澄みきった海空（うみぞら）と戦争の狭間で

この話は、戦争の中で「飛竜」と呼ばれる若いパイロット・山上の苦悩と葛藤を描いてる。最初は夢と希望を持って飛んでたけど、現実の赤い血や破壊に直面してだんだんボロボロになっていく。

嘘や虚構に囲まれながらも、自分のやるべきことに縛られて、最後は特攻隊の若者たちを励ます立場に。だけど、その胸の内はすごく重い。

戦争の悲しさや理不尽さが伝わってくるし、主人公の心の動きがリアルで刺さった。読んでてしんどいけど、すごく考えさせられる話でした。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（683文字）

耳にすることも少くなった戦争時代。
どれほど悲惨な時代なのか、私たちにも知る必要があるのだと思う。

このお話は、家族思いの少年が海軍に入り、戦争という残酷な現実を肌で知っていく物語。

ゲームやお話の世界とは違う。
現実には、失われた命が蘇ることなどないのだと突きつける。

はるか昔のことのように感じて、実はそれほど 昔ではない 戦争。
忘れてはならない戦争。
誰かが受け継いでいかなければならない 戦争。　

世界中では、未だ戦争が続き 人の命が簡単に失われている。

子供が軍人に憧れるような時代は、二度と来て欲しくないと願わずには居られない。

軍国、愛国、護国、反戦、惨劇……。

特攻は様々な視点で論ぜられるテーマですが、単純に割り切ることが出来ない現実を叙情的な文体で見事に描かれています。

色々と考えさせる読後感をありがとうございました。