現が読者のノイズになる可能性が高くなっています……どうなんでしょうねこの辺……
"書かれていないこと、言語を用いながら非言語的なコミュニケーションを非常に重視するスタイルが、企画内容や御作のこの一文でよく伝わりました"
物語の、大テーマになる重要なことなのですが、創作はコミュニケーションであると定義しています。送り手と受け手の対話なしには創作は成り立たないと思っています。別に、独り言に対して個人が面白いと感じるのは自由だと思いますが、現実社会のコミュニケーションにて、ただの腹を満たすためだけの食事を、人からこれはおいしくて素晴らしいものだと説得されても困惑するばかりでしょう。ここで必要なのは、「自分はそう思うが、相手はそう思っていないから伝えない」ことや、悩んでいる人に対して、話したくなさそうにしているのに、執拗にあなたが心配だからと聞き出そうすること、話したそうにしているのに聞こうとしないこと、です。この2つの共通点とは、相手の様子を見たコミュニケーションが社会性である、ということです。
"体感的に全ての人間がこういう「裏」を持って喋ってるわけではないと思うので、京言葉のようなハイコンテクスト文化の明示化としては悪くないと思いつつ、表の言葉と裏の言葉を書き分けるのは少し露悪的な印象も受けます"
そうなんですね……?表立って言えないことであるから、上で述べた、相手の様子を伺う、さらに自分の様子、周囲の様子を伺った社会性になるかと思います。少なくとも、相手の気持ちを汲み取ろうとしなければ成立しないコミュニケーションでしょう。これが私が描く物語の構造を端的に伝えるものでもあります。
"あくまで、個人的な感想です"
いえいえ。個人の感想とは、大量にある同じ感想の一端であり、その全てです。ご謙遜なさらず、ご遠慮なくお言葉をくださると嬉しく思います。また、私もあなた様へのフィードバックが楽しみになります。
第十話 重儀:忠義/古血:悪血への応援コメント
第一話から一気読みさせていただきました
凄く言葉が丁寧で素敵なファンタジーですね
作者からの返信
第一話……?変なところから一気読みしちゃったんですね……!
言葉丁寧ですか……そう……なんですね?嬉しい言葉、深く感謝申し上げます!
第12話 雪目:伏し目への応援コメント
"すると、マグロイが教えてくれてた覚え歌がまた耳にこびりつき始める。"
そういえばここまで、マグロイ達の社会的な教養がどの程度のものかって明かされてませんよね?
覚え歌の内容を加味すると、かなり教養があるように思えます。
そしてもう一つ気がついたのですが、この世界の言語は日本語に近い翻訳ができるということは、かなり習得の難度が高いのではないでしょうか?
"お前は、私の民だ"
ようやくローラの本質の一端が、『他者に必要とされる』ことなのが明言されましたね。
セリンと比較すると、彼は『他者を必要としてる』という側面が強いように思いますので、この二人はかなり対照的なようですね。
"王の太陽(わたし)を見上げていろ"
太陽と書いてわたしと書くほどローラが自信があるように見せかけるのは、昔読んだ小説に付け入る隙を与えてしまうから、王は臣下に不安を悟られてはならぬという言葉があったのを思い出しますね。
"豊穣よきの稲穂(たみ)、お前はただその太陽(おうかん)の威光を浴びているだけでいい"
ただローラが王としてどうかと聞かれると、あまり適性は高くないような気がします。
これは政治的な能力の低さというよりは、ローラ自身が人々を牽引する強引さと傲慢さを履き違えていることが大きいと言えます。
ですがこれから先、ローラが本当にしたいことを見つけることができたのなら、欲に目が眩まない名君になり得るかもしれません。
作者からの返信
引き続き、お時間割いてくださり心の底からお礼申し上げます……!!
"そういえばここまで、マグロイ達の社会的な教養がどの程度のものかって明かされてませんよね?覚え歌の内容を加味すると、かなり教養があるように思えます"
その教養に至る彼らの生き方はちゃんとあるのですが、物語で垣間見ることができるのは、公開されている範囲だとサバディックのみになります。マグロイに関しては……深掘りしたいではありますが……作者の作為にかかっています……涙
"この世界の言語は日本語に近い翻訳ができるということは、かなり習得の難度が高いのではないでしょうか"
あ〜ぁ!ここはとても悩んでいるところでして……どこもかしこも意訳も意訳なんです……元の歌は押韻しかないのですが、日本語訳では脚韻しか再現できていません……今彼らが使っている言語は簡単になって降りてきていまして。
私はその元の言語を古ラディノディグと読んでまして、古ラディノディグ(神の眷属の言葉)→ラディノディグ(貴族の言葉)→教会語(民衆の言葉)→教会語方言→土着の言葉という変遷があります。歌は教会語ですが、セリンくんたちや、ローラがこれから使うことになる言葉は教会語方言です。
"セリンと比較すると、彼は『他者を必要としてる』という側面が強いように思いますので、この二人はかなり対照的なようですね"
ひとりだと王にはなれませんからね……!社会集団であるから階層が生まれます。
"から、王は臣下に不安を悟られてはならぬという言葉があったのを思い出しますね"
日常生活でも、そんな不信感を私は感じたりします。
"ローラ自身が人々を牽引する強引さと傲慢さを履き違えていることが大きいと言えます"
それが統治や王の姿にどう影響があるのか、ぜひ、注意深く見てみてください!テーマに直結していまして、力を入れています……!
第十話 重儀:忠義/古血:悪血への応援コメント
前から第◯話という表記が漢字と数字で揺れていましたが、もしや事実と後世で語られてる内容で齟齬があることを表しているのでしょうか?
もしそうなら、ほぼ同じ物語が二回出てきたことにも納得がいきます。
そこで気がついたのですが、この物語をエンタメ向けにしたいというのは読者層を増やしたいからではなく、神話や叙事詩が後世でどのように語り継がれるかの大規模な思考実験という側面があると感じました。
本当はもっと文章の内容についてもお話するべきなのかもしれませんが、個人的にとても興味のあった部分について聞きたいため、この場で聞かせてもらってもよろしいでしょうか?
"1000年単位の時代によって、霊のようなものが存在できるのか、魔術が使えるのか、もしくは人が人のままでいられるのか変化します。"
と前に話していましたが、もしやそれはギリシア神話の金の時代や鉄の時代、インド神話のユガなどのようなものでしょうか? もっとも、宗教を統治のためのツールと定義してる以上はまだなんとも言えないのですが……。
"力(まりょく)の仕組みを貯水タンクに繋がったホースに例えますが"
そういえば異世界徴税官では生命力は受け渡しが可能なものという概念がありましたね?
ということは、貯蔵量は少ないが優秀なホースを持つものが、貯蔵量は優秀だがホースのないものから借り受けることができるということでしょうか?
もしそうなら、徴税をする意味や軍事力のバランスというものが見えてきますね。
"セリンくんや、ハークニール、ローラはどのタイプに見えますか。"
力の特性がどのように見えるかと聞くということは、これは人物の社会との関わり方を掘り下げる試金石になっているかもしれませんね。
これは例えですが、貯蔵量は協調性、ホースは主張力、バルブの硬さは承認欲求の強さといったところでしょうか?
そういう視点で掘り下げると、セリンは協調性が極めて高く、反対に主張力は低く、自分を受け入れてくれる他者を必要としている。
故に弁を開くのに時間がかかるのではないでしょうか
ハークニールは協調性、主張力共にバランスが良く、忠誠心で承認欲求が満たせる点から見てもかなり安定していると思います。
ただし、この力が無色透明であるとしたら、色がつくことで力そのものの特性が変化するのかもしれません。
ローラは協調性という意味では貯蔵量は高くないですが、主張力があるのでホースは優秀だと思います、そして他者から認められたいという欲求が少ないため、比較的バルブが簡単に回せるのだと思います。
作者からの返信
"前から第◯話という表記が漢字と数字で揺れていましたが、もしや事実と後世で語られてる内容で齟齬があることを表しているのでしょうか?"
はい!受け取ってくださりありがとうございます!物語は裏で、一話、二話、三話……と別の軸が進行しています!
"本当はもっと文章の内容についてもお話するべきなのかもしれませんが"
嬉しいです……答えさせてください!
"もっとも、宗教を統治のためのツールと定義してる以上はまだなんとも言えないのですが……"
私たちが知っている宗教が、どんな気候と地理環境を反映しているのか、ということを抽象化して物語、ファンタジー的に反映されている箇所です。昨今、人の切り付けがニュースで目立ちます。昔に比べれば犯罪件数は減っているものの、ここ5年間に限れば相対的にやや上昇傾向です。なぜそれが起こるのか、ということを統治、宗教の目線で表されています。作中人物たちが自分のためだけでなく、集団のために動くことがあれば、この統治システムが効いている証拠です。
"もしそうなら、徴税をする意味や軍事力のバランスというものが見えてきますね"
その通りです。よくぞ受け取ってくださいました。
"セリンは協調性が極めて高く、反対に主張力は低く、自分を受け入れてくれる他者を必要としている。故に弁を開くのに時間がかかるのではないでしょうか"
は〜さすがですね……この辺を能動的に受け取る人をターゲティングしておりますが、ちょっと隠しすぎでしょうか……相関としては、すぐに自分の力が使えない→すぐ使うには労力が必要→誰かの要請がその労力と釣り合う→使わせる側から協調性を学習する的な感じです。ここまでは流石に、表出させていません。
"ハークニールは協調性、主張力共にバランスが良く、忠誠心で承認欲求が満たせる点から見てもかなり安定していると思います"
であるなら、彼は自分の軸で動いているということであり、統治というテーマから、リヴァイアサン的な万人闘争の象徴でもあります。
"ローラは協調性という意味では貯蔵量は高くないですが、主張力があるのでホースは優秀だと思います、そして他者から認められたいという欲求が少ないため、比較的バルブが簡単に回せる"
うおおお!さすがです。個人的に今の所、ローラのローラらしいところがあまり描けていないので、エンタメ的に没個性的かなと悩んでいるところです。起承転結的に、そろそろ彼女を芽吹かせることができます。バルブに関しても、彼女は恵まれていますからね。
編集済
第一話 足跡の花への応援コメント
初めまして、ゆりかもめ団と申します。
ユニークな文体に誘引され、つまづきと読み返しを繰り返し現在六話まで追いつきました。他の方々の感想コメントも推察の一端として楽しく拝読させていただきました。一点誤解を解いておきたいのは、興味深い読み解きとして楽しませていただいたという点です。
自主企画の批評も立てられているとのことで、多少なり有益なフィードバックとなればと思い筆をしたためております。無用な気遣いであればご放念ください。
まず、この10人いれば10人ごとの感想が飛び交うこのユニークな文体です。私はたいへん好きでした。訳されているということで、原文本来のリズム感や流れを完全に再現するには及んでいないのかもしれません。けれども一文ごとの質感に、静謐な推敲の痕を感じます。一文の端的な密度。密度と余白の連続性。日本語圏の小説にはない独自のリズミカルさを生み出していらっしゃいます。
映像的と評されるのも肯いております。短い段落と余白の連なりという点の影響かもしれませんが、私個人は叙事詩を連想致しました。
ところで、映像的であるということは翻っていえば「地の文」の不在です。六話まで拝見致しましたが、とりわけ読み取りに苦慮するのが物語の「引き」となる1話「別れとやらせ、その定め」、一話「足跡の花」であることが非常にもったいなく感じます。
私は時々だけ文章を書くのですが、文を書くということはたいへんな野暮だと常々呆れながら書いております。私の書く小説はなおのこと野暮です。読者が物語を楽しめるようにするには、わかりきっていて当たり前のことを、当たり前として地の文で「明示」する必要があるのですから。「明示」によって物語に起こった現象を地の文で採掘し、読者へ刻み付ける必要があるのです。文体や物語構造に複雑性が含まれるのであれば、地の文でのサポートが求められます。本作品の読みづらさがあるとするなら、その「明示」の不足ではないかと推察し、老婆心ながらこの場に書き添えさせていただく次第です。再三ですが、ご不要であればご放念ください。
これは読者としての視線であり潜在的な要求です。
1話「別れとやらせ、その定め」、追放もののテンプレートでありながらも元仲間である3人との友情が優しく、痛く描かれていて素敵でした。彼らのセリンへの隠せぬ情は、胸ポケットへ託されたあたたか石(このネーミングもかわいくて好きです)が物語っています。彼らとの本意ならざる離別は、以降の物語に優しく忘れられない記憶として傷跡を残し続けている。その布石となる、印象的なシーンが冒頭から読者へ深く刻まれます。
> 真っ暗な夜空に、おぞましい丸の月が浮かんでいる。仰向けの自分へ、灰色の月が冷たい光を降り注がせてきた。
ここなのです。読者の要求は。ここに地の文で、「セリンは追放された。信じていた仲間から、金も支払われず、明日どう生きるべきかわからない状態で捨てられた。」という旨の、書き手にはあまりにも当然で野暮に思われる事実確定通知が欲しいのです。
以降セリンから元仲間達への親愛の情が哀しみとともに振動します。事実確定が前置きされていることで、その後の心情の揺れが飲み込みやすくなります。
地の文とは事実確定通知であり、読者を物語へ定着させるセーブ地点となります。もちろん、物語の構成上開示できない情報もあるかと存じます。「謎を残したままの現状」を地の文で提示することによって、読者が物語へ迫りやすくなります。
一話「足跡の花」、この端的な密度で紡がれる戦闘シーンは独自の華があり、とてもワクワクさせられました。残忍な怨霊の暴力。それを表現する、一歩引いた距離から無機質に描かれる冷ややかな筆致がたいへん噛み合っていらっしゃいます。「腐った臭いが蠢うごめいた。」のような、端的な文による視線の惹きつけが巧みですね。短文で惹きをつくれることは、文章の洗練の証です。私も文章はカッと切って惹きを作りたいタイプですので、この場面の魅せ方はいっそう嬉しくなりました。それだけに、場面転換についていけず読者が遅れをとってしまいかねない構成をもったいなく思います。
> ふたつ目の手記開いて記録を始める。
この一文こそが視点転換の符号として提示され、読者も了解したものとして物語のさきへ疾走しようとします。「手記」というワードに引っ掛かりを覚え、のちの理解を促す構成は粋であり、書き手としてニヤリとしてしまいます。
しかし、ここにもまた読者は「地の文」が欲しい。視点の切り替えを鮮明に抉り出してくれる、ページの切り替わりに相応しい華のある地の文が欲しくてたまらないのです。場面転換が書き手と読者の相互了解のもと繰り広げられることで、この臨場感あるシーンはいっそうの白熱を得られるのではないかと思う次第です。
ご提案は以上です。
最後に、このお話の美しい〆に触れてコメントを終えたいと思います。
> その服と体、顔は、切られる前のように美しい。
たまりませんね。端的で平易でありながら、余韻と簡明さに引き絞られた一文です。この文を結びに置くことができる方の、文章力のどこを疑うことがありましょうか?という具合です。
長々と失礼致しました。作者さまの小説に対する情熱への敬意を示します。
作者からの返信
"つまづきと読み返しを繰り返し"
……そうなのですね。前作と比べて、没入感を削がない程度に説明を増やしたのですが、まだ足りないのですね。
"一点誤解を解いておきたいのは、興味深い読み解き"
読み解き……?!嬉しく?もありますが同時に直感させられるものではないのか……と課題を感じております……
"多少なり有益なフィードバックとなればと思い"
ここまで心が震えたことはありません……あまりにも寛仁なお心遣い、心の底からお礼申し上げます……
"原文本来のリズム感や流れを"
前作は原文に忠実寄りだったので、かなり読みづらいものでした。代わりに、惹きの場で押韻(日本語文化ではあまりみられない、英語圏が主)をしたり、意味も音も重ねた工夫をしておりました。今回は、わかりやすさに寄せるため、一人称であるためあまり使わないようにしております……サブタイトル以外。
"一文の端的な密度。密度と余白の連続性"
多分、この構造がわかりづらさに繋がるのかなと考えております。私は文字が意味する通りの言語運用ではなく、異なる意味を付与したり、自然と別の意味が出てくるようにしているのが、原因かもしれないと考えております。私は他の方の作品を読んでいて、わかりづらいと感じることが滅多にないのでかなり自分に足を引っ張られています……
"私個人は叙事詩を連想致しました"
受け取ってくださり、ありがとうございます……!物語の大テーマに、統治のために、があります……
"「地の文」の不在です。六話まで拝見致しましたが、とりわけ読み取りに苦慮するのが"
没入感のため、一人称であるため、テーマのため、よほどわかりづらい時以外説明は足さないのですが、地の文があると冷めませんか……?そうでなければ私は積極的に使いたくはあります。
"当たり前として地の文で「明示」する必要があるのですから。「明示」によって物語に起こった現象を地の文で採掘し、読者へ刻み付ける必要があるのです"
そこで私は次作、地の文と物語が一体化する方法を採ることにしました。狂言回しよりも、説明的にできそうです。それは、語り部が直接作中人物に語りかける方法です。その作中人物に、読者が溶け込んで入り込む構造です。それであれば、説明と没入感を両立できるはずだと考えておりますが、いかがでしょう。
"文体や物語構造に複雑性が含まれるのであれば"
私はこのあたりを実数値として観測できていないので、人の反応を見て「どうやら難しいらしい。でもどれくらい読書負荷がかかっているのか未知数」と悩んでいます。物語を通して作者(映像、漫画、文字)と対話ができるので、その技術を読者へ、作品を通して伝えていきたいと構造を練っています。
"その「明示」の不足"
多分、拙作は他の人から見て、言い換え、換喩だらけに見える感じなのですかね……?私としてはどーん!とパンチラインを置いているつもりです……なぜなら、他の方々も他作品を読んであるあるや使われやすい文を学習しているはずだ、と仮定しているからです。その仮定を修正する必要があるので、どの形に変化させるべきか考えております。
"老婆心ながら"
お気遣いさせてしまいましたね……自分の愚かさを呪います。重ねて、そのお心遣いに深く感謝申し上げます。
"書き手にはあまりにも当然で野暮に思われる事実確定通知が欲しいのです"
読んでいて、頭にその通知が決定的に思い浮かんでくるわけでは……なさそうですね。
"事実確定が前置きされていることで、その後の心情の揺れが飲み込みやすくなります"
はえ〜そうなのですね。読者の認知の順番を逆に並び替えてあげる感じですか……?
