指ポキ!
ナカナカカナ
指ポキ!
20XX年 世界は核の炎に包まれた!!
海は枯れ 地は裂け
あらゆる生命体が絶滅したかにみえた
だが・・・人類は死滅してはいなかった!!
「ケェヒヒィー! 水と食料だぁー! さっさと出せぇー!」
「お祈りするがいい悪党どもめ!」ベキボキボキ
────────
ひ、ひぃぎいいい! はぁ……はぁ……あ……う……
あ、ああ。どうも。
え? なんの悲鳴かって?
いえ……たいしたことでは……
ほら。さっき『この体の男性』がね。ベキボキと指の骨鳴らしてたでしょ。通称指ポキ。アレね。結構キツイんですよ〜。
あのね。皆さん気軽にポキポキ、ポキポキ指を鳴らしてますけどね。関節には本当によくないんですよ。
指ポキ。あれね。なんで音が鳴るか知ってますか?
関節が動くと、関節内で満たされてる液に気泡が発生するんですよ。音が鳴る時は普通よりも大きく動かした時です。すると関節内で急激な減圧が起きて……
パン!
気泡が割れて音が出るわけです。
ああ。申し遅れました。私、前世では接骨医をやっておりまして……まあ、こういうの詳しいんですよ。
え? 今?
今は……まあ……『この体の男性』の薬指をやってます。
え? そんな事があるのかって?
いや。知らないですよ。実際、今は薬指なんですから……
あ! また悪そうなヤツが!
ちょ、ちょっと待って下さいね! 『この体の男性』ね。悪いヤツ見かけるとすぐ指ポキするんですよ! そ、その度に私……
────────
『テメエらの血液型は何型だぁあああ!』バキバキボキ
────────
ひ、ひぎぃいいいいいい!
あ……う……イタタタ……あー……まいった。
いやぁ……本当に……関節なんて鳴らしちゃダメですよぉ……
いいですか。あれね。指ポキする時に関節内で凄い衝撃波が発生してるんですよ。その衝撃波で、関節の内部が破壊されてしまうわけです……
ただ恐ろしいことに関節の軟骨には神経が通ってないわけで……痛くないんもんだからポキポキポキポキ……ボキボキボキボキ……ストレッチがわりに鳴らしてしまうというわけです……
見て下さい。人差し指さんを……
アレ? 人差し指さん! 人差し指さーん!
「あ……う……うぅあ……ああ」
ひ、人差し指さん……
「無駄だ。無駄、無駄」
あ。中指さん! 人差し指さんは、どうされたんですか?
「人差し指の野郎は、もうダメだ……完全に自我を失っちまった……」
そ、そんな……
「野郎……最近覚えた片手でやるヤツ……妙にカッコつけてやるアレだよ。親指で人差し指をペキってやるヤツを覚えてから負担が倍増してな……あ。ほら来るぞ」
────────
『お仕置きの時間だ……』ペキッ
────────
「う…………………………」
ひ、人差し指さーーーーん!
「くそっ! 親指のヤツ!」
そんな……親指さんだって好きで人差し指さんを鳴らしてるわけじゃ……
「だけどよ! ……あ! また行くぞ! 片手指ポキ! おい! 親指いい加減にしろ!」
親指さん! なんとか……なんとかなりませんか!
「うう……オ、オレだって、こんなこと……こんなこと……ああ……すまない! すまないぃいいい! 人差し指! ああ……あああああああああああああああ!」
────────
『瞬殺してやるよ』ペキッ
────────
「ん……………………」
人差し指さーーーーーん!!
「あああああああああああ! すまない! すまない人差し指! ちくしょーーー! ちくしょうめーーーーー!」
「まあ……苦痛から解放されたんだ……ある意味、人差し指はアレで幸せなのかもな……」
中指さん……そ、そんな……うう……
「ははは。大変だね」
あ、アナタは!
「ワイ小指。高みの見物www」
「くそー! 小指め! テメエだけずりぃぞ!」
「ウケるwww」
どうです皆さん……コレが……指ポキの現実ですよ……
今はいいですよ……でもね。10年後……20年後……モノが掴めなくなったり、バネ指になったり……そんなことに……
アナタ達は、なりたいんですか?
やめよう! 指ポキ! 未来のために!
A◯ JAPAN
指ポキ! ナカナカカナ @nr1156
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