編集済
"物語中で明確に出る予定はないですが、彼は緋、もしくは赤です"
もしや、最初に登場したのがてんとう虫だったのがその暗示だったのでしょうか? だとすれば、今まで酷い読み間違いをしていたことになりますね、申し訳ないです。
"扉が閉まる——それと同時に正面の壁が扉のように開いた"
この表現は、セリンの退路が絶たれたことを意味しているのでしょうね。
つまり本当の意味で、セリンは主人公としての選択を迫られることになるわけですね。
三幕構成で言うなら、序盤が終わりに向かいつつある部分でしょう。
"生きてるということではなく、魂の形をしているようなぁ……"
ここは力(魔力)について考える、重要な情報ですね。
今まではチャクラやオドといった、生命力にまつわる概念だとばかり思っていましたが、必ずしもそういうことばかりではなく、『念』のような側面もあるのでしょう。
やはりそういうこの世界の力は、一般的な文脈で使う魔力というよりも、もっとこの世界の宗教に密接な概念と考えるべきでしょうね。
そしてこれは特段これが決手という文章を見つけられなかったのですが、ローラは無口だから分かりにくいだけで、実はあまり世間慣れしていないのではないでしょうか?
というより、比較対象が今まで極端に見分の狭いセリンだったからこそ気がつかないようになっていたというべきですね。
通常、目的も告げずに利益だけを伝えて商談をする。
ましてや予定日常よりも早く到着するなど論外です。
これはローラが王女であったという背景からも、市民の暮らしに疎い可能性を示しています。
そういう意味では、ローラはセリンと同じ『知らない』側の人間であり、この物語には子供を導く先人という意味での『大人』はまだ登場していないのではないでしょうか? もちろん人間の大人という但し書きは付きますが……。
"しかし……不思議です。このような意図の受け取りができるにも関わらず、企画の内容や、おまけと、そのおまけに関しては、精度が荒くなっている印象があります"
これは個人的に前回の返信で興味深いと思った部分なのですが、確かに私自身もそう思っております。
前回、ぶよぶよを白色だと思っていたという勘違いがあったように、私の文章を読む精度は元からあまり高いわけではないのです。
むしろ普段返信の時に読んでいるのは、文章ではなくその背景にある構造そのもの。
例えるなら、設計図を読めば出来上がりがどうなるか予想できるという職人技に近いものです。
特にアタオカシキ様の物語は、主に神話や演劇、映画などをベースに組み立てられているように思えます。
これらは比較低分解が容易で、理解しやすいため、読者を文章に集中させるためのに向いた強靭な型だと言えます。
つまり私はこの設計図の断片を読んで、どんな建物が出来上がるのかを予想しつつ、そこに置かれたインテリア(伏線や描写)を見て、設計者の意図を把握するという作業をしているのです。
そのため、一般的に使われる読解力とは少々異なるかもしれません。
そして改めて、おまけの意味するところを少し自分なりに考えてみたのですが……ひとことでまとめるのなら『創作は一人ではできない』ということではないでしょうか?
ひばかり様の文章を参考にしながら読んでみると、おそらくアタオカシキ様の文章は序文は何故そう思ったか? が書かれており、最後の数行で何を思っていたかを要約する、という基本構造があるように見られました。
なのでアニメを引き合いに出したのは、良い作品を作るためには良き受け取り手が必須であるということだとお見受けしました。
編集済
自主企画より失礼します。企画主のあばら🦴です。
先に申し上げておきますが、こちらの作品はストレスになるほど読みづらい上に作品として強さを感じなかったため、ここで早めに切り上げさせていただきます。
この作品に感じた良くない点を大まかに二つほど挙げていきますが……。
まずはおそらく気になっているであろう『文章』についての話をします。
単刀直入に言いますと、『読者への配慮』があまりにも足りません! 特に主人公と手記を書いている誰かの視点の切り替わりが、それをやりたいにしてもやり方が適当すぎます。切り替わりに対して、あぁ視点が別になってるのねと気づくまでの過程による「どういうことだ?」というストレスをなんで味わわなければいけないのでしょうか。序盤のストレスは特に離脱率に繋がってしまうので、貴方様の文章力で分かりやすくしてそのようなストレスを減らさなければならなかったはずです。わざわざ読者から歩み寄りたいと思えるほどの魅力を読者に感じさせていないうちに、読者の方から寄り添ってもらえるだろうという甘い考えを持つべきではありません。
文章に読者を寄り添う気持ちが無く、これは離脱率の高さや読みづらさに繋がっているので、作品の完成度に大きく傷をつけることになってしまってます。当たり前のことですが、場面や視点が変わった時というのは読者側は混乱します。だからそういった箇所では場面の境目であることが伝わるように多めに風景描写を盛るなどの配慮をしなければいけないのですが、この作品では『読者は混乱をしていない』という前提でシナリオを進めている感じがあります。
これはつまり、貴方様はほとんど『作者の感覚』だけで文章を紡いでいて、『読者の感覚』に寄り添う能力が低いと思われます。そして読者の感覚に寄り添う能力が低いということは、読者の感動を呼び起こす展開だったり読者の予想を裏切ったり超えたりの展開ができないし、さらには文章をどんな風に配置したら読みやすくなるかやテンポが良く感じられるかなどを考えられないということです。何故なら読者の感覚に寄り添うことは物語が読者にどう写るかを予測する能力の基礎であり、その能力があって初めて出来ることだからです。
つまり貴方様は、早いところ読者に寄り添う能力を磨いた方がいいです。読者の心情を見極めてこそ読者に攻め入れる強い作品を創れるようになるので。
そして文章に関してはもう一つ言いたいことがあります。
文章の緩急の付け方がよくありません。ずっと平坦です。具体的には、どの部分でも戦闘シーンと同じテンポで文章を書いてしまっています。
見せ場では描写を増してそうでないところは減らす工夫が足りません。まぁ正直これは貴方様に限らず『あるある』と言っていいくらいよく見る欠点なのですが。ずっと同じテンポだと読者の感情や心情と足並みが揃わず、読者視点で興味のない部分を適正より長く続けさせて飽きを加速させたり、読者が特に興味を惹かれるポイントを短く描写して読者の揺さぶりのチャンスを取り逃すことになってしまい、作品の完成度が下がるわけです。
例えばローラが子どもの肘を切り落とした箇所は、読者の驚きと連動させるように、落ちた腕や吹き出す鮮血の描写をスローに描写したり、主人公の頭が真っ白になる心情描写を増すなどの工夫が必要です。
というか……これをするのだって、読者に寄り添う能力がないと始まりません! まずはそれだと思います。
そして、言いたいことの二つ目。
作品の『売り』が全く出せていません。25000字というスペースがありながら、読者を引き寄せるほどの魅力を演出できなかったのは致命的です。
作品にはどんな特殊性があってこれからどんな特殊なことをしていくのかをいち早く提示して、読者に『これは面白そうだ』と予想させなければなりません。これをするのが遅い分だけ当然離脱率が上がるため、序盤はとにかく提示を早くしなければいけないのですが、この作品ではここまで25000字というスペースを使っておきながら提示をしていないのです。
まずキャラクターの人間性が見えないのが痛いですよね。主人公もローラも好感を持てる要素か見てて楽しい面白みのどっちかが欲しかったところですがそれを描写していません。
そして物語の特殊性の提示についても。
主人公が死んだら強いヤツが出てきた、というのを特殊性の提示だと思っているのなら、それはあまりに不十分です。何故ならそれは『設定』の特殊性であり『物語の特殊性』ではないからです。つまりその変わった設定で、どんな変わったストーリーにしていくのかを含めて提示しなければいけなかったのですが、ストーリーはローラの従者になるという、特に変わった点は見られないものでした。はっきり言って、今後どんなストーリーにしていくにしても、もっと演出を凝らないと興味を引く力が弱いです。
もっと言えば、主人公が死んだことで力が暴走したみたいな設定は、別に特殊でもなんでもありませんからね。主人公が実は強かったなんて作品は世の中にごまんとあります。その中で実は強かった主人公という設定をどう使っていくのかが面白さになっていくので特に大事なわけなのですが、貴方様はこの作品でのその面白さを提示できていません。
総じて言うと、序盤のうちに読者を引っ張る力が弱いのです。そこでも完成度が大きく落ちることになっています。
まぁとりあえず、一にも二にも、読者に寄り添うことです! ここでこの文章を書いたら読者にどう思われるか、読者から見てこの部分は文章が足りないのかどうか、それを考えながら執筆すると良いでしょう。きっと大きく成長するはずです!
以上になります。企画にご参加いただきありがとうございました!
作者からの返信
お時間割いてくださり、ありがとうございます。大変な難儀をさせてしまいましたね。それに加えて、言葉の端々から遠慮が感じられます。慮らせてしまい、深くお詫び申し上げます。
"単刀直入に言いますと、『読者への配慮』があまりにも足りません!"
どのような読者なのか、深掘りしておうかがいさせてもよろしいでしょうか。私にとって読者とは、いろいろな種類があると考えているので(人種のように。アルコールに強いが飲まないイスラム圏人、相対的に弱いアジア人など)どの読者を想定していらっしゃるのでしょうか。
"やり方が適当すぎます"
どのように適当でしょうか。もしよろしければ、具体的におうかがいしてもよろしいでしょうか。
"「どういうことだ?」というストレスをなんで味わわなければいけないのでしょうか"
やはり、ラノベ文化に馴染み深い方はストレス?を避ける傾向にあるのですね。私は負荷と呼んで区別しておりまして、確かに今のエンタメではよく論じられるものですね。
"文章力で分かりやすくして"
わかりやすさが没入感を削ぐと考えているのですが(ワンピースの戦闘でずっと解説を喋る人物など)こちらについてどうお考えでしょうか。
"読者の方から寄り添ってもらえるだろうという甘い考え"
どのような観点から甘い、と判断しているのでしょうか。私が考える範囲ではエンタメ(=願望成就と定義)とは提供するものであるとしております。私はエンタメ性に挑んでおりますので、あなた様のエンタメ論をお聞かせ願えますか。また、皆さんがラノベや負荷の少ないエンタメを展開しているのなら、私は空いている土地を使っている感覚です。
"文章に読者を寄り添う気持ちが無く"
お〜!私が最近がんばっていることです。具体的にどの部分が該当しますか。
"場面や視点が変わった時というのは読者側は混乱します"
……あなた様は物語をかなり理解できている様子ですが、その推論はどこから来ているのでしょうか。時間がかかった、などでしょうか?そうであれば、何秒くらいかかりましたか。
"貴方様はほとんど『作者の感覚』だけで文章を紡いでいて、『読者の感覚』に寄り添う能力が低いと思われます"
ひとりで向き合う創作はその状態に陥りやすいので、私はこうして自分以外の声を欲しております。ありがとうございます。
"読者の心情を見極めてこそ読者に攻め入れる強い作品を創れるようになる"
最近、読ませる本(受動)と読む本(能動)についてフィードバックくださる方がいらっしゃいました。あなた様はこれについてどう感じていらっしゃいますか。また、あなた様にとって創作とは、何の手段であり、どんな目的を達成させますか。
"文章の緩急の付け方がよくありません。ずっと平坦です"
はい。人物のテンションが上がると、傍観している我々は距離を感じてしまうと考えております。
"まぁ正直これは貴方様に限らず『あるある』と言っていいくらいよく見る欠点なのですが"
どのような観点から欠点と定義しているのでしょうか。その基準を明らかにしてくださると、一長一短の判断が格別に容易くなります。
"読者視点で興味のない部分を適正より長く続けさせて飽きを加速させたり"
はえ〜!?びっくりしました。やはりどのような文化に基づいてこの感覚が生成されるのか追求しなければならないと強く感じました。どなたの影響を受けていらっしゃいますか?
"作品の完成度が下がるわけです"
そうですね!あなた様の観点がわかってきました。
"ローラが子どもの肘を切り落とした箇所は、読者の驚きと連動させるように、落ちた腕や吹き出す鮮血の描写をスローに描写したり、主人公の頭が真っ白になる心情描写を増すなどの工夫が必要です"
そうですね!読者が1番!
"作品にはどんな特殊性があってこれからどんな特殊なことをしていくのかをいち早く提示して"
共感深いです。
"まずキャラクターの人間性が見えないのが痛いですよね。主人公もローラも好感を持てる要素か見てて楽しい面白みのどっちかが欲しかったところですが"
おお……あなた様の意味する人間性とはどのようなものでしょうか!
"そして物語の特殊性の提示についても"
"その中で実は強かった主人公という設定をどう使っていくのかが面白さになっていくので特に大事なわけなのですが、貴方様はこの作品でのその面白さを提示できていません"
お〜もっと深掘りして聞いてみたいです。詳しくおうかがいしてもよろしいでしょうか。特殊であることは避け、テーマから導かれる普遍性を心がけております。具体的な返答であると嬉しいです。
"もっと作品の大局を見て、この作品や作者に足りないものや、抱えている欠点を見出したいからです"
頷くほどご存じだと思いますが、大局も細部もどちらも欠けては物足りないものになります。小さなものが積み重なって大きなものとなる、ということもご理解していらっしゃる、そう節々から伝わってきております。
いやはや。やはり参加して良かったです。確かに得るものがありました。質問への応答は、私の近況ノートにて、いただけないでしょうか。
何度もお手数おかけしてすみません。