"しかし、ここにもまた読者は「地の文」が欲しい。視点の切り替えを鮮明に抉り出してくれる、ページの切り替わりに相応しい華のある地の文が欲しくてたまらないのです"
違和感が物語への没入を邪魔しているのでしょうか。エンタメにはストレスの排除が不可欠と、よく指摘を受けます。そんなにこの構造はストレスと言いますか、負荷なのでしょうか。娯楽が溢れた現代で、読書を選ぶ人なんだから普段から本を読んでいる、とターゲティングをしていたのですが修正が必要でしょうか。私の身の回りの人は全く本を読まないので、読む人と読まない人の中間層の存在が信じられず、若い方がわからない、でしたり、作品に負荷を感じるのか……?と思ったりしています。世代ごとにコミュニケーションのプロトコルが違うため、すれ違い違いが起きるように、です。
"たまりませんね。端的で平易でありながら、余韻と簡明さに引き絞られた一文です"
こんなお言葉を賜らせてくださるなんて……ありがとうございます。これに慢心せず、文と文の間に動きの繋ぎとなる文章を入れて、読みやすくしてみたいと思います。
"長々と"
そんな……おかげさまで、いくつもの仮定が実数値、定数として扱うことができそうになっています。創作はコミュニケーション、という私の定義から導かれる戒め、"独り言のような作品"にならないように気をつけられます。
心があたたかくて、涙が止まりません……大袈裟ですが……貴重なお時間を割いてくださり、本当にありがとうございます……
編集済
第9話 日影:御蔭:僻目への応援コメント
自主企画より失礼します。企画主のあばら🦴です。
先に申し上げておきますが、こちらの作品はストレスになるほど読みづらい上に作品として強さを感じなかったため、ここで早めに切り上げさせていただきます。
この作品に感じた良くない点を大まかに二つほど挙げていきますが……。
まずはおそらく気になっているであろう『文章』についての話をします。
単刀直入に言いますと、『読者への配慮』があまりにも足りません! 特に主人公と手記を書いている誰かの視点の切り替わりが、それをやりたいにしてもやり方が適当すぎます。切り替わりに対して、あぁ視点が別になってるのねと気づくまでの過程による「どういうことだ?」というストレスをなんで味わわなければいけないのでしょうか。序盤のストレスは特に離脱率に繋がってしまうので、貴方様の文章力で分かりやすくしてそのようなストレスを減らさなければならなかったはずです。わざわざ読者から歩み寄りたいと思えるほどの魅力を読者に感じさせていないうちに、読者の方から寄り添ってもらえるだろうという甘い考えを持つべきではありません。
文章に読者を寄り添う気持ちが無く、これは離脱率の高さや読みづらさに繋がっているので、作品の完成度に大きく傷をつけることになってしまってます。当たり前のことですが、場面や視点が変わった時というのは読者側は混乱します。だからそういった箇所では場面の境目であることが伝わるように多めに風景描写を盛るなどの配慮をしなければいけないのですが、この作品では『読者は混乱をしていない』という前提でシナリオを進めている感じがあります。
これはつまり、貴方様はほとんど『作者の感覚』だけで文章を紡いでいて、『読者の感覚』に寄り添う能力が低いと思われます。そして読者の感覚に寄り添う能力が低いということは、読者の感動を呼び起こす展開だったり読者の予想を裏切ったり超えたりの展開ができないし、さらには文章をどんな風に配置したら読みやすくなるかやテンポが良く感じられるかなどを考えられないということです。何故なら読者の感覚に寄り添うことは物語が読者にどう写るかを予測する能力の基礎であり、その能力があって初めて出来ることだからです。
つまり貴方様は、早いところ読者に寄り添う能力を磨いた方がいいです。読者の心情を見極めてこそ読者に攻め入れる強い作品を創れるようになるので。
そして文章に関してはもう一つ言いたいことがあります。
文章の緩急の付け方がよくありません。ずっと平坦です。具体的には、どの部分でも戦闘シーンと同じテンポで文章を書いてしまっています。
見せ場では描写を増してそうでないところは減らす工夫が足りません。まぁ正直これは貴方様に限らず『あるある』と言っていいくらいよく見る欠点なのですが。ずっと同じテンポだと読者の感情や心情と足並みが揃わず、読者視点で興味のない部分を適正より長く続けさせて飽きを加速させたり、読者が特に興味を惹かれるポイントを短く描写して読者の揺さぶりのチャンスを取り逃すことになってしまい、作品の完成度が下がるわけです。
例えばローラが子どもの肘を切り落とした箇所は、読者の驚きと連動させるように、落ちた腕や吹き出す鮮血の描写をスローに描写したり、主人公の頭が真っ白になる心情描写を増すなどの工夫が必要です。
というか……これをするのだって、読者に寄り添う能力がないと始まりません! まずはそれだと思います。
そして、言いたいことの二つ目。
作品の『売り』が全く出せていません。25000字というスペースがありながら、読者を引き寄せるほどの魅力を演出できなかったのは致命的です。
作品にはどんな特殊性があってこれからどんな特殊なことをしていくのかをいち早く提示して、読者に『これは面白そうだ』と予想させなければなりません。これをするのが遅い分だけ当然離脱率が上がるため、序盤はとにかく提示を早くしなければいけないのですが、この作品ではここまで25000字というスペースを使っておきながら提示をしていないのです。
まずキャラクターの人間性が見えないのが痛いですよね。主人公もローラも好感を持てる要素か見てて楽しい面白みのどっちかが欲しかったところですがそれを描写していません。
そして物語の特殊性の提示についても。
主人公が死んだら強いヤツが出てきた、というのを特殊性の提示だと思っているのなら、それはあまりに不十分です。何故ならそれは『設定』の特殊性であり『物語の特殊性』ではないからです。つまりその変わった設定で、どんな変わったストーリーにしていくのかを含めて提示しなければいけなかったのですが、ストーリーはローラの従者になるという、特に変わった点は見られないものでした。はっきり言って、今後どんなストーリーにしていくにしても、もっと演出を凝らないと興味を引く力が弱いです。
もっと言えば、主人公が死んだことで力が暴走したみたいな設定は、別に特殊でもなんでもありませんからね。主人公が実は強かったなんて作品は世の中にごまんとあります。その中で実は強かった主人公という設定をどう使っていくのかが面白さになっていくので特に大事なわけなのですが、貴方様はこの作品でのその面白さを提示できていません。
総じて言うと、序盤のうちに読者を引っ張る力が弱いのです。そこでも完成度が大きく落ちることになっています。
まぁとりあえず、一にも二にも、読者に寄り添うことです! ここでこの文章を書いたら読者にどう思われるか、読者から見てこの部分は文章が足りないのかどうか、それを考えながら執筆すると良いでしょう。きっと大きく成長するはずです!
以上になります。企画にご参加いただきありがとうございました!
作者からの返信
お時間割いてくださり、ありがとうございます。大変な難儀をさせてしまいましたね。それに加えて、言葉の端々から遠慮が感じられます。慮らせてしまい、深くお詫び申し上げます。
"単刀直入に言いますと、『読者への配慮』があまりにも足りません!"
どのような読者なのか、深掘りしておうかがいさせてもよろしいでしょうか。私にとって読者とは、いろいろな種類があると考えているので(人種のように。アルコールに強いが飲まないイスラム圏人、相対的に弱いアジア人など)どの読者を想定していらっしゃるのでしょうか。
"やり方が適当すぎます"
どのように適当でしょうか。もしよろしければ、具体的におうかがいしてもよろしいでしょうか。
"「どういうことだ?」というストレスをなんで味わわなければいけないのでしょうか"
やはり、ラノベ文化に馴染み深い方はストレス?を避ける傾向にあるのですね。私は負荷と呼んで区別しておりまして、確かに今のエンタメではよく論じられるものですね。
"文章力で分かりやすくして"
わかりやすさが没入感を削ぐと考えているのですが(ワンピースの戦闘でずっと解説を喋る人物など)こちらについてどうお考えでしょうか。
"読者の方から寄り添ってもらえるだろうという甘い考え"
どのような観点から甘い、と判断しているのでしょうか。私が考える範囲ではエンタメ(=願望成就と定義)とは提供するものであるとしております。私はエンタメ性に挑んでおりますので、あなた様のエンタメ論をお聞かせ願えますか。また、皆さんがラノベや負荷の少ないエンタメを展開しているのなら、私は空いている土地を使っている感覚です。
"文章に読者を寄り添う気持ちが無く"
お〜!私が最近がんばっていることです。具体的にどの部分が該当しますか。
"場面や視点が変わった時というのは読者側は混乱します"
……あなた様は物語をかなり理解できている様子ですが、その推論はどこから来ているのでしょうか。時間がかかった、などでしょうか?そうであれば、何秒くらいかかりましたか。
"貴方様はほとんど『作者の感覚』だけで文章を紡いでいて、『読者の感覚』に寄り添う能力が低いと思われます"
ひとりで向き合う創作はその状態に陥りやすいので、私はこうして自分以外の声を欲しております。ありがとうございます。
"読者の心情を見極めてこそ読者に攻め入れる強い作品を創れるようになる"
最近、読ませる本(受動)と読む本(能動)についてフィードバックくださる方がいらっしゃいました。あなた様はこれについてどう感じていらっしゃいますか。また、あなた様にとって創作とは、何の手段であり、どんな目的を達成させますか。
"文章の緩急の付け方がよくありません。ずっと平坦です"
はい。人物のテンションが上がると、傍観している我々は距離を感じてしまうと考えております。
"まぁ正直これは貴方様に限らず『あるある』と言っていいくらいよく見る欠点なのですが"
どのような観点から欠点と定義しているのでしょうか。その基準を明らかにしてくださると、一長一短の判断が格別に容易くなります。
"読者視点で興味のない部分を適正より長く続けさせて飽きを加速させたり"
はえ〜!?びっくりしました。やはりどのような文化に基づいてこの感覚が生成されるのか追求しなければならないと強く感じました。どなたの影響を受けていらっしゃいますか?
"作品の完成度が下がるわけです"
そうですね!あなた様の観点がわかってきました。
"ローラが子どもの肘を切り落とした箇所は、読者の驚きと連動させるように、落ちた腕や吹き出す鮮血の描写をスローに描写したり、主人公の頭が真っ白になる心情描写を増すなどの工夫が必要です"
そうですね!読者が1番!
"作品にはどんな特殊性があってこれからどんな特殊なことをしていくのかをいち早く提示して"
共感深いです。
"まずキャラクターの人間性が見えないのが痛いですよね。主人公もローラも好感を持てる要素か見てて楽しい面白みのどっちかが欲しかったところですが"
おお……あなた様の意味する人間性とはどのようなものでしょうか!
"そして物語の特殊性の提示についても"
"その中で実は強かった主人公という設定をどう使っていくのかが面白さになっていくので特に大事なわけなのですが、貴方様はこの作品でのその面白さを提示できていません"
お〜もっと深掘りして聞いてみたいです。詳しくおうかがいしてもよろしいでしょうか。特殊であることは避け、テーマから導かれる普遍性を心がけております。具体的な返答であると嬉しいです。
"もっと作品の大局を見て、この作品や作者に足りないものや、抱えている欠点を見出したいからです"
頷くほどご存じだと思いますが、大局も細部もどちらも欠けては物足りないものになります。小さなものが積み重なって大きなものとなる、ということもご理解していらっしゃる、そう節々から伝わってきております。
いやはや。やはり参加して良かったです。確かに得るものがありました。質問への応答は、私の近況ノートにて、いただけないでしょうか。
何度もお手数おかけしてすみません。
第11話 決断:結団への応援コメント
"王家は商会との間に特許契約を締結し、下記の条項を布告する。"
まさか小説の最中で法律を読むことになるとは思っていませんでした。
大きく要約すると、この商会を国家の専属商会として扱うこと、税の割合といった基本的なことのようですね。
"蜘蛛姿のぶよぶよが一瞬泡立つ。"
そう言えば前に黒いもやのようなものと説明されていましたね? そこでふと思ったのですが、このぶよぶよの能力はイデア論に関係があったりしますでしょうか?
もしそうなら、彼が蜘蛛になるときは蜘蛛のイデアを、ペンになる時はペンのイデアを使っているといった、物事の本質を模す能力と表現すべきなのかもしれません。
"感想"
さて、この章に関しては直接どのセリフを引用するかというのが大変難しい章でした。
というのも、この章は前に進むというテーマを元に、今までゆっくりと進んでいた物語を、まるで無理やり手を引っ張るように前へ進ませたからです。
政治、ローラの本質、セリンの成長、全てが盛り込まれていました。
これは第九話のコメントでも送らせていただいたのですが、やはりローラは表に出さないだけでかなり幼いようですね。
そしてセリンの選択は、形は滑稽でも自分の意思で選択して選ぶことを是とするこの描写は、素晴らしい人間讃歌を描く私好みの展開でした。
もっとも、セリンにとってはかなり高い授業料を払う結果となりましたが……今のままではダメという認識を芽生えさせるには絶好の機会だったと思えます。
それにしてもこの作品はテーマ以前の段階に、選択と責任という価値観があるのではないでしょうか?
その証拠に、すべての作品において無知を恥じないことが一番の悪であるという考えがあるように感じられます。
今回のセリンの描写にしても、無知を恥じれる人間は行動に改善の余地があるという思想がなくては、書けない描写です。
それにセリンにここまで大恥を書かせたのは、過去に囚われているローラと前に進もうとするセリンのどちらの方が正しいのかを論じさせないように、読者の視点をフラットに保つための工夫ですね。
作者からの返信
"大きく要約すると、この商会を国家の専属商会として"
ふふ……と悪い笑みを浮かべるくらいには、体裁は綺麗でもわかりづらい作りになっています。そもそも、読者に読み飛ばされても雰囲気のために置いた飾りのような物です。しかし飾りでも物語に影響します。王国の未来は暗いです。
"このぶよぶよの能力はイデア論に関係があったりしますでしょうか"
ああ〜!そう見えましたか。黒は片方の神が担っていますが、物を司るというか管理する役割があります。人以外は全て物とみなす、というところが関係しております。本質は人が付与するものであるためです
"さて、この章に関しては直接どのセリフを引用するかというのが大変難しい章でした。
というのも、この章は前に進むというテーマを元に、今までゆっくりと進んでいた物語を、まるで無理やり手を引っ張るように前へ進ませたからです"
は〜本当に鋭いですね。引用するのは難しいとうお言葉を見た時、つまらなかったかも、と原因を探ったのですが、そうですね。確かに、そういう構造があります。人が大きく変わる時、やはり人の手による無理やりな引っ張りがあるように思えるからです。私の手を、作中人物たちの手と重ねて行いました。
"やはりローラは表に出さないだけでかなり幼いようですね"
世の人たちが幼いと言われる人物に対して私は別の言葉を用いておりまして、それは社会集団の一般構成員の素養が、まだ、ない人と呼んでいます。その時の幼さとは、多くの場合は子どもにしかないもの、というよりは社会性のなさからくるように思えます。人のふり見て真似ができないところですとか。
"素晴らしい人間讃歌を描く私好みの展開でした"
ひょえ〜?!そうでしたか。真似したいと思える完成度でしたか?私はここの部分に関しては、読者に対して配慮をしなければ、ということでいっぱいいっぱいでした。そこも、人間讃歌的なのでしょうか?自分のやりたいことより読者を選んだシーンです。
"選択と責任という価値観があるのではないでしょうか?
はえ〜そう感じてくださったのですね。私は物事に選択はなく、責任とは自分のお尻を拭くこと、だと感じております。無知でも良いのです。それはその人が選べたものではない、と考えております。ありのままをありのままに、というテーマを基にしております。
"無知を恥じれる人間は行動に改善の余地があるという思想"
おお〜!こちらに関しては、そうする人は社会性を持つ、もしくは社会集団で生きていく生き物、という事象の表れです。1人で生きている人間に恥はないですからね。
"過去に囚われているローラと前に進もうとするセリンのどちらの方が正しいのかを論じさせないように"
か〜っ!冴えてますね!びっくりしました。そうです。最初で、読者のために書いたシーンとしたように、ずっと受け手のことばかり考えていた箇所です。人族という観点から見れば、ローラはそのままの方が良かったですからね。
編集済
第17話 日向:背中への応援コメント
ここまで読ませていただきました。キムオタです。
化け物との戦いのくだり。読みやすくて興奮しました。「神の忌子」の設定、謎めいていて素敵です。寡黙な君主の少女と饒舌な琥珀の少女の対比が面白いです。
読み進めるうちにジブリ臭が漂ってきたのですが、ジブリがお好きなのですか?
PS
ジブリをちゃんと見たことが無くて、あの動きが表現されているのには驚きました。戦闘の静と動の緩急がそれっぽかったので。もののけ姫とか。
ロボットアニメで有名な「板野サーカス」みたいな手法では、動から動へと繋いでいくのですが、御作は、静の部分の間が絶妙に感じました。
作者からの返信
すみません……ここまでお時間割いてくださって。ですが、心の底からお礼申し上げます。
有意義なお時間を提供できていますか……?そうであるなら、とても嬉しいです。
戦いの部分は、"読みづらそう"と不安だったので、もし伝えることができているのなら、安堵する思いです……
対比も、受け取ってくださりありがとうございます!神の忌子、私はどうにもファンタジーっぽくなってあまり好きではないのですが、日本語訳がからしか見つからず……神話を、大好きなひいおじいちゃんとひいおばあちゃんの話くらいの距離感であるとして、その若い時のひいおばあちゃんとその大昔の間男の子どもがずっと生きてる、みたいな感覚です。
ジブリに関しては……あんな有名でしっかりとした技術もある作品なのに、ちゃんとみたことはないんですよね……その一瞬しか見たことなくとも、読み取れるものがありました。説明(tell)ではなく、示す(show)の構造、説明しない、というものが共通してるんじゃないかなと今考えております。序盤に比べて、ここまで読めるならもっと作品に入り込める心の準備ができているはずだ、と説明を半減させています。いかがでしょうか。私はそう感じております。
編集済
第10話 伝聞:撰文:衍文への応援コメント
"小麦と名乗る者たちが城へ入り込んで来ました〜人影、7人は鎧の姿。残り1人は、長い髪をした女の人。その女の人だけ、蜘蛛の糸で真っ白、というより、その糸が重なりに重なって灰色に見える"
小麦と名乗っているのに、全員の衣装が灰色なのですね。
小麦には実りや豊穣のイメージがあるにも関わらず鎧や灰色の装束というのは、焼けた麦畑を彷彿とさせます。
しかしそれがいいのか悪いのかと聞かれると、この世界では灰色は悪かもしれませんが、焼畑農業のような物事を始める際の痛みとも受け取れそうです。
"浸透率についてはご存知ですね?"
この浸透率という概念は、私にとっても極めて興味深いです。
一般的に魔力や気というものは、より高純度の生命エネルギーを外側に発するものとして描かれることが多いです。
ですが浸透率とあるように、この力はやはりチャクラやのように体内を巡らせるエネルギーという考え方に近いようです。
ですが何より興味深いのは、巡らせるのではなく『浸透率』という言葉を使うことです。
これはどのくらい力が体内を循環してるのかという意味合いにも取れますが、読み方を変えれば、神秘を身に宿すという読み取り方もできます。
そういう意味では、考えれば考えるほど不思議な能力だと思いました。
"近衛として描かれた蜘蛛の糸が萎えて、ばらばらになって落ちた。"
そういえば、この世界の強さの基準は曖昧なままでしたね。
もちろん主軸ではないので書く必要はないかもしれませんが、個人的には宗教観や能力の説明があるか、もしくは作中の描写から推測できる方が作中の登場人物がなぜそのような選択をしたのかが分かりやすくなるので好みです。
"続いてローラじゃない方の人影が、同じように、糸が、ほつれて、落っこちた。"
こういう直接的ではない描写、とても好みです。
"御方様のご先祖様と少し言葉を交わしておりました"
ここは現代日本における仏教寄りの死後の世界の考え方なのか、それとも別の宗教体系に近い死生観なのかによって意味が変わってきそうですね。
作者からの返信
"焼けた麦畑"
よくぞ受け取ってくださいました……!焼けて灰になるとは、重要な見方の一つです。
"この浸透率という概念は、私にとっても極めて興味深いです"
本当ですか……今作で深掘りされることはありませんが、この概念のおかげで、最強格にも護衛が必要である正統な理由を付与することができています。他作品において護衛はお飾りですが、彼らにとっては日常生活の質に関わるほど重要です。出力の段階のようなもので、1から10あるとして、1の時、普通に力を入れるとドアの部を回すことができて、5の時普通に力を入れるとドアノブが潰れる、みたいな感じです。そして、1の状態から5、もしくは10にするまで、30秒必要であったり、10分必要であったりする感じです。護衛の人たちは常に高めている感じで、護衛される側は1を保ちます。また、最大値が5でも、1秒もしないで1から5にすることができる人は護衛に限らず重宝されます。また、力(まりょく)の仕組みを貯水タンクに繋がったホースに例えますが、タンクが小さいにも関わらずホースから金属を切れる勢いで出せたり、タンクが大きいにも関わらずちょろちょろとしか出なかったり、ちょろちょろしか出ないのにホース口も小さかったり、どばっと出るのにホース口はでかい、というものがあります。もっと極端に、超巨大なタンクしかなくて、ホース口すらなし。その逆、タンクはないのにホース口はでかくて出力も規格外に出せる、というものがあります。あなた様を楽しませることはできたでしょうか。こうしたものを、ストーリーとして見せていくつもりです。
セリンくんや、ハークニール、ローラはどのタイプに見えますか。セリンくんは見たままからひと捻りあるのは、私の中でも惹きとして作っているところです。力を(まりょく)そのものに関しては、以前少しお伝えした通りです。
"この世界の強さの基準は曖昧なままでしたね"
あなた様が描いている新作と似たテーマのためです。受け手は、自らその基準を作り出さねばなりません。
"こういう直接的ではない描写、とても好みです"
大変嬉しいです。ここの部分は恣意的なものが多いので、騙されないようにしてください……!
"ここは現代日本における仏教寄りの死後の世界の考え方なのか、それとも別の宗教体系に近い死生観なのかによって意味が変わってきそうですね"
1000年単位の時代によって、霊のようなものが存在できるのか、魔術が使えるのか、もしくは人が人のままでいられるのか変化します。どれもこれも、統治のために、というテーマに収束し、死生観宗教全てが統治のためのツールです。しかし、人物ごとにそれがどのようなツールに見えているのか異なるので(ツールだとも思っていないことも)そこも、敏感な人に対しての惹きポイントです……!
いやはや。あなた様へのフィードバックが少なく申し訳ない。もとよりくださるフィードバックと同じくらいのフィードバックをするつもりです。何か追加オプションのようなご要望はありませんか。
編集済
第9話 日影:御蔭:僻目への応援コメント
"物語中で明確に出る予定はないですが、彼は緋、もしくは赤です"
もしや、最初に登場したのがてんとう虫だったのがその暗示だったのでしょうか? だとすれば、今まで酷い読み間違いをしていたことになりますね、申し訳ないです。
"扉が閉まる——それと同時に正面の壁が扉のように開いた"
この表現は、セリンの退路が絶たれたことを意味しているのでしょうね。
つまり本当の意味で、セリンは主人公としての選択を迫られることになるわけですね。
三幕構成で言うなら、序盤が終わりに向かいつつある部分でしょう。
"生きてるということではなく、魂の形をしているようなぁ……"
ここは力(魔力)について考える、重要な情報ですね。
今まではチャクラやオドといった、生命力にまつわる概念だとばかり思っていましたが、必ずしもそういうことばかりではなく、『念』のような側面もあるのでしょう。
やはりそういうこの世界の力は、一般的な文脈で使う魔力というよりも、もっとこの世界の宗教に密接な概念と考えるべきでしょうね。
そしてこれは特段これが決手という文章を見つけられなかったのですが、ローラは無口だから分かりにくいだけで、実はあまり世間慣れしていないのではないでしょうか?
というより、比較対象が今まで極端に見分の狭いセリンだったからこそ気がつかないようになっていたというべきですね。
通常、目的も告げずに利益だけを伝えて商談をする。
ましてや予定日常よりも早く到着するなど論外です。
これはローラが王女であったという背景からも、市民の暮らしに疎い可能性を示しています。
そういう意味では、ローラはセリンと同じ『知らない』側の人間であり、この物語には子供を導く先人という意味での『大人』はまだ登場していないのではないでしょうか? もちろん人間の大人という但し書きは付きますが……。
"しかし……不思議です。このような意図の受け取りができるにも関わらず、企画の内容や、おまけと、そのおまけに関しては、精度が荒くなっている印象があります"
これは個人的に前回の返信で興味深いと思った部分なのですが、確かに私自身もそう思っております。
前回、ぶよぶよを白色だと思っていたという勘違いがあったように、私の文章を読む精度は元からあまり高いわけではないのです。
むしろ普段返信の時に読んでいるのは、文章ではなくその背景にある構造そのもの。
例えるなら、設計図を読めば出来上がりがどうなるか予想できるという職人技に近いものです。
特にアタオカシキ様の物語は、主に神話や演劇、映画などをベースに組み立てられているように思えます。
これらは比較低分解が容易で、理解しやすいため、読者を文章に集中させるためのに向いた強靭な型だと言えます。
つまり私はこの設計図の断片を読んで、どんな建物が出来上がるのかを予想しつつ、そこに置かれたインテリア(伏線や描写)を見て、設計者の意図を把握するという作業をしているのです。
そのため、一般的に使われる読解力とは少々異なるかもしれません。
そして改めて、おまけの意味するところを少し自分なりに考えてみたのですが……ひとことでまとめるのなら『創作は一人ではできない』ということではないでしょうか?
ひばかり様の文章を参考にしながら読んでみると、おそらくアタオカシキ様の文章は序文は何故そう思ったか? が書かれており、最後の数行で何を思っていたかを要約する、という基本構造があるように見られました。
なのでアニメを引き合いに出したのは、良い作品を作るためには良き受け取り手が必須であるということだとお見受けしました。
第8話 端境期:仲間入りへの応援コメント
久しぶりに拝読させて頂きました。
この世界では一貫して黒や夜=悪、白や日中=善、そのため灰色はよくないものとして扱われているという設定があったと思います。
久しぶりに読んで気がついたのは、セリンの足元に咲いている花にも白色があり、例のぶよぶよも白色ということです。
つまり両者共に本来は善いものとして扱われるべきはずのもの、という共通点があることに気がつきました。
この伏線は初期の頃から貼らていましたが、かなり重要な伏線のはずです。
これが意図的に隠されていたのか、私が気づくのが遅かったのかは分かりませんが、もし隠していたならかなり巧妙な伏線だったと言えますね。
そして壁にあった三角の模様、これはセリンと共にいる三人=集団を表するシンボルであると考えられます。
そういえば、何故『三人』なのかということを考えてみたことがなかったのですが、子供から見た両親と自分は、もっとも最初に出会う社会集団の最小公約数であると言えます。
この三角形には、そういう意味があると考えられました。
そして最後"ぶよぶよに急かされて、自分はその真っ暗な入り口に足を踏み入れた"という結びの言葉は、とても不穏であるように感じられました。
やはり黒や夜=悪という考え方ももちろんあります。
ですがそれ以上に、そんな危険な場所に自分の意思ではなく、他人に急かされる形で入るというのが何より不穏な要素に感じられます。
何よりセリンは、ここまで一度たりとも自分の意思で何かを決めたシーンがないのではないでしょうか?
これは彼の判断能力や責任能力の不足を意味し、これから先でかなり厄介な出来事に巻き込まれる伏線であるように見えました。
改めて読むと、とても精密に設定やプロットがが練られていることが伺えます。
そのため、これは自分の意思とは関係なく流され続けてることを暗示する意図された演出なのかもしれませんが、ここまでで会話が主軸ではない移動シーンの割合が多いように感じられました。
確かに文学や古典にはゲーテの『神曲』や『西遊記』など、移動し続けながら物語が進行する話は少なくありません。
しかし、これらの物語は共通して何のためにどこに向かうのか? という最終的な目的地が明かされています。
これは読者のストレスを軽減するための手法ですね。
ですが例外として、これが『不思議の国のアリス』のような奇妙な状況に置かれたセリンに対する共感を芽生えさせるなどの目的があるならば、アリだと思います。
そういえば『不思議の国のアリス』で思い出したのですが、あの作品は造語が多いんですよ。
有名なのだと『鏡の国のアリス』に登場するジャヴァ・ウォックの詩は、そのほとんどが古英語によく似た造語の集まりによる散文だそうです。
この作品も別の言語を日本語に翻訳しているという背景があるため、少し思い出したため語らせていただきました。
作者からの返信
"例のぶよぶよも白色ということです"
おや!?私はまだ、作中で黒いもやがかかって見える、というぶよぶよの色そのものにはまだ言葉にしていないはずですが……彼、改めて何色だと思います?黒と白は善悪であり、碧、緋は今いる唯一神の双子、その片方が緋であり、その緋は黒とセットになっていることが多いです。物語中で明確に出る予定はないですが、彼は緋、もしくは赤です。
"つまり両者共に本来は善いものとして扱われるべきはずのもの"
これについては間違いありません。実際にあった神話レベルに基づく、生活価値観に反映されています。
"そして壁にあった三角の模様、これはセリンと共にいる三人=集団を表するシンボルであると考えられます"
よくわかりましたね……!そうです。それだけでなく、前作異世界徴税官の結末の結末に出てきた蠅の中にあった金属の存在の示唆でもあります。三角は、丸の太陽と月と同じ神性の表れです。
"ですがそれ以上に、そんな危険な場所に自分の意思ではなく、他人に急かされる形で入るというのが何より不穏な要素に感じられます"
さすがですね……!動作ひとつひとつに、このような意味の付与があります。全くその通りです。しかし……不思議です。このような意図の受け取りができるにも関わらず、企画の内容や、おまけと、そのおまけに関しては、精度が荒くなっている印象があります。やはり興味の向き方が異なるのでしょうか……?
"ここまでで会話が主軸ではない移動シーンの割合が多いように感じられました"
おお〜さすがです。物語のスピード感とそのスピードについてく、巻き込まれているが適応の早いセリンの表れになっています!
"という最終的な目的地が明かされています。
これは読者のストレスを軽減するための手法ですね"
もちろん。拙作もそうしていますが、それが受け取れる層と受け取れない層の乖離が生まれるようにしております。物語人物に共感できるなら、これは社会集団の中で自分の立場を見つけるというゴールがある物語、に見えるはずです。そうでないなら、ただ主人公が迷っているように見えるでしょう。
"そういえば『不思議の国のアリス』で思い出したのですが、あの作品は造語が多いんですよ"
はえ〜そうなんですね。やはり、同じことを考える人がいるようです。
第17話 日向:背中への応援コメント
いや、これ面白いなあ……一気読みしてしまいました。
この脳にグサグサくる言葉選びと間、たまりませんなー!
追わせていただきます!笑
作者からの返信
まさかこんなお言葉をいただける日が来るなんて……多くの人には、難しく見えるんじゃないか、ターゲティングしている読者層はこのままでいいのか、と不安な気持ちでいました。
ぜひよろしければ、あなた様の返信、消してしまった数学についてもう一度教えていただけませんか。よりよい作品のために。
話は戻りますが、押韻や、レトリックについても受け取ってくださり、心から嬉しく思います……!
満足させられるよう、引き続き邁進していきます!
第3話 明き盲への応援コメント
10,000字読み合い企画に参加いただき、ありがとうございます!
拝読しました
とても不思議な作風で、まるで幻惑されているかのような気分で読ませていただきました
日本語訳されている、という設定も独特で面白く、他にない唯一の読み口になっていると思います
また、いちおう追放モノというジャンルに属すると思うのですが、主人公にとって仲間たちしか心の拠り所がなかったのだな、と思うと切ないです
先を楽しみにしつつ、★★★評価を置いていきますね
執筆、お互いに頑張りましょう!
作者からの返信
返信が遅くなってしまい、大変失礼いたしました。
貴重なお時間、わざわざ割いてくださりありがとうございます。
不思議……ですか?テーマのために、必要に駆られて行なっているので、前提が同じなら誰でも同じ作りにしますよ。日本語訳についても、地球以外の物語舞台であるなら、標準であるべき構造だと思います。そうでなければ作品がつまらなく、ただの操り人形ですから。
とはいえ、言葉を尽くしてくださり心からお礼申し上げます。
お互いの目的のために、同じように執筆を頑張っていきたいと思います。
編集済
第1話 別れとやらせ、その定めへの応援コメント
ウゴクヨミヒルです。企画へのご参加ありがとうございます。
割烹のコメントに申請がありましたので、構成評価をつけさせていただきます。
https://kakuyomu.jp/users/ugokuyomihiru/news/16818792437363368195
申請コメントの内容ですが、物語という体験を言語化というフィルターを通して読者にどう伝えるか、脳が言葉を使用することで生じる、認知や感覚のONOFFついて、特に注目されていると読み取りましたので、そのへん特に私も気にしてみますね。
>「明日から来なくていい」
からブラックアウトするところまで、ちょうど第1話を読みました。
%%% 通読中に気になったこと %%%
>「明日から来なくていい」
>酒やけで枯れた、太い声。頭上から、唾を吐きかけるように言われる。
>自分がぼけっと口を開けていることに気づいた。
いいっすね! セリフの内容、声の質感と位置関係、主人公の心と状態、ぜんぶが組み合わさっていきなりピリッとした空気がわいてきます。
>椅子から立ち上がった見上げるほどの大男、シャケジャックは白髪交じりの黒髪をかきむしっている。
ここの「見上げるほどの」も、主人公認識の切り離しと、読者ファーストな姿勢が伝わってきて大変GOOD。主人公からみて既知の人物であれば、わざわざ見上げる程の大男は再認識しないため、こういう描写をスルーしてしまいそうなところです。
シャケジャックという名前もいいですね。ここに仕草を加えて人物像のディティールをすかさずフォローしてるのも素晴らしい。
ここまでたった四行ですが、読者の意識に形成される余白を自然に埋めていく感じがあって、作品の気品さが伝わってきますね。
>のろのろと、自分の口が動いた。
通常は歩行に使う「のろのろ」を、「口」に当てているところに作者のセンスと積極性を感じますね! 表現で楽しませてくれる、という安心感があります。
>「じゃあ……荷物は(誰が持つの)?」
これもいいですね。「荷物は」という疑問系だけで、それが「荷物を誰が持つのか」を意図することは、読者はまだそこまで作品の世界を理解できておらず、劇中の人物しか理解できません。通常は地の文で解説を入れますが、セリフ内の()でその描写をカットしているわけです。
読者が知るべき情報だとしても、地の文を使うほどなのか? 使って説明した場合、何が活きて何が死ぬのか? 情報の強弱や、読中感のリズムやビートを作者が管理できている証です。
同時にこのキャラクターの口調や人格の輪郭も、合わせて示唆していますね。
>分厚い街壁を切り抜いて作られた、蝋燭明かりで暗い酒場の低い天井と、辛酒臭い息を吐くシャケジャックの顔が、涙でぼんやりしてきている。
ここで読者の世界に、作品の主人公の今いるフィールドがばっと生まれました。しかも涙でぼんやり、と質感まで。劇中にあるはずのことを、細かいところまで余すことなく活用していますね!
>大男シャケジャックの、真っ赤に腫れたそら豆色の目。無視するように自分を見下ろしている。
素人なら「大男シャケジャックの目が自分を見下ろしている。」と書きそうなところ、読者がイメージしなければならない作品の魅力やこの場の空気を、しっかりと抑えた描写ですね。目の描写も、そら豆というわかりやすい単語をフックにしているのも◯。
まず読者の意識を大男のシャケジャックの目にフォーカスさせ、そのイメージを対比に、ちっぽけな弱者である主人公の存在を際立てる。
視点と感情の誘導として映画的であり、機能的です。
>近くの、薄い四角の机に座っているひょろがりの男サバディックが、黙っているシャケジャックの代わりに、目をこすりながら口を開いた。
名前の統一感がいいですよね。この世界の文化レベルまで考慮される気がして、作品に対する信憑性が高まります。
>嫌味っぽい高いその声は、ゆっくりとしていて伸びがある。
>「はっきりしてんのはお前じゃねぇってぇことよ」
> サバディックは、ぽりぽりと褪せた青い髪の頭をかいて、乱れた髪を横になでて整える。
>「え……でも[鉱石まこうせき採掘の分配金もらってない]」
>同じ薄い四角の机にもうひとりの男、マグロイが爪で歯垢を取りながらげっぷをする。
>気遣うような高いその声は、優し気だけどなげやり。
>「ちゃんとあげるさ。な?心配すんな」
> マグロイは追い払うように手をひらひらとさせる。
ここ、すごくいいですね。先に声の質感や相手の印象を知ってもらったあとでセリフを。読者と主人公の気持ちが大変同期しやすい。素人だとセリフの後にその印象というワンパターンになりがち。
> 3人の言葉が心の中で響き続けた。自分の、靴底が剥がれそうなよれよれの履物を見つめる。
ここすごくいい! 心境を解説するのではなく、間接的に描写しているわけですね。小説のお手本のような描写です。
しかも靴底が剥がれそうなよれよれの履き物という、読者もギリギリ体験していそうでイメージしやすい、誰もが同じ心境に陥る状態をチョイス。自分の生活がすごく惨めで弱い気持ちになりますよね。
物語を想像させるだけではなく、読者の人生にあるものもうまく活用できています。
>顔を上げて、シャケジャックのそら豆色の目を覗いた。考えていることを読み取ろうと一歩近づく。
ここではシャケジャックの目に映る、主人公の表情が浮かんできますね。
>野太いその声は、乱暴で、刺々しくて、柔らかい。
この柔らかい、を最後の3つ目に置くのもいいですね。
乱暴、刺々しい、という性質を、柔らかいがコーティングすることで、この人の人格や人生を考える余白になる。
>「失せろってんだよわかんねぇかくそがき」
>大声。
>周囲の人の視線が集まってしまったと、首をすぼめた時。
> 大きな手で、潰されるように顔を叩かれた。頭の後ろを強く打って、ひっくり返る。頭の中が前後に揺れて、立ち上がれない。
ここも言葉の演出的技法がありますね。
「大声」で句点。
「首を窄めた時」で句点。
「大きな手で、潰されるように顔を叩かれた」で句点。
3つの情報が並びますが、ほぼ同時だったことがわかります。その流れを地の文の説明で教えるのではなく、読中感で実現しています。素人ならごちゃごちゃと説明的に言ってしまいそうなところです。
大きな手で潰されるように、と大男であるイメージが途切れないようになってるところもGood。
>頭の後ろを強く打って、ひっくり返る。頭の中が前後に揺れて、立ち上がれない。
ちゃんと、その後の状態と意識の混迷状態までフォロー。
>視界の下端でシャケジャックが、頭抱えるように腕を上げていた。
>「お前のせいでどれだけ面倒あったかわかってるか」
>自分が立っていたその足跡。そこは大きな足で踏みつけられて、蹴り上げられた。>自分の足跡には、花が咲く。碧あおい花と素しろい花、そして緋あかい花、
ここでタイトル回収。
これ、蹴り上げられた花が宙を舞ってますよね。スローモーション的に。
暴力と美しさが交差する印象深い場面です。句点ではなく読点で区切っていないところも、あくまでもこの主人公にとっては当然の事象であることが強調できていて◯。
アニメとかならここでタイトルとか出してみたいですね。
>「………」
>“ごめん“
>そう口を動かしたつもりだったけれど、声が出せなかった。
>「お前ん(足跡の)せいで化け物もんとかくれんぼできねぇ」
> 嫌味っぽい高い声。
さっきから地の文が、主人公の今の認知力と同期してますね。ごちゃごちゃ書くと読者の中で主人公が浮いてしまいますので、正しい書き方だと思います。
> 青い髪を横流しに整えるような、サバディックのその姿が心の中浮かんでくる。
中浮かんでくる。 → 中に浮かんでくる、かな。
青い髪が、ここまでの印象からぜんぜん外れてなくてストンと落ちてきますね。横流しに整えるも、細かな仕草がイメージしやすい。
>「そんで?(お前は)肝心の堀り場じゃ使い物もんにもならん。自分の荷物しか持てないんじゃねぇ」
ここで掘り場の名称だと読者は困りますが、「掘り場」なら何か掘ることが仕事になる場所、と補完できるので理解が楽です。例えば「そんで?お前はキュラ=グレイズ坑道群じゃ使い物にもならん」とかここでいきなり言われてもね。
> なげやりな高い声。
> 太い指でへそ穴のごみほじくるような、マグロイのその姿が心の中思い浮かんでくる。
>「なんでこんなことになんのか分かってるか?」
> 柔らかだけど乱暴で刺々しい野太い声。
> 大きな歯茎むき出しにして目を吊り上げる、シャケジャックのその姿が心の中思い浮かんでくる。
> 頭の中で血が流れているような痛みをこらえて、自分の口を開いた。
>「堀り場で自分の荷物しか持てないのに、化け物呼び寄せて………」
「を」や「に」が脱字してるところがありますが、リズムや世界観、あるいは主人公の心境描写を優先していると解釈します。作品の言語文化としてみると他の助詞が整いすぎているのでやや浮いている気はしましたが、この後の内容次第で解決できるレベルとも思います。
ここは同様の描写が続いたので一瞬もやっとしましたが、テンポは整っており、この後の描写のための「溜め」であることがすぐにわかりました。
> 3人との、長い時間を振り返る。怒った顔した3人を思い出せ。
> 思い出せ。
> 下唇の内側噛む。声出そうとしたら涙出た。
> 鼻水が口の上を濡らす。
> 自分の頭ぐしゃぐしゃにかき回して、怒った顔した3人との思い出を全部つまみ出そうとした。
> けれど、できなかった。
> こんな顔をした3人は見たことがない。
主人公の心境と劇中の展開と同時に、主人公の内面のスペックがわかるように構成されていますね。
>「もう……わ……わかん……ない」
> シャケジャックの大きな両手に襟を掴まれた。目線が合うところまで持ち上げられる。
> 歯茎を剝くその顔の、そら豆色の瞳(め)はとっても充血していた。
ここで「瞳」、ちゃんと場面の絵の違いをとらえていますね。目だと生物的ですが、瞳は感情や内面の揺らぎを象徴しますし。これはこの場面だけではなくシャケジャックの存在がこの作品にとって重要なキャラクターであることも決定づけますね。
>「それだけじゃねぇんだよ!」
> 服の胸ポケットを探るように指突っ込まれたあと、石ころのように投げ飛ばされた。
服の胸ポケットに指を突っ込まれ、と書かないあたりに確かな描写力を感じますw
> 酒場の、石でできた重い扉に背中を打ち、突き破って外へ転がる。
転がる、と現在進行形になっているところは大きなポイントですね。
>「二度とここに来んじゃねぇ!」
> 石の扉を隠していた藁が自分のまわりに散らばった。
> 目頭を押さえながら踵を返す、大柄なシャケジャックの小さな背中が見えた。
場面の締め方として綺麗ですね。
シャケジャックの背中を「小さな」としているのも見落としてはいけないところです。
主人公の心境にここで触れないのも先への牽引要素になっていますね。
> 夜。
>真っ暗な夜空に、おぞましい丸の月が浮かんでいる。仰向けの自分へ、灰色の月が冷たい光を降り注がせてきた。
「おぞましい+丸い月」、ではなく「おぞましい丸の+月」。月ではなく、まずおぞましい丸い輪郭から読者にダウンロード。それが月であるという客観的事実により、読者は一気に劇中の現実感と同期。そこへすかさず「灰色の月」と輪郭の補正が入り、ただの光ではなく「冷たい」とつけて質感を強調。
その光を動詞的に「降り注がせる」ことで、この世界の平等たる厳粛な意思や、場面の美しさ、主人公の虚しい境遇、全てが調和して際立っています。
ここは拍手喝采、スタンディングオペレーションです。
>「……ごめんなさい」
そしてまたすぐに主人公の存在に読者の意識を戻す。
> 見えなくなったシャケジャックの背中が脳裏に浮かんでくる。
「見えなくなった」と書くことで、去っていくシャケジャックを恐らく涙目でみていた主人公のドラマが自然と想起されますね。
>自分の体は丈夫だから(化け物の)おとりにしていいって伝えていたけれど、本気で痛い思いをさせられたのは半年間一緒にいて初めて。
> とても許されないことを、自分はやってしまったと、頭がかゆくなる。
主人公の言葉遣いと地の文の切り替えがスムーズで、読者が主人公の内面に入り込みやすいです。
> 街には巨大で分厚い壁が立てられていて、その壁を切り抜いて中に棚、四角い机、四角い椅子、その他いろんなものを運び込んでいるのがさっきの酒場。自分のような身分、3人も含めて夜を過ごせる場所はあそこだけ。でも、もう行けない。
> 今この地点は街の外。左に沿って歩けば、外町に着く。
>体かがめて周囲を見回した。遠くに大きな山が見えるけれど、そこに至るまで土が少しだけ顔覗かせる平坦な原っぱ。
酒場での感情に訴えかける展開から、ここでは小休憩って感じですね。
壁を切り抜いてできた空洞につくられた酒場か。現実だと洞窟カフェみたいな? 現実の情報からもギリギリイメージできる感じで助かります。
同時に主人公が日々の寝床を失ったこと、孤立境遇に陥ったこともわかります。
> 化け物に見つかったような気がして、肩が強張った。
弦を一本弾いたみたいな空気の転調、いいですね。休憩はさせないよ的なw
>息ひそめて左回りに壁沿いを歩き、指を折って数の練習をする。
> 二十一rodɡar、二十二roddyoʁ、二十三rodɣen二十四rodtʷar、二十五rodχem、二十六rodzod、二十七rodfen、二十九rodʁuv、三十deɡɣen、三十三deɡɣenɣen…………
> 数を数えられなくなった。
ここの独自言語も、アラビア数字で数えるだけではなく、この世界がファンタジーですよと読者にリマインドさせる役割を持たせていますね。あと世界観の考察にも使えそうな情報量が詰まっています。20台はrod、30台はde、1のくらいはgar、dyoʁ、ɣen…と。その気になれば文明レベルや経済などの水準も考察できそうですw
息ひそめて左回りに壁沿いを歩き、と、くどくならない程度に主人公の行動や心境をフォロー。指を折って数の練習をするっていうのも、この場面のことだけではなく、この世界の文化と紐づいていそうで、想像力が掻き立てられます。
> お金の計算は、いつもサバディックがやってくれていた。自分にできることがないから、お金を数えられるようになりたいってサバディックに教えてもらっていた。でも、しょっちゅう数え間違えるし、計算も全然うまくできない。辛抱強くサバディックさんは教えてくれてたけど自分が間違えるたび、とても苛立ったように青い髪横になでつけていた。
> もう、やらなくていいかもしれない。
思い出として振り返りながらも、本当は主人公にとってもストレスだったことが伝わってきますね。
「もう、やらなくていいかもしれない。」というシンプルな言葉も、読者自身の人生とも絡みついてきそうで強制力がありますね。主人公の苦悩と共感しやすい構成になっていますね。
> 勝手にいつもの歌が頭に流れる。
「いつもの歌が頭に流れる。」とだけではなく、勝手に、とちゃんと質感を伝えているが良い。
(歌詞略)
>この歌を教えてくれたのがマグロイ。知らない人とおしゃべりするのが一番上手な人だった。
(歌詞略)
>使いどころは………
>使いどころはどこだろう。
>「うっ……うっ……」
>もう、忘れていいのかもしれない。
別れはあんなんだったけど、とても可愛がられていた日常が思い浮かびます。
>脚が動かなくなっていた。膝をついて、うずくまる。
>そのまま目を閉じた。
「そのまま」が大事なんですよね。
>じっとりとした目尻の熱さが、頬を伝ううちに夜の凍える風で冷たくなる。
涙を目尻の熱さと書いているところがポイントですね。
> 自分の体より大きなこの革の服、腕と胸、腰と肩、脇と腹の留め具を緩めて脱ぎ、布団のようにその大きな服にくるまる。
> この大きな服をくれたのはシャケジャック。
きた! シャケジャック。
> 返したほうがいいのかと、その歯茎が印象的な笑顔思い浮かぶ。続いて、堀場で過ごした日々が思い浮かんできた。昨日は化け物とかくれんぼになって、狭いくぼみに自分含めてぎゅうぎゅう詰めになった。足跡残るから、そういうときだけシャケジャックが自分を抱えてくれる。でも、シャケジャックの足からも花が咲き始めるから、その場しのぎ。
みんなが主人公の不思議な力を理解し、受け入れて協調してくれてた暖かい日々ですね。
> 寒い。
そして、これ。対比の構成で双方が際立つように読者の意識に情報をアップロードしていますね。
>被った服から目を出して、酒場があるほうを覗く。小さな花を咲かせる、自分の足跡が残っていた。
>すぐに首を振る。
> 乱暴で、刺々しい柔らかな声が心の中で響いたから。
>『二度とここに来んな』
> 痛い痺れのように、あの大きな声が胸の内から膨らんできて張り裂けそうになる。
胸の内から膨らんできて張り裂けそうになる、と丁寧に質感を伝えていますね。足跡から咲く小さな花、シャケジャックの声もこの描写を効果的に強くしています。
> 夜の凍える風で、体の感覚がなくなるほど冷えてきた。
> 唇が震えて、がたがたと歯がぶつかる。
歯が「ぶつかる」。この自分の意思からみて距離感のある描写もいいですね。
> せっかくあったまってきた服の帳とばりをひっくり返して、あたたかく感じたところを触った。
せっかくあったまってきた、と書いて、主人公の寒がっている状況や暖を欲していた気持ちも同時に伝えていますね。無駄なく的確な描写がいいです。
>胸ポケットに手を突っ込んで取り出す。黒い放熱石が入っていた。光を浴びせていると夜あたたかくなる、あたたか石。
知らなくても漢字の意味だけで理解できる。ひねりすぎてないところがいいです。あっちにもこっちにも独自言語や造語があると読む方が疲れちゃいますしね。
>いつ入れたのか、思い出せない。
あの三人の誰かかも、とか考えちゃいますね、
> 耳から入ったみみずが頭の中を食べつくして暴れているかのように、ずっと耳鳴りする歌。
このギリギリ想像できる感じがいいですねw 耳の中の感覚って耳かきとかで結構知ってますし、そこまでわかればこの描写は十分堪能できると思います。
>どうしてこんなことになったんだろう。
>化け物から魔鉱石剝ぎ取るの遅いから?
>いつも布団独り占めしてしまうから?
>きらいな食べ物弾くから?
>自分で靴も直せないから?
>計算ができないから?
>敬語で上手にしゃべれないから?
>それとも、ただうざいから?
ここで主人公の今までの日常を追加で補完。ただ並べるだけではなく、感情の高まりと詩的構造の反復で読者のビートをあげていきますね。
>きーん。
>金属音。
チープな感じですが、離れたところから聞こえた感じだとこんなもんかな、と思います。
>頭を埋め尽くす数字と歌、みんなとの思い出が、今の音で追い出された。
「追い出された」も、ただの情報のONOFFだけになっていない表現が本当この作品はいいですね。ついさっき追い出された展開がこの描写を必然とする意味として機能していますね。
>そのまま袖を通そうと立ち上がったとき、すごい速さで自分の傍を人が通り抜けた。
>細身で、赤い頭巾をかぶっている。その手には短剣が握られていて、それと首飾りがきらめいた。
>遠ざかって小さくなっていくその人。
>じっと見ていたら、背中が急に痛くなった。
>右側のお腹から長い刃物が飛び出している。
>すばっと左の肩から抜けた。
>体が支えられなくなってぐらりとおっこちる。
>頬骨から鼻の真ん中まで痛くなって鼻先から尖った刃先が
ここで主人公の意識が途切れたんですよね。ダッシュ(——)とかつけずにブラックアウトしたことを引き算で描写していますね。……とかダッシュとかつけちゃうとフェードアウトになっちゃいますしね。
短文の連打で情報のアップロード、何もわからないことはないし、疑問もない。
読者がそのリズムに読者が同期したところで、不意打ち。
素晴らしい締め方です。
%%% 総評 %%%
小説の構造はもちろん、骨組みへの肉付けに関しても、私から申し上げることは特にありません。小説的描写としての構造を持ちながら、映画的演出と融合できている技術力に深く感服いたしました。
なお、「日本語訳について (興味ある人向け)」のほうは読後に拝見しました。なるほど、やはり世界観設定もしっかりされていましたね。個人的には、数話だけ読んで、すこし物語りを知ってからの方が飲み込みやすいと思いました。
私の意見も、初読時に感じたことに留まっており、言語化しきれていない魅力の方がむしろ多いと思います。そのあたり、どうかご理解いただけますと幸いです。何卒ご容赦くださいませ(笑)
作者からの返信
まずは、心からのお礼を申し上げさせてください。貴重なお時間を割いてくださり、誠にありがとうございます……!
"申請コメントの内容ですが〜そのへん特に私も気にしてみますね"
受け取ってくださり、ありがとうございます。多くの人が読めるように、という設計は心がけておりますが、ターゲティングしているメイン層は、あなた様のように読むその行為を嗜むお方々です。お口に合うものでしたら、大変嬉しく思います。
"「明日から来なくていい」
からブラックアウトするところまで、ちょうど第1話を読みました"
最初は1話と一話がありまして、一話も把握していらしたなら、読みやすさを削ぎ落としてまでどうしてこう書かれているのかというテーマのヒントが得られていたでしょうね……!
"セリフの内容、声の質感と位置関係〜ピリッとした空気がわいてきます"
ほっとしております。そこを受け取ってくださったこと、そして、伝えたいことが歪まずに伝えられた安堵があります。
"主人公認識の切り離しと、読者ファーストな姿勢が伝わってきて"
""読者のために""という作品と切り離されがちな要素を、わざわざ作品の一部として組み込んでおります。没入感を大事にしたいからです。一人称であるにもかかわらず、そうした情報整理が誰によってなされているか、物語世界の中で完結させております。
"シャケジャックという名前もいいですね"
多少の作為がありますが、シナリオの観点から、読み手へ忘れないでほしいという気持ちがこもってしまっています……汗
"ここに仕草を加えて人物像のディティールをすかさずフォローしてるのも素晴らしい"
ここも受け取ってくださり、ありがとうございます。人となりは、ありとあらゆるところからうかがえるものなので、たとえこの意味がわからない読者がいたとしても、伝え続けたいと心に決めている要素です。
"通常は歩行に使う「のろのろ」を、「口」に当てているところに作者のセンスと積極性を感じますね! 表現で楽しませてくれる、という安心感があります"
あなた様の脳は、そう感じられたのですね……!言語学的に外国語の嗜みがありまして、日本語訳にするとこのような語彙選択になる、という敏感な読み手へのメッセージになっております。同じ意味に訳せる日本語と英語があったとして、それぞれ同じ単語に対してくっつけてよく言う、あまり言わない、全く言わない、というものがあることを表しています。
"情報の強弱や、読中感のリズムやビートを作者が管理できている証です"
とっても安堵しています……読み手との間に信頼関係を築き、どんな細部にも着目してくれても良い、ということを常に大事にしております。
"ここで読者の世界に、作品の主人公の今いるフィールドがばっと生まれました。しかも涙でぼんやり、と質感まで。劇中にあるはずのことを、細かいところまで余すことなく活用していますね"
読書負荷が低い方だと、余計な情報としてみてしまう傾向がある、ということが最近
わかってきました。そのバランスと、私がターゲティングしている層と重ならないため、ちょっとした悩みです。
"目の描写も、そら豆というわかりやすい単語をフックにしているのも◯"
受け取ってくださり、ありがとうございます。丸いもの、目、が物語の中では大事なものであるということをこの段階で無意識に訴えているシーンです。
"まず読者の意識を大男の〜機能的です"
たとえ受け取ってくれる読み手が少なくとも、私が徹底していることです。すべての関連作品にある大テーマを支える、""意味の付与""が織り込まれています。映画的、映像的であるのも、ありのままをありのままに捉える、という大テーマがあるため、これも徹底しております。熟練の読者でも流石に疲れる時は、別の場所にそのシーンの要素を移すか、我慢して描かないという選択をしています。
"名前の統一感がいいですよね。この世界の文化レベルまで考慮される気がして、作品に対する信憑性が高まります"
文化、言語は最も重視している要素の一つです。名前だけで出身とキャラクター達の世代と時代を超えた繋がりを読み手に示唆したいためです……!
"素人だとセリフの後にその印象というワンパターンになりがち"
よくご存知ですね。なぜあのように書いてしまうのか、その原因と心の動きを突き止めたいとひっそり企んでおります。
"心境を解説するのではなく、間接的に描写しているわけですね。小説のお手本のような描写です"
受け取ってくださり、ありがとうございます。心の内と、経済的状況、そしてこの時点でわかることではない隠された物語の要素でありますが、2周目に読むと読み手は確かに靴はボロボロ以外ないだろうなと、思うはずです。できるときはとにかく、ひとつのシーンにふたつやみっつ要素を盛り込むようにしております。
"ここではシャケジャックの目に映る、主人公の表情が浮かんできますね"
受け取ってくださり、本当にありがとうございます。1段階目として、実際にそこにいる透明な第三者目線の語り部で出力して、一人称に変換しています。その1段階目の時、まさに、男の目に少年の顔が映り込む、と書いて、今の形に言い換えております。
"3つの情報が並びますが、ほぼ同時だったことがわかります"
ああ、とても嬉しいです。
"大きな手で潰されるように、と大男であるイメージが途切れないようになってるところ"
大きな手、と書かれるだけで読み手が彼を思い起こせるようにしたくて、という気持ちがあります……!
"あくまでもこの主人公にとっては当然の事象であることが強調できていて◯"
ここもよく受け取ってくださいました。普段は振り返らないと見えないので、頻繁に足跡の花が見えるわけではないので、物語としては読者のために積極的に見せていきたいのですが、なかなか彼の目で見ることはないので……苦笑
"アニメとかならここでタイトルとか出してみたいですね"
次の話数で出し易いシーンがあるかもな〜と、あなた様の言葉を受けてなんとなく頭をよぎりました……!
"さっきから地の文が、主人公の今の認知力と同期してますね。ごちゃごちゃ書くと読者の中で主人公が浮いてしまいますので"
もっと同期させたいんですが、このお話は編集されたものですから、編集者もそのあたり整理してしまうんですよね……
"中浮かんでくる。 → 中に浮かんでくる、かな"
「日本語訳について」をご覧くださっているなら、文法や読みやすさよりも、口語であることが重視されていると、そう見えていらっしゃっているなら大変嬉しく思います……!
"ここで掘り場の名称だと読者は困りますが"
普通の読者はそうですよね。そこを逆手にとって、固有名詞をつけて読み飛ばさせることで、あまり重要ではないと注意のコントロールをしたいなと考えたりしています。固有名詞も、抽象化してしまえば覚える負荷なんてないものですけれども……きっと文字を読むための技術なのでしょうねこれは。
"作品の言語文化としてみると他の助詞が整いすぎているのでやや浮いている気はしましたが"
文字であるせいで、どうしても脳が違和感を覚えてしまうので、もっといい方法がないものかと悩んでおります。
"ここは同様の描写が続いたので一瞬もやっとしましたが、テンポは整っており、この後の描写のための「溜め」であることがすぐにわかりました"
そうです。違和感を捉え、仮定を作る、または認知を変化させると言う行為が、関連するすべての作品で、読み手にできるようになってもらいたい物語を描く理由の一つです。
"ここで「瞳」、ちゃんと場面の絵の違いをとらえていますね"
さすがです。ついでに、ルビ漏れを直すことができました。ありがとうございます。
"その光を動詞的に「降り注がせる」ことで、この世界の平等たる厳粛な意思や、場面の美しさ、主人公の虚しい境遇、全てが調和して際立っています"
大変とても嬉しいです。他の単語と比べて特異に見えない語彙選択をしつつ、後のために月と夜を印象付けたい意図がうまく実践できたかなと、確かなものを感じております。
"現実だと洞窟カフェみたいな? 現実の情報からもギリギリイメージできる感じで助かります"
観測できている範囲ですが、日本語話者は実際にある具体的なものをたとえに用い、それ以外の選択がボケと冗談以外であまり見られない気がしています。英語話者だと、呂律が回らないを表現するために、犬の舌に分厚くピーナッツバターを塗ったような、と表現する例が見られたように、実際にある事象にこだわらないところが見受けられるので、書き手として、どうこの文化に向き合うべきか深刻に悩んでおります。
"同時に主人公が日々の寝床を失ったこと、孤立境遇に陥ったこともわかります"
押さえるべき最も大事なそれについて、すべての読み手に伝えられているでしょうか……?
"休憩はさせないよ的なw"
この感覚を好む人が多くいるような気がしておりまして、現に話題作も、この緩急を積極的に用いているような気がしております。
"文明レベルや経済などの水準も考察できそうです"
テクストの範囲内で、読み手が全てを把握してくれたらな、というような勝手な願いがあります笑
"別れはあんなんだったけど、とても可愛がられていた日常が思い浮かびます"
大きな大きな安堵の息を吐いています。ここを感じて欲しくて、かなり行数を割きました。
"「そのまま」が大事なんですよね"
わかってくれますか……!
"そして、これ。対比の構成で双方が際立つように読者の意識に情報をアップロードしていますね"
こちらも、よくぞ受け取ってくださいました。
"あっちにもこっちにも独自言語や造語があると読む方が疲れちゃいますしね"
普通はそうですよね……
"詩的構造の反復で"
一人称でなければ、日本語文化ではあまり見られない押韻をしたかった箇所です。
"チープな感じですが"
色々考えて、注意コントロールのためにこうなりました。次の場面に集中して欲しいけどな、と悩んだことを覚えています。
"小説の構造はもちろん、骨組みへの肉付けに関しても、私から申し上げることは特にありません。小説的描写としての構造を持ちながら、映画的演出と融合できている技術力に深く感服いたしました"
まさかこんなお言葉をいただける日が来るなんて……私は難なくわかっても、他の読者には難しい難しいと言われることが多く、フィードバックも足りず、こちらの仮定ではわからない人もいるし、完全にわかる人もいるはずだ、創作は送り手と受け手のコミュニケーションだからだ、という気持ちもあり……何度でもお礼を言わせてください。
"個人的には、数話だけ読んで、すこし物語りを知ってからの方が飲み込みやすいと思いました"
そのパターンもあるのですね。後から入れる場合だと、没入感を出したいという観点から構成が難しくなりますが、やる価値は極めて高そうです。
"私の意見も、初読時に感じたことに留まっており、言語化しきれていない魅力の方がむしろ多いと思います"
最初でこれだけ受け取ってくださったのです。あとの言葉にできていない部分は、これから描かれるシーンで回収されるものであり、十二分にあなた様は言葉を尽くしてくださいました。
何度でも、何度でもお礼をお伝えさせてください。心の底から、格別の感謝を申し上げます。
第7話 礼拝:軽輩:啓培:冷灰:成敗への応援コメント
ここまで。拝読しました。キムオタです。
情景描写の静粛さとは裏腹に、秒単位で展開する戦闘シーンが素敵です。
魅了されました。
気になったところ。「……そこ!正しさない」 これは誤記ですね。
作者からの返信
お時間割いてくださり、ありがとうございます……!
お言葉をいただけるだけでなく、物語への没入を阻害する誤字までご指摘くださり、心からお礼申し上げます……!
場の静かさで引き立つことを体験してもらいたい設計でしたので、受け取ってくださり嬉しいです!
第1話 別れとやらせ、その定めへの応援コメント
設定はよくある感じだけど、語り口が軽めで読みやすい。
主人公のキャラがどう立ってくるかで、この先の印象が変わりそう。
作者からの返信
本当ですか……!ありがとうございます……!新しい設定にしないよう、工夫をした甲斐がありました……
キャラクターに関しては、「関係性」というテーマに強く関わっているので、あなた様のまなざしがどう見てくださるのか、大変興味があります。
しかし……拙作は読みづらくないですか……?
第7話 礼拝:軽輩:啓培:冷灰:成敗への応援コメント
ようやくファンタジー感が強まってきましたね。
"なくなった壁から朝日がさして"
ここでようやく夜や黒が悪であるという概念が出てきましたし、灰という概念が出てきたので、これでようやくセリンが何故灰の瞳を持つだけで攻撃されたのかということが理解できました。
そして、この世界において魔力は魔術を使うためのリソースというよりも、気やチャクラといった類の概念に近いようですね。
弁を開くことで、ローラやセリンのように身体能力に影響するとなると、その辺りの概念が真っ先に思い浮かびました。
もしくは、単純にセリンが魔法職ではないためにそのエネルギーを効率的に変換する方法を知らないと言った方が的確かもしれませんが、ともかくこの世界の魔力は一般的なファンタジー作品の多くで使われている魔力とはまた別の概念のようですね。
宗教への考え方も面白かったです。
一つの共同体や価値観の統合のために宗教が必要である、もしくは有効であるという考え方が分かります。
正確には、この世界がまだ中世程度の文明レベルしかない場合、安心感を得て、孤独感を減らすためには必要だったと言えるでしょう。
そして常にセリンの側にいる擬似サケジャック達の知識は、どうやらかなり偏っているようですね。
個人的には性格以外はセリンの知識にかなり依存しているように見えます。
そう見える理由としては、彼らが語る常識はあくまでセリンがそう思っているだけに過ぎない常識が多いからです。
しかし現状だとこれはセリンが本物のサケジャック達と同レベルの理解力や価値観をしているのか、それとも性格以外はセリンの知っていることしか再現できていないのか、もしくはサケジャック達は最初から存在していなかったのか、それとももっと別の現象なのかは判断がつきません。
もしくはこれはもっと概念的な現象で、例えばセリンの極端な見識の狭さを表しているとも考えられます。
作者からの返信
お心遣い、本当にありがとうございます。何度でも、心の底からの感謝を申し伝えさせてください。
"この世界において魔力は魔術を使うためのリソースというよりも、気やチャクラといった類の概念""単純にセリンが魔法職ではないためにそのエネルギーを効率的に変換する方法を知らない"
はえ〜鋭いですね。
科学の、重力、電磁力、弱い力、強い力から発想し、全てがひとつの状態、として物理法則を組み立てております。その違いが、魔力と力の言語感覚に現れるようしていますが、魔術という単語はないわけではなく、古い言語に残ってる、ということで世界観を積み立てておりまして、英単語の語源を調べるときに見るような体系的知識をもとにしております。
"宗教への考え方も面白かったです"
統治のために、を出発点に物語があるので、統治システムとしか見なしておりません。日本だと感じづらいですが……ね苦笑
"もしくはこれはもっと概念的な現象で、例えばセリンの極端な見識の狭さを表しているとも考えられます"
大変素晴らしい他者理解の実践です……!ああとてもすごく嬉しいです。私の物語を書く理由を、あなた様が拾い尽くしてくださります。彼の主観で大きく書き方が変わっているので、それをコントロールせねばならないこちらとしては、物語と読者と常に対話を行い繋がねばならないので、もどかしく思います。少なくとも、彼は生き方を3人から学び、3人と社会集団を形成し、3人と……という具合に、現実における人の在り方を抽象化して並列してくださると、嬉しさから第一宇宙速度で吹き飛んでしまいます……笑
第6話 足跡の足音への応援コメント
"自分という存在が地に足付いた感覚が胸のうちに戻ってきた"
この部分は、やはり『他人から必要とされる』ことと社会の繋がりの関連性を示す象徴的な一文です。
セリン(ようやく主人公の名前が覚えられました)が他人から必要とされたいという欲求を持っていることは、本来ここで分かる予定になっていたのですね。
初めて読んだ時にセリンが他者から必要とされたいと思っていたことが分かったのは、子供の健全な発達には、ただそこにいるだけで『必要とされる』ことが不可欠だという知識が前提にあったからです。
孤児だったなどの理由から、そこにいるだけで『必要とされる』という認識を育むことができなかったために、あそこまで他者から必要とされていないことを気にしていたと推測しました。
"物語の中の一般的感覚を伝える重要なものとして"
これは前回のコメントへの返信なのですが、結論から言うならば、絶対に書くべきです!
書いた方がいいと思う理由は、主に二つあります。
まず一つ目の理由は、作者の中では常識でも読者にとっては常識ではないということです。
これは例えば本格的なSF小説で、全く何も説明していない特殊な機械を使うことに等しく、多くの読者は置きざりにされてしまいます。
つまり『象徴』とはただ置いておくのではなく、分かりやすくて見えやすい位置に配置してこそ意味があると私は思います。
二つ目の理由です。
まず読者が興味があるかどうかという質問ですが、恐らくファンタジー作品を見る読者の多くは、どのような世界でどのような不思議な現象を見せてくれるのかということを楽しみにしています。
私なんかは、その仕組みやその世界観での基準を説明される瞬間が最も面白いと言っても過言ではありません。
これは私事なのですが、ロボット同士が戦うような作品なら、機体の性能について説明されたり、活躍しているシーンが一番テンションが上がりますし、能力によって戦う作品ならその能力が明かされる瞬間とどうやって倒すのか? という部分に興味を惹かれます。
あくまでエンタメ作品の書き方なので、アタオカシキ様の作風に合うかどうかは分かりませんが、少なくとも"誰の物語か"を『示す』だけでなく、現実とは違う異世界を書く以上は"どんな世界に住んでいる、誰の物語なのか"を『示す』と『象徴』が機能しやすくなり、さらに読者に理解してもらいやすくなると思います。
"彼の主観だからと、とことん省きましたが〜あとどれくらい必要でしょうか"
ここに関しては、最低限森の中にいることが分かる描写があれば大丈夫だと思います。
確かにセリンが気にしていないことを書く必要はないですからね。
作者からの返信
何度でもお礼を言わせてください。ここまでお時間割いてくださり、心の底からお礼申し上げます。
"『他人から必要とされる』ことと社会の繋がりの関連性"
"ようやく主人公の名前が覚えられました"
受け取ってくださり、ありがとうございます……!名前についても、あまり覚えられないような距離感にしております。煩わせてしまいましたね……汗
"子供の健全な発達"
おお……定型発達という意味で受け取りました。自分も、まだこどもの脳機能のあり方については、深掘りをしている途中です。
"本格的なSF小説"
とすると、全ての拙作は政治宗教死生観、地理条件と歴史から形作られる言語や認知形成まで組み立てておりますので、その例に当てはまるなら、積極的に物語に表出させる必要がありそうですね……わかる人だけに届ける構造を徹底しているので、どうにも知りたい人へのさじ加減がわからず……
少し、今現在、三万字少し超えたあたり、物語の展開が大きく動くところにあるので、今そのお話を聞くことができたため、軌道修正ができそうです。ああよかったと深々と頷いてる心持ちでいます。
それでは、あなた様へのフィードバックが終わるまで、ゆるりとお過ごしくださいませ……!
第5話 街の脇道への応援コメント
やはりこの主人公の心の声のように振る舞っている存在は、怨霊に関連する現象のようですね。
主人公にしか分からないとはいえ、ある意味では足元に花が咲くことよりもホラーかもしれません。
しかしそのような齟齬が生まれないように、怨霊側が主人公の認識を操作していることで、最低限今まで生活することができていたのでしょう。
しかしそれよりも気になるのは、この主人公は
なんというか……主観だけで物を見ている割に、最終的には他者の客観的な判断に委ねているように見えます。
もしそうであるならば、『妹』と呼ばれていたことから推理するに、ぶよぶよの異形と怨霊はそれぞれ対になる存在で、怨霊が今までに会ったことのある人間の人格を再現(精神に関する)する能力を持っていて、ぶよぶよの異形は今まで見たことのある物体を再現する(物質に関する)能力なのではないでしょうか?
そうであるならば、個人的に非常に納得できます。
ただ移動のシーンであるのに、どのよような場所を通っているかが分からないという部分はもう少し描写があれば、私が読みやすくて助かります(あくまで、個人の意見です)。
そして前回、文章よりも物語を読むことを好むと言ったものの、小説である以上は文章がどう見えるかというのも気にはなるので、今まで通りの方針で批評をしてもらって大丈夫です。
むしろこちらの方からお願いさせてください!
作者からの返信
"主観だけで物を見ている割に、最終的には他者の客観的な判断に委ねているように見えます"
おお……おお!受け取ってくださりありがとうございます!人物への言及としていただけるコメントの中で、最大の喜びが感じられる種類のものです!そうですかそうですか!ああ……ありがとうございます。
"能力なのではないでしょうか?"
むむ……では象徴性と読者のご相談をさせてください。能力として整理しているわけではありませんが、物語の中の一般的感覚を伝える重要なものとして、夜と昼があります。夜と月は「悪い」もの、昼と太陽は「善い」ものとしていまして、夜に関連するのは緋、黒(ハークニールなど!)昼に関連するのが碧、素(しろ)があります。読者はこのあたり興味ないと仮定して書き進めているのですが、どうなのでしょうか……?
"ただ移動のシーンであるのに"
彼の主観だからと、とことん省きましたが、没入感を損ねていましたか。あとどれくらい必要でしょうか。
"今まで通りの方針で批評をしてもらって大丈夫です"
承りました……!書けることが増えるので、嬉しく思います。
第四話 幽明の幽霊への応援コメント
どうしてそう感じたのか? という点を重点的に書いてくれると助かりますとのことでしたので、今回はできる限り詳しく書かせてもらいました。
まず過去回想から現在への視点の移動がとてもスムーズでした! 前回の最後の言葉から始まり、前回の最後の言葉に帰結すること、何より回想シーンは““で区切られているために、大変読みやすかったです。
そしてどうやら、この怨霊の正体が推定『妹』とされる存在であることや、灰色というものにとても強い意味があるということが分かります。
恐らく灰色は、人間と化物の中間=善悪のグラデーションの象徴であり、あまり良い印象を抱かれていないことが示唆されていますね。
そしてどうやら、このぶよぶよの異形が変身した『舌』の能力は『嘘』かどうかを判別する能力ではなく、『真実』かどうかを見定める能力であるように思えます。
そこが分からないために、主人公は怯えていたようですね。
そしてこの怨霊たちは複数の能力を持っており、多くの作品で導入されている『能力は一人一つ』というルールに縛られていない存在のようですね。
そしてこの怨霊たちの使う能力は、例外的に複数の能力を持つこともある魔術とも毛色が違う。
もしくは、本来は複数の人間が持つ能力を一つの存在にまとめているという見方もできるかもしれません、だとすればそれは複数の人間による共同体という概念そのものでしょうか?
そして、前回のコメントで答え損ねたことに関しても補足させてください。
"何故なら少女に取り憑いている異形"の部分について
ここは単純に多くの作品見てきたことによる統計……と言いたいところですが、そう言い切れるほどの作品を見てきたわけではありませんので、直感というほかありません。
しかし説明できることもあります。
この異形が喋れるという場合、この異形と怨霊が同じ能力の形式が同じである以上は、一定のルールに則っていると判断しました。
この場合は人に取り憑く異形や怨霊には意識があり、喋れる可能性があるという推理ですね。
当時の思考プロセスを簡潔に説明するなら
作者は意味のないものを登場させない→ならこれが登場したことには意味がある→この世界において魔術以外の能力は怨霊に関するものしかない→ならこの異形は何かしら怨霊に関係しているもの=怨霊と異形は同じようなルールや概念の下で行動しているという推測が成り立ちます。
"他者との関係性に帰属する能力なのですね"
これに関しては、とある能力とは全く逆の発想だったので気づきました。
あなた様は『ジョジョの奇妙な冒険』という漫画をご存知でしょうか? そこには人の精神が形ある像(ヴィジョン)として守護霊のように振る舞う、『スタンド』という超能力が登場します。
この作品に登場する怨霊も、最初はそれに似た概念だと思っていました。
しかし何度も何度も重要なことであることを仄めかすように、主人公は過去の仲間たちとのやりとりを何度も思い出します。
しかも回想のはずなのに、何故か的確な言葉ばかりを投げかける、まるで『会話』しているかのように、です。
しかしここで異形が登場することで、怨霊との比較が可能になります。
後は先ほどの"何故なら少女に取り憑いている異形"の項目で説明した通りです。
"その人物の人格を形作った時間や言葉そのものであるという比喩表現だったのですね。
だとすればこれは『少年時代との訣別』ではなく、『過去を肯定』する物語"
ここに関しては、先ほどの『スタンド』という存在との比較によって気づいたものです。
『スタンド』はその持ち主『スタンド使い』と呼ばれる能力者の深層心理によって能力や戦闘力が決定されます。
例えば喧嘩番長なら戦闘特化の格闘型、冷静な暗殺者なら奇襲特化の遠距離型など、その人物の人格によって特異分野が大きく異なります。
酷い時は、戦闘に使えないこともあるほどです
ですが重要なのは、これが個人の精神が生み出す能力ということです。
しかしあなたの作品では、精神性といったものは自分で決めるわけではなく、他者との関係性や社会的地位によって定められるものと繰り返し描いていました。
そこに自己責任という言葉で片付けない優しさを見出したために、『過去を肯定する』もしくは『過去を許す』物語であると判断しました。
"今までの自分の常識や日常というもの終わりを象徴だからでしょう。
そして単純に、突然死んでしまった主人公が次はどうなるのかという点に読者は目を惹かれるので、物語冒頭のフックとしてとても強いという作劇上の理由もあります"
ここに関しては私の言葉不足でした、申し訳ない。
まずここに関してですが、私はこのフックがしっかりと機能していると考えています。
何故ならば、追放系という流行物であると見せかけてからのこの流れだからです。
読者は良い意味で、予想を裏切られたことになります。
もちろん、私もその一人です。
"恐らくテーマが難解であるために、アクションシーンだけでもエンタメ要素にしたいという思いから、戦闘を映画のような書き方をしようとした結果"
なるほど、ドラマや映画、もしくは古典からネタを輸入してきているのですね!
それは作家として、とても素晴らしい試みです!
なにより著作権を気にする必要がありませんからね!
という冗談は置いておくとして、その試みは本当に良い試みです。
何故ならば、そのような作品は人間の本能を直接刺激するような展開を用意しているからです。
それはある意味で、自分の好きな作品に寄せるよりも難しい試みだったと思います。
"どんなにセリフが難解で理解し難くても、表情から感情を察することはできます"
なるほどそこは大きな気づきですね、確かに『攻殻機動隊』は難解なことで有名な作品です。
そしてそこに影響されているということは、人として『どうありたいか』といったことよりも『どうしてそうなるのか』ということに焦点を当てているということですね。
"この小説も表情や動きだけを描写することで、似たようなことを目指しているのではないでしょうか?
だとすれば、言葉よりも行動の方に本質があるという考え方に繋がりそうですね"
先ほどの項目の話に重なりますが、『どうありたいか?』について考えるのが『理想』を求めることであるとしたら、『どうしてそうなるのか』ということについて考えるのが『本質』を求めることであるように思えます。
私はこの『理想』というものに強く惹かれていて、アタオカシキ様の場合は『本質』を求めているという差がありそうですね。
しかしここまでテーマが似通うのは、人は分かり合えるはずだという、同じ『結果』を望んでいるからだと思います。
最後に、私は文章以上に物語を読むことを好みます。
これは文章に対する苦手意識ではなく、文章という媒体を通して物語を読んでいると認識しているということです。
なので、どうしても文章より物語や、どうしてそのような設定になったのかということを考えてしまうのです。
作者からの返信
またもや、お時間割いてくださり心から感謝申し上げます。
"何より回想シーンは““で区切られているために、大変読みやすかったです"
額の汗をひとぬぐいです……普通の人の認知を、自分の中に再現するのはかなりエネルギーを使いました……よかったです。
"善悪のグラデーションの象徴"
最も重要な部分を受け取ってくださり、ありがとうございます……この物語では、あまり深掘りは出来なさそうなのですが……
"『真実』かどうかを見定める"
おお……これ以上象徴性を複雑にする場合、一般読者はついて来れそうでしょうか……
"本来は複数の人間が持つ能力を一つの存在にまとめている"
大変素晴らしい他者理解の実践です……!これこそ全ての拙作が挑んでいることです……!ありがとうございます。全ての拙作の大きなテーマの一つに、"統治のために"というものがございます。物語の人々が神と呼ぶ存在から、賜りもの、として分け与えられているものです。基本的に、物語世界での物理法則に則ったものになっております。能力だからといって、支離滅裂にならないよう心がけております。
"ここは単純に多くの作品見てきたことによる統計……〜もしくは『過去を許す』物語であると判断しました"
ここからここまで、作り手と受け手の架け橋の構造理解として、月面着陸が人類の大きな一歩としてたとえられるように、私にとっても大きな一歩となりました。改めまして、お時間を大きく割いてくださり心より感謝申し上げます……!
"人は分かり合えるはず"
ここについては、物語の中で常に問われているにも関わらず、読者に見つからないよう姿を隠し続けています……
"物語を読むことを好みます"
そうでしたか……では、批評会におけるフィードバックの方向は、そちらへ舵を切ろうと思います……!
編集済
第3話 明き盲への応援コメント
【二回目コメント】
アタオカしき様
ご返信、大変遅くなり申し訳ございませんでした。
そして貴重なお時間を賜りまして、ありがとうございます。
第6話へのご返信にて
「AとBとCが相互作用し同時に成り立つ」
「人物を追体験する」
のお言葉を元に、また読み返し失礼いたしました。
そちらのコメントへ追記は行っておりません。
今回、まとめてお伝えいたします。
(前置き)
私めの単純な集中力切れによって、字滑りを起こした可能性が少なからずあります。どうかご容赦くださいませ。
────────────────────
● 読みづらさ・違和感が強い箇所 ●
────────────────────
【①】本文抜粋(略)
*それは女の人の鼻に止まった後、手で振り払われててんとう虫へ変化。
*ハークニールと自称する者〜こちらを睨んでいた。
*ハークニールという、ぶよぶよの生き物は黙ったまま、てんとう虫の姿でこちらの額に張り付いたまま。
*額のぶよぶよてんとう虫
↓↓↓
*この存在が、黒い点から蜘蛛・猫・蝶々・てんとう虫の順で姿を変えたのが一発目のときに把握できなかった。
*何となく攻撃的な"女の人"と、そうではなく"女の人でもない冷静な存在"⋯⋯ほどの解釈止まり。
*後を追い三周目ほどで『女の人=ローラ』『ローラの服の下から飛び出した黒い点=ハークニール』と理解。
《理解できた理由》
*ハークニールは姿形を変え、主人公やローラ、読者へ自身のこれまでの経緯を、自分の身体でカタチ作り空中投影のようにしていると分かったため。
《少し分かりづらい所》
*「手で振り払われててんとう虫へ変化」にて字滑り。同じ音の連続によるものかと推測。
◇◇◇
【②】本文抜粋(そのまま)
それは女の人の鼻に留まったあと、手で振り払われててんとう虫へ変化、こちらに飛んできて額の真ん中に止まった。
『我が君主、ネーラローラ《nɛː.ra.roː.la》・カーリール《kʰaː.ɾiːɾ》。ローラと、敬意をこめてお呼びくだされば幸いです』
女の人の目は、自分を見ている。
ハークニールと自称する者、その蜘蛛の姿の時のように、その女の人は眉間に深い皺を刻んでこちらを睨んでいた。
↓↓↓
《理解できた理由》
*【①】が理解でき、人物の状況を把握したため。
⋯額にハークニールがいる。
⋯なら目の前にはローラが一人だけ。
⋯本来はもうひと人物いるが、一対一になったような構図になり、集中して見る相手が一カ所に定まる。
⋯二人の間に緊迫した空気が流れている。
《少し分かりづらかった所》
*「その蜘蛛の姿の時のように、その女の人は眉間に深い皺を」の意味。ハークニールの造形、蜘蛛の脚が胴から枝分かれする様を、ローラの皺線へ当てはめたと推測。ハークニールは主人公の額にいる状態のはずのため、少し頭が混乱した。
◇◇◇
【③】第3話を通して
序盤は、中ほどより「こっち」「向こうの番」など、距離や空間で情景を掴む語の連なりが多く、「女の人」に比べ状況が分かりやすかった。
後半はハークニールが仕切り、ローラと主人公へ一人ずつ問う形式だったため理解できた。
↓↓↓
人間の舌の落葉樹のくだりはかなり好きです。
特にローラへの問答の際、心の中でサバディックとマグロイが立て続けに動いたことで、地球人からすれば現実らしくない光景へ加わるスパイスのパンチ。
情景の妖しさが光っているところへ、人間のどストレートな言動が響きました。
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【おわりに】
この度、人生はじめて創作物への批評会に参加いたしました。
「批評としての返信はこうするのか」という初歩的なところから学ばせていただきましたが、何よりも、今の自分には書くことより読む量が圧倒的に足りていないと痛感いたしました。
その批評への返信も、いまだ合っているか分かりません。
第三者視点や第一視点の違いなど、創作の上でこれらをどのような世界観として描くかは度々話題に上がります。
文章の書き方として、私はその種類を忘れていたと気付きました。情報収集&読解力不足はもちろん、今回に関してはスピーディーさがなく、ご迷惑をかけてしまいました。
アタオカしき様から寛大なお心遣いいただいたこと、感謝でいっぱいです。
しかし、このままでは、もし他の方の批評会に参加したとて申し訳がたちません。まだしばらくは、鍛え直します。
企画の開催から、拙作へ批評コメントを賜りましてありがとうございました。
作者からの返信
お時間割いてくださり、心からお礼申し上げます。
退屈な読書体験をさせてしまったと、申し訳なさを強く感じております。
ですが、大変具体的なフィードバックにより、大きな一歩で進むことができました。自分の普段の読者における認知と、他者の認知の差を実感することができ、それを戒めとすることもできました。
今回は一人称であり、どうにも、その物語の人物の認知に沿ってしまい、読者への橋渡しが足りなくなっているようです。今回はどうにか作り手として人物をコントロールしつつも、次回作に繋げていきたいです。
"その批評への返信も、いまだ合っているか分かりません"
いえ、非常に質が高いフィードバックです。特に具体的であることが大きな効力を持っております。ご謙遜なさらず。
まだまだあなた様の作品の批評は終わっておりません。基本的に、私が行った批評に対する、返信の質でもって継続が判断するのですが、あなた様には、大きな労力をかけてしまいました。重ねてお詫び申し上げます。これから私が行うコメントには、返信は不要です。
また新しい批評会を開いているところですので、時間はいただくかもしれませんが、ぜひ、お力になりたいと強く思っております。
第3話 明き盲への応援コメント
ここでようやく主人公以外にも能力、というより何かしらの存在が取り憑いていることが明かされるのですね。
そして今までは主人公の心の声だと思っていたもの……これは主人公の心の声ではなく、恐らくあの怨霊に関わるものである可能性が高い。
何故なら少女に取り憑いている異形は、実際に言葉を発したからです。
そしてそれでようやく理解することができました、これは個人の魂に由来する類のものではなく、他者との関係性に帰属する能力なのですね。
『足元に咲く花』とは、その人物の人格を形作った時間や言葉そのものであるという比喩表現だったのですね。
だとすればこれは『少年時代との訣別』ではなく、『過去を肯定』する物語と表現する方がしっくりきます。
それでは、少年漫画のようだと思った箇所についてお話しします。
理由は幾つかありますので、順番に整理していきましょう。
まず一つ目は、主人公の『死』によって物語が始まるということです。
これは恐らく、今までの自分の常識や日常というもの終わりを象徴だからでしょう。
そして単純に、突然死んでしまった主人公が次はどうなるのかという点に読者は目を惹かれるので、物語冒頭のフックとしてとても強いという作劇上の理由もあります。
二つ目は戦闘に対する考え方です
前回の戦術の話とも重なりますが、この作品では強弱というものを物理的な戦闘力で測っているところがあります。
恐らくテーマが難解であるために、アクションシーンだけでもエンタメ要素にしたいという思いから、戦闘を映画のような書き方をしようとした結果だと思います。
それは素晴らしい試みなので、これからも是非続けてみてください。
そして最後、三つ目の理由は描写です
主人公の視点から見る書き方、情報の出し方、そして『語る』よりも『示す』方が好みだという考え方。
それらを総括すると、恐らく映画のワンシーンを想起させるような書き方をしようとしているように感じます。
それは恐らく、『何故やったのか?』というものを説明することなく読者に『示す』ための文章でしょう。
そしてその表現に最も近いのは、漫画やアニメです。
短いセリフと僅かな動きから、読者や視聴者ははその考えを予測して共感させやすいというのが強みです。
どんなにセリフが難解で理解し難くても、表情から感情を察することはできます。
この小説も表情や動きだけを描写することで、似たようなことを目指しているのではないでしょうか?
だとすれば、言葉よりも行動の方に本質があるという考え方に繋がりそうですね。
と、以上が少年漫画的な表現であると感じた理由です。
作者からの返信
"何故なら少女に取り憑いている異形"
確かに強い関連があります。しかしまだその情報は物語に出ていないので、どこで直感できたのか大変興味があります。
"他者との関係性に帰属する能力なのですね"
"その人物の人格を形作った時間や言葉そのものであるという比喩表現だったのですね。
だとすればこれは『少年時代との訣別』ではなく、『過去を肯定』する物語"
よく分かりましたね……そこを受け取れる方へ向けて作ったものですので、大変嬉しく思います……!ただ、それがどのように心を動かせるのか、そもそも心動かすことができているのか、不安ではあります……
"今までの自分の常識や日常というもの終わりを象徴だからでしょう。
そして単純に、突然死んでしまった主人公が次はどうなるのかという点に読者は目を惹かれるので、物語冒頭のフックとしてとても強いという作劇上の理由もあります"
まさにその通りの意図がございました……!この領域で対話ができることに、創作に向き合うものとして異常なほどの満足感を覚えています……!ただ読者へ面白さとして作用しているのかどうか、具体的な数値としては未知数なのが……どうにも……
"恐らくテーマが難解であるために、アクションシーンだけでもエンタメ要素にしたいという思いから、戦闘を映画のような書き方をしようとした結果"
はい……この部分は、中国や韓国の、大陸のエンタメ作品から学びました……
"どんなにセリフが難解で理解し難くても、表情から感情を察することはできます"
なぜこのような書き方になっているのか見つめ直したところ、『攻殻機動隊stand alone complex』に影響を受けているのではないかと気づきがありました。あなた様はご存知でしょうか。
"この小説も表情や動きだけを描写することで、似たようなことを目指しているのではないでしょうか?
だとすれば、言葉よりも行動の方に本質があるという考え方に繋がりそうですね"
ありがたいお言葉です。まさにこの対話によって、次の物語の描き方を設計したく思っておりました。あなた様のお言葉ひとつひとつが、私の物語を前進させてくださいます。改めて、そして重ねて、お時間割いてくださり心からお礼申し上げます。
第2話 目明き : 目先 願い : 出会いへの応援コメント
前回のテクスト論の助言に則り、改めて私なりの批評をさせてもらいますね。
そのためにもまず、私は人類学や社会学を専門的に学んでいないことと、その多くの知識をアニメや漫画、ゲームを自分なりに考察したり、脚本術を多少学んだ知識だということをお伝えしておきます。
なので、ここからの批評は専門的な知識よりも作品としてどうか? という視点で読ませてもらいますね。
まずこの話は主に戦闘シーンだけで構成されていますが、格闘戦とお互いの戦術の読みあいが非常によくできていました!
次の一手をどうするか、というのが主人公の視点からしっかりと書いてあり、非常に読みやすいです。
しかもそれをただの戦術の説明ではなく。
“武器を奪え”
“間合いを見極めろ”
“使えるものは何でも使え”
といった元パーティーメンバーの言葉を主人公が覚えているという描写にすることで、いかに彼らが主人公にとって印象深い存在であったかが分かります。
そして『臓器』の弁を開いて魔力を全身に流すという概念は、やはり少年漫画的な表現だと言えます。
しかし私はそれが悪いことだとは思いません。
これは他人に分かりやすく伝えようとした場合、知っていても知らなくても少年漫画に近い概念が出てくるという話です。
むしろ、あまり読んだことがないのに近い発想が出てくることに私は敬意を表したい。
そして恐らく、私がこの作品を少年漫画的と感じる一番の要因は、動きと登場人物の心理を融合させようとして、戦闘のスタイルが異能力者たちによる化かしあいでも、巨大ロボットによる派手な銃撃戦でもなく、生身で格闘戦をしていることも影響していると思います。
そして今回の文章はとても読みやすかったです! 主人公と少女の動きだけに重点を置いており、尚且つしっかりとお互いの思惑が分かるように書かれていました。
今この瞬間は、この動きと登場人物の心境に意識を向けてくれという意思が感じられます。
そしてここまで来て、ようやくエンタメ色を強めたい理由が、『分からないことを分かるように伝える』という目的があるからであるように感じられました。
これは全く何の根拠もない自論ですが、難しい概念をどれだけ簡潔、且つ正確に説明するかというのは、学者でなければ最も優先すべき事項であると思います。
それは物書きであるならば尚更で、明確に相手の顔を見て会話以外の方法で他人と無言のコミュニケーションを取る方法が小説だからこそ、分かりやすさが必要になるわけです。
だからこそ私は、論文よりも宮廷道化師のような『語り』を好んでいます。
ただし例外もあって、伝えることそのものよりも、直接問いを示した時に、これを読んだ人がどのように感じるかということを知るための方法としては正しいと思います。
最後にもしどのような部分が少年漫画的なのか? ということが気になるのでしたら、他の作品との類似点を交えてお話しすることもできますので、お気軽に言ってください。
作者からの返信
"前回のテクスト論の助言に則り"
お手数おかけしてしまいましたね……ですがありがとうございます。
"人類学や社会学を専門的に学んでいないこと"
貴作を拝見していると、その分野で関心の対象となる事物を捉えていると、実感しております。私は説明のために名前を借りているに過ぎませんから、ご謙遜なさらず。
"いかに彼らが主人公にとって印象深い存在"
安堵しています。タイトルの次に考えたことでした。自分のように思える考えが、人に由来すること、影響を受けて、関係性の中に成立する心の距離感、一人称だからできた表現でしたので、伝えることができて大きな喜びを感じております……!
"動きと登場人物の心理を融合させようとして"
いつか、複雑な場合でもその融合に読者がついてこれるようにガイドライン的なものを物語の中で作っていきたいです。
"学者でなければ最も優先すべき事項"
鋭いですね……私が物語を描くきっかけとして、論文や分厚い本の内容を伝えたい、ということが始まりでもありました。
"論文よりも宮廷道化師のような『語り』を好んでいます"
そういうことだったのですね……!深く共感いたします。
"他の作品との類似点を交えてお話しすることもできますので、お気軽に言ってください"
ぜひ、詳しくおっしゃってください。わかりやすさを心がけるより、考えるままを言葉にしてみてください。そのほうが、受け取れる情報量が多く、私にとっては有用であるためです。
編集済
第一話 足跡の花への応援コメント
なるほど、最近の流行(もしかしたら少し前なのかもしれませんが)である追放系に、少年漫画的な要素を取り入れているのですね。
そういう視点から見るのなら、語るよりも示すという方法は、ある意味では漫画のように何が起きたかを『見せる』手段であるように思えます。
そして最も気になるのは、あの怨霊についてです。
主人公の能力、もしくは主人公の中に封印された何かでしょうか? だとすれば、致命傷を負わなくてはならないという発動条件は、読者に主人公が死なないという安心感を与えながらも、主人公の葛藤や選択に焦点を当てさせる試みとしてとても素晴らしいと思います。
なにより、主人公を追放したのは仲間が彼のことを嫌いだからとか無能だったからという理由ではなく、あの現象に纏わるものである可能性が高いと思いました。
これで物語の目的が明確になりました。
一方で長期連載には向いていても、『どう完結させるか?』というのを決めるのは難しいように思えますね。
と、ここまでは脚本に対しての批評ですね。
文章に関してですが、私が文学を学んだわけではないため、好みの問題ということ以上のことは言えそうにないです、すみません。
ですが要望にら応えたいと思います。
個人的な感想を言えば、心理描写や動きの描写はどれだけ比喩表現や慣用句を交えて思うままに描写してもいいと思います。
しかし私個人としては戦闘シーンの文章に限っては、分かりやすい方が好ましいです。
理由は幾つかあります。
1.物語を読むテンポの問題
どれだけ素早く動くアクションシーンでも、読む手が止まってしまうことがある。
もちろん、現在の文章でも疾走感は表現できています。
しかし戦闘シーンの途中で一度止まって自分の中で噛み砕く時間が必要であるというのは、読者によってはかなりストレスを覚えることも多いでしょう。
昨今のライトノベルが人気なのは、戦闘シーンを直感的に理解できるからであると言えます。
もっともそれは、煎餅とお粥のどちらの方が好ましいかという話で、良し悪しの話ではないということは覚えておいてください。
2.誰が何を意図して動いたのかが分からない
これは漫画やアニメのような戦闘の表現ですが、戦闘の勝敗は必ずしも力が強いとか、足が速いと言った個人の戦闘力によって変わるものではありません。
喧嘩だろうと戦場だろうと、ものを言うのは技術よりも戦術です。
精神論的な、気持ちの強い方が勝つというのは、あくまでも技術が同レベルの時の話であると言えます。
つまり能力同士の相性の有利不利や地形、勝利条件などが組み合わさることによって戦況は動くと言えます。
そしてなぜ勝ったのか? ということが分からないと読者としては納得し難いもの。
この場合は他者の視点から怨霊を見ているのか、怨霊の視点から他者を見ているのかをしっかりすることで互いの意図を分かりやすく伝えることができると思います。
ですが、他の作品よりも分かりやすいように書きたいというのを目標にしているということはひしひしと伝わってきます。
とくに本場のファンタジーを、どうやって分かりやすく見せるか、というところに焦点が当てられているのではないでしょうか?
まだあまり書いている人が少ないところを、敢えて開拓したくなるというのは、とても共感を覚えます。
最後にあの怨霊についての思ったことなのですが、あれは不安定な思春期の心そのものであるように思えます。
魔法的な存在というよりは、精神が生み出す怪物といった方がいいでしょうか?
そこからこの物語のテーマを推理するのなら『少年時代との決別』でしょうね。
テクスト論。
大雑把に言えば作者が自由に書くように、読者も自由に読む権利があるという考え方でしょうか? 少し調べただけなので怪しいですが、間違いがなければ、そう受け取らせてもらいます。
作者からの返信
またまたお時間割いてくださり、心からお礼申し上げます。
"少年漫画的な要素"
そうですか……!漫画はあまり嗜みがないので、これを機に読んでみようかと思います。現在の漫画の、文学的な表現はどうなっているのでしょうか
"主人公の葛藤や選択に焦点を当てさせる試み"
"あの現象に纏わるものである可能性が高いと思いました"
よくお気づきですね……!タイトルと同時に、1番最初に気づいたことでした。
"『どう完結させるか?』というのを決めるのは難しいように思えますね"
そう思うに至る筋道に、私は大変興味があります。実は物語の始まりから終わりのことが、タイトルに詰まっています。
"好みの問題ということ以上のことは言えそうにないです、すみません"
いえ、積極的に何が好きで何が読み進めて辛かったかおっしゃってください。私は人に挑んでおります。ここをコントロールできるようにならねばなりません。お手数でなければ、教えてくださいませんか。
"分かりやすいように書きたい"
そうです……物語を描く時の信念を曲げて書いております。自分で読んでいると、その信念に従って書き直したくなるのですが、ぐっと堪えております……
"本場のファンタジーを、どうやって分かりやすく見せるか"
私は人類学や社会学、その他人に関する知見がありますので、人そのものを表そうとしています。そこまで人に詳しい人がいないから、というのもここに挑む人が少ない理由かなと勝手に考えております。
"最後の方は何の確証もないことを語ってしまってすみません"
せっかくなので、批評と関連するお話をさせてください。テクスト論というものをご存知でしょうか。私は、物語の中の文脈と、作り手が意図するものを慎重に見つめています。ここの違いがわかるようになると、きっとより、物語と対話することができるようになるでしょう。
第1話 別れとやらせ、その定めへの応援コメント
まだ自分というものを理解しきれていない子供特有の、愛されないことへの不安というものが綺麗に描かれていますね。
そして努力と才能というものに、とても焦点を当てているように思えます。
やろうと思ってもできないことがある、理想の自分に届かない。
これは思春期の子供が、自分には何ができるのかを見つめる物語の始まりであるように思えます。
括弧を使って、セリフへの誤解を減らしているのも面白い試みです!
ただ最後だけは、私の独海力不足かもしれませんが、一瞬何がどうなったのか分かりにくかったです。
堅い文章ですみません。
作者からの返信
お時間割いてくださり、心からお礼申し上げます。
今作は、拙作異世界徴税官と異なり、エンタメを重視しようと挑んでいる作品です。
まさか、この部分を感じさせることができているのなら、心底安堵する思いです。今作におけるこの主題が、読者から見て迷子になっていないか、不安でたまりませんでした。お気遣いありがとうございます……!
ただやはり、懸念点はあります。それは、彼の語りは、当然、物語に存在する彼と関係のない他者によって文字に起こされたものですが、一人称であるため、読者へわかりやすく伝える作者の作為があまり強く作用していないのが、改善点です。次回作では、説明的な語り部を採用する予定がありますので、わかりづらいところは満遍なくおっしゃってくださると大変嬉しく思います。
編集済
第6話 足跡の足音への応援コメント
企画からきました。
方程式で会話が出来るほどの理系ですが、何とか頑張って最後まで読みました。
>>その切っ先は赤い頭巾の少女へ。少女は棘に引っ掻かれながら、横に転がって躱す。
怨霊=妹様で確定ですね。おそらく穴の中? 犯人は、魚三人組み?
それはともかく。足跡から花畑。GAMEの話で申し訳ありませんが、ブラッドボーンを彷彿しました。あれも、人形ちゃんという人外ヒロインがでてきますし。
先が楽しみな作品です。
追伸:
返信、読みました。
いえいえ、私に読解力が無いだけですよ。
でも、数学って実はとても単純なんですよ。
私の好きな「デデキントの切断」っていう数学原論があるのですが。一本の連続した実数(リアル)直線を切断して二本にした後。元の連続した実数(リアル)直線に戻すためには、二本のどちらか一方にだけ糊代をつけなくてはならない。どちらにも糊代をつけなければ、糊代の代わりに間に無理数(アンリアル)という抽象的な数を定義する必要がある。
ってなことで。「リアルを構築するにはどうしてもアンリアルが必要になる」という解釈ではないかと……
面白いですよね。
作者からの返信
お時間割いてくださり、心からお礼申し上げます。
"方程式で会話"
あなた様のような方でさえ難儀したのでしょうか……?抽象度と象徴付与は、数学やその定義に近いものがあるかと思ってましたが……今回は簡単に書くことを意識していただけに、普段の言語感覚と事象への認知の違いも合わせて衝撃を受けています……一体どうすれば……
幻想的な感じを想起させてしまうのですね……もっとリアリティを追求した語彙選択を追求していきたいと思います。
"おそらく穴の中?"
すんなりと読者は息をするように理解できるつもりでしたが……3人たちをあのように読んでくださることも、とにかく、大変嬉しく思います。
第6話 足跡の足音への応援コメント
まるで夢の中を歩いているような、不思議な読後感でした。ぶよぶよとした生き物の手触り、石材を引き抜く感覚、時計に染み込む存在。どこか幻想的でありながら、重たい現実が足元に絡みつきます。最後の影踏みの場面、足跡と足音が、ただの痕跡ではなく、心の動きそのものを映し出しているようで切ない……・
作者からの返信
確かに……現在進行形というよりは、過去完了の語りです。人物の経験が書物の形にされています。本当に鋭いですね……
彼と彼女の距離感が縮まりも、感じてくださり嬉しいです……!
第一話 足跡の花への応援コメント
足跡に咲く緋い花の異様な美しさと、怨霊の禍々しい存在感が圧倒的でした。静かに狂気を孕む描写に、まるで悪夢の中を彷徨うような感覚。少女の震える息遣いまでもリアルに伝わり、読後はまるで嵐が過ぎ去ったような余韻…!続きが気になるけど、またの機会に伺います。
作者からの返信
いつもありがとうございます。
今回は、エンタメに挑戦するつもりですが、まだまだ作品の体裁は整っておらず、荒い下書きのような物です。完結させ、綺麗に作り上げた時にお届けしたいなと、うずうずとした心持ちです。
ここのシーンは若年層へ訴求するためのものですが、結末にも関わる重要な場面。大事に積み重ねていきたいです。
第1話 別れとやらせ、その定めへの応援コメント
切なさがじわっと胸にくる……。シャケジャックの荒っぽい態度の裏に、何か言葉にできない想いが隠れてる気がしてならない。主人公も、傷つきながらも仲間との時間を簡単には手放せなくて、その気持ちが痛いほど伝わってきた。最後のあたたかさと痛みの交錯が鮮烈で、読んでいるこちらの心もざわつく。これからどうなっちゃうのか、気になって仕方ない!
作者からの返信
いつもお時間割いてくださり、ありがとうございます……!
ほんとうによく気づいてくださりますね……彼のためらいは気づかない人が多く……
編集済
第6話 足跡の足音への応援コメント
コメント失礼いたします。
今回の自主企画にて作品をフォローしてくださり、ありがとうございました。
遅れ馳せながら、アタオカしき様のこちらの作品、ならびに別作品『異世界徴税官』の本編前3投稿を拝読し、率直に感じたことをまとめさせていただきます。
↓↓↓
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お恥ずかしながら全話2周して、ようやく内容を噛み砕けました。タイトルの漢数字の意味も2回目で気付いた次第です。
誰が語っているかすら把握できずじまいで1周目を終えました。"とりあえず読んだ"に過ぎません。
後に、異世界徴税官の本編前でいう第2話のまとめ(以後『末尾』とする)に記された、違和感・脳の仕組み・創作のテーマ・自己を他人として等のメッセージを受け、寝ぼけた頭に冷水をぶっかけられました。
しかし、まだそれも完全ではなく第4話からまた違和感を持つようになったので、読み返し理解を深めたく存じます。
同じミステリー作家でも、東野圭吾さんから江戸川乱歩さんの文章を読んだ時のように、はじめは慣れないだけだなと読み進める内に感じました。
末尾のお言葉は、以後、創作を続ける上で教訓にしたいと思うほどの衝撃で、素敵な学びの機会を賜りましたこと、ありがとうございます。自主企画のご縁に感謝を。
─────────────────────────────
※尚、こちらのコメントを残して欲しくない場合は問答無用で消していただき構いません。アウトプットも含んだ拙い文でございます故。
作者からの返信
お時間を割いてくださり、心からお礼申し上げます。お気遣いをかけてしまいましたね。さらに難儀まで……
企画の趣旨を余すことなく把握されており、あなた様の作品への期待が一層高まりました。
本作は、語用論や意味論を下地とした言語学的アプローチをもとに、日本語へ翻訳された形で書かれております。そのため、一般的な日本語の論理構造とは異なり、複数の要素が相互作用しながら成立する構成になっています。
一般的な物語では、「AからB、BからCへと論理が順序立てて展開される」ことが多いですが、本作では、それとは異なる構造を持つ場面が多く存在します。具体的には、「AとBとCが相互作用し、同時に成り立つ」ような形式をとる場面が多く、単線的な因果関係だけでは捉えきれない、多層的な展開が生じます。読者は場面や要素を並行的に受け取り、それらを組み合わせることで理解する場合もあれば、直感的に把握する場合もあります。ただし、主観的な解釈のみで読むと、認識負荷が増し、誤解が生じやすくなるでしょう。
また、本作の視点移動や情報の提示の仕方は、読者の能動的な関与を前提とした設計になっており、全体として「文章を追う体験」ではなく「人物を追体験する」ことを目的とした構成になっています。
もしよろしければ、特に読みづらさや違和感が強い箇所をご指摘いただけますでしょうか。読者の認知プロセスをより精密にコントロールするための貴重なフィードバックとして活用したく存じます。
第四話 幽明の幽霊への応援コメント
ここまで読ませていただきました。個人的にはめちゃくちゃ面白く読んでいるのですけれども(漢数字とアラビア数字の章の違いなど) とても作り込まれていらっしゃるのがよく分かります。その作り込みを全部一読で理解できているか、というと謎なのですが。
さきほど教えていただいたフィードバックの要点に則して書いていきます。
①想定読者に対して何を刺せているのか
②一般的なラノベを好む読者には何が物足りないのか
①想定読者がどのあたりなのかを存じていないので肝心なことが言えないのですが、私は好きです。私が好きであるからには、おそらく純文学の、幻想小説あたりが好きな人が好きかもしれませんね。読んで最初に泉鏡花を思い出しました。
②そして非常に言いにくいことを申し上げるのですが、作者様は「ラノベ向き」の作風ではないのだろうと思います。
なのに、ラノベの要素を取り込みつつ、ラノベをやろうとしている。タイトルなどがそう物語っていますね。(世でいうところのラノベの追放ものをやりたいのだろうとお察しします)
だから一読で読める。内容がテンプレに極めて近いところを通るために、何をやりたいかがよく見えている。今のところこの作品をラノベたらしめているのは、テンプレ要素です。
貶すつもりは毛頭ありません。気分を害されたら本当に申し訳ありません。
個人としては作者様の強みをもっと出していってほしい気持ちがありつつ、しかしそうすれば「ライトノベル」から離れて行く結果になってしまう、そして本当に作者様がやりたいことから遠のいてしまうのではないかと危惧しています。
ラノベの本領というのは「わかりやすさ」です。目を惹き、すんなり飲み下せる、インスタントで口当たりがいい。後を引くことはないし、似たような話を大量に消費することで多幸感を得る、正直な話、消耗品だと思ってすらいます、私の個人的な意見ですが。
そのラノベの特徴から本作はかけ離れすぎています。非常に難解かつ滋味があり、そして噛むほど味の出る文章です。ラノベの読者層であれば(おそらくは)わかりづらさの前に屈服して、素通りしてしまいます。コメントから察するに、何人かいらっしゃったのではないでしょうか……
正味私はラノベというジャンルに押し込めるのが勿体無いほどの文才を作者様に感じているのですが、……この作品をラノベの枠から外すご予定がありましたらいつでも相談に乗ります。本当に。
わかりづらさは確かにあるんですけれど、描写の触れ方といい心理描写といい、最初の3人の使い方といい、思わず目をみはってしまう、学ぶところの多い作品と思います。
続けて読ませていただきます。
作者からの返信
引き続き、お時間割いてくださり心からお礼申し上げます。
"その作り込みを全部一読で理解できているか、というと謎なのですが"
私の課題意識はそこにあります。あなた様は明確にターゲット読者なのですが、その読者さんですら難しさを感じてしまっていることです。私としては、もともとある複雑さを、「これなら一発で理解できてわかりやすいだろう」と加工した上でこの有り様なので、よりわかりやすくする必要があると痛感しております。じっくりと効いてくる読書体験だけでなく、複数の要素が同時に立ち上がってくる読書体験を届けたいためです。それができるようになるためには、やはり簡素が要だと考えています。
"そして本当に作者様がやりたいことから遠のいてしまうのではないかと危惧しています"
嬉しいお言葉です……ありがとうございます。私がやりたいことは、前作異世界徴税官である程度行えていますので、今はわかりやすさに挑もうとしている段階です。最終的には、わかりやすさがないと読めない読者を、難しい異世界徴税官を理解できるように、作品の中で補助、架け橋を作る作品を提供しようとしています。このへんは、漫才やコントの審査員が述べる内容を応用すればできると信じています。
"似たような話を大量に消費することで多幸感を得る、正直な話、消耗品だと思ってすらいます"
私の目指す作品とは、消耗品ではあるが、長年使う人がいるように、耐用年数が長い消耗品の作品を目指しております。
"非常に難解かつ滋味があり、そして噛むほど味の出る文章です"
意図しない難解さを取り除いていきたい感じです。そして、文章にある違和感を、受動的でも作品が面白く見えるギミックに作り変えなければならないと考えています。
"この作品をラノベの枠から外すご予定がありましたらいつでも相談に乗ります。本当に"
あたたかいお言葉、ありがとうございます……
わかりやすさを追求するのは、こんどこそラノベ的に描く次回作のためです。今作は、この路線のまま完結するので、むしろ直すべきところを直す感じになります。
"わかりづらさは確かにあるんですけれど、描写の触れ方といい心理描写といい、最初の3人の使い方といい、思わず目をみはってしまう"
どのへんがわかりづらいでしょうか。情報量が多いところは読みづらい、というのは私も同じです。そのため、読者に読み飛ばしてもらいたいところや、重要でないシーンは情報量を増やして読み飛ばしてもらおうとしているのですが、拙作を苦手に感じる人ほど真面目に全部読んでしまっている現状があります。知らない道を歩く気分なんでしょうね……ガイドを作らねばなりません。
心の描き方と、セリンの内面の3人との心の距離感は、どう描けていますか。
特に、ローラがどう見えているのかがとても心配です。リアルにいないような、現実味のない子に見えてしまっていますか?私としては、実際にいる子を、読者が実感できるように強調してる感じではあるのですが……