概要
あなたは美しい。誰が何と言おうとも。
「どんな女も美しくする」――女性の化粧から衣装の選定までを行う万華楼(ばんかろう)は、都でそんな大評判をとっていた。万華楼で働く十八の少女である紅珠(こうじゅ)は、日々を心から楽しんでいた。かつて見た、一生女性に化粧を施して生きていくという夢を諦めながらも。
ある日紅珠のもとに、一件の依頼が届く。依頼の主は大富豪の妻・淑瑛(しゅくえい)。夫に愛されるため、彼女は万華楼の力を必要としているという。化粧のうまい侍女などいくらでもいるはずなのにわざわざ依頼をするとは、淑瑛はひどく醜いに違いない――そう思っていた紅珠の前に現れた淑瑛は、絶世の美女だった。
夢を捨てた少女と夫に愛されない美女。二人が出会った時、互いの人生が動き出す。
ある日紅珠のもとに、一件の依頼が届く。依頼の主は大富豪の妻・淑瑛(しゅくえい)。夫に愛されるため、彼女は万華楼の力を必要としているという。化粧のうまい侍女などいくらでもいるはずなのにわざわざ依頼をするとは、淑瑛はひどく醜いに違いない――そう思っていた紅珠の前に現れた淑瑛は、絶世の美女だった。
夢を捨てた少女と夫に愛されない美女。二人が出会った時、互いの人生が動き出す。
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- ★★★ Excellent!!!化粧は誰のためのもの。本当の幸せを見つけようとする力強い女性の物語。
化粧で女性を華麗に変化させることに強い達成感を覚える主人公の紅珠。ある日、舞い込んできた依頼は、大富豪の妻・淑瑛からの「夫の愛を取り戻したい」というもの。
勇んで淑瑛の元へ赴いた紅珠は、「愛される女性」の手ほどきを教えるのですが……。
化粧を施す側、施される側、それぞれが「化粧」を通じて自分の境遇について深く考え悩むことになります。その根底にあるのは、いつの時代にもある女性の生きづらさ。そして、そこに気づいた時、「女性が化粧をする」意味が大きく変わっていきます。
世が求める理想の女性像にノーを突きつけ、本当の幸せを見つけようとする力強い女性の姿を鮮やかに描いた物語です。