物語の完成に苦悩するすべての物書きへ

書くという宿命に縛られたあなたに読んでいただきたい作品です。
貪読の娘とはなにものなのか? 書くことに苦悩する主人公に救いはあるのか? 詩的な言葉、結末、伏線、謎、丁寧に紡がれたモチーフ達、繊細で美しい作品です。
いえ、あなたが幾ばくか小説の類を書いたことがあるのなら、鮮烈で肚の底に響く短編です。
では読み専の方にとってはどうでしょう?
様々な事情でエタった作品にも五分の魂がある。あるいは、あえなく途中までしか読めなかった作品にもなにかの意味がある。なにかを始めたことは無意味じゃない。
繊細な短編ですが強いメッセージを感じます。