この物語は、『エレガント』という喫茶店を営んでいる、
自称『名探偵』のマスターが、店にやってくる客の悩みを『推理』で解決するという物語ではあるが、
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この物語に忍ばされている違和感に気が付けば、
この物語が単なる『ミステリー』ではないことに否が応でも気がつくことだろう。
最後の怒涛の伏線回収は見事としか言いようがなかった。
ところで、
この物語の作家先生は、
続編の構想をすでに立てており、
マスターはこの過疎の村を抜けて元温泉旅館のあったあたりに引っ越したのだが、
そこの地名が『巨毛オ』という地名だった……という作品を現在執筆中で、明日にでも公開予定である。
先生の次回作に期待しよう!!
あらゆる謎を解き、人々の悩みを華麗に解きほぐしてきたエレガントなマスターが、「怪談」という謎の解きようのない問題にぶつかってしまう本作。
軽快なタッチで描かれるストーリーは読みやすく、初めは愉快な気持ちですいすい読んでしまいました。
しかし、この読書態度によって私は作者様の思惑(!?)通りに転がされ、最後には心地良い敗北を知ることになったのです。
怪談の中に眠る謎をひとつひとつ拾っていく途中過程、そしてあらゆることが解明され、全てがハッキリしてくると同時にこれまで真実だと思ったものが一気にひっくり返されるオチ。
この見事さ、まさに驚天動地です!
まだお読みでない方は是非ともご一読ください!
喫茶店のマスターは『推理名人』。その称号の通り、彼は店を構えてから三十年以上も、悩みを抱えて訪れたお客さん達の謎を解き明かしてきた。
そして今日も、喫茶店には悩みを抱えたお客さんがやってくる。
そんな調子でマスターは、あるカップルが抱えている謎を解こうとしたのだが……。
お出しされた謎は、『洗面器の儀式』という怪談の佳境だった。
なんということでしょう。本格ミステリーの導入から一転、マスターは怪談の土俵に立たされてしまったのです。しかも、厄介な外野がマスターは推理名人だと煽り立てるせいで、引っ込みが付かない状況に!
しかし、そこは歴戦の推理名人。怪談なんてどう推理すればいいんだと悩みつつ、怪談のツッコミどころに切り込んで推理を展開させていく。
果たして結末はミステリーなのか、それともホラーなのか。
気になった方は、ぜひ読んでみてください!
喫茶店の渋いマスターが店に持ち込まれた謎を華麗に解決する、という話。
いつもは難なく解決してきたマスターも今回の謎はオカルトめいたものだったので、少々苦戦することになります。
一見ただの怪談に見える話だったんですけど、その謎の真相は現実的で納得できるものになっており、事前に提示された情報からしっかりと推測できるようになっています。
マスターの鮮やかな推理を聞いた後、あースッキリした、と私は思っていたのですが、しかし、これだけで終わらないのがこの作品のすごさで、今回も黒澤カヌレさんらしい意外性のある展開が終盤で怒涛のように押し寄せてきます。
私は最後の方、驚かされっぱなしでした。
冒頭の部分から流し読みせず、細部まで注意深く読んでください。
後々、「あ、あそこ、伏線だったのか!」と気づくことになりますから。
心地よい伏線回収が味わいたいという方に、この小説を特におすすめします